水産「ブルーオーシャン」戦略を描く人権・生物多様性・気候変動から考えるサステナブル・シーフード
株式会社シーフードレガシー(代表取締役社長:花岡和佳男、所在地:東京都中央区、以下:シーフードレガシー)と日経ESG(発行:株式会社日経BP、発行人:酒井耕一)は2022年10月19日(水)〜21日(金)に「東京サステナブルシーフード・サミット2022(以下、TSSS2022)」を開催し、会場参加とオンラインでの視聴者を合わせて約870人の方にご参加いただきました。(共催:ウォルトン・ファミリー財団、デビッド&ルシール・パッカード財団)
今年のサミットのテーマは「水産「ブルーオーシャン」戦略を描く〜人権・生物多様性・気候変動から考えるサステナブル・シーフード〜」。
市場での熾烈な競争のみに注力するのではなく、持続可能で健全な海洋や責任あるビジネスのための高収益・高成長分野となる「ブルーオーシャン」を開拓していくためには、公正な競争の土台となる人類共通の課題の解決を図ることが重要です。そのためのカギとなるのが、今回のサブテーマ「人権・生物多様性・気候変動」です。
今回のTSSS2022では、
・人権デューディリジェンスや生物多様性保全、脱炭素化は国際的に取り組むべき環境・社会課題でもあるが、個別企業にとっても、生き残っていくために、商品・サービスの新たな価値を生み出し、差別化をはかるためのビジネスチャンスでもあること
・こうした動向を後押しするべく、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)をはじめ、企業に環境・社会課題に関する機会とリスクについて情報開示を求める動きが高まっており、投融資の流れが大きく変わりつつあること
が共有されました。
日本では漁業法が改正され、水産流通適正化法も12月には施行されるなど、市場競争のための公的な枠組み改革が大きな進展を見せており、TSSSでも海外に紹介できる日本の好事例も増えてきました。一方、TSSS2022で共有された、WBA(ワールド・ベンチマーク・アライアンス)が発行したSeafood Stewardship Indexなどによると日本の水産企業の評価はまだ決して高いとはいえません。
日本がもう一度、世界に誇れる水産大国となるためには、持続可能性や責任ある水産大国として、その位置付けを国際的に高めることが不可欠であり、国際戦術として「取り組みの強化とスピードアップとマルチステークホルダー連携」さらには「金融業界と水産業界の歩み寄り」「現場と消費地の相互理解」をしっかり意識することが必要といった指摘もありました。
東京サステナブルシーフード・サミットも来年でいよいよ9年目となります。
水産ブルーオーシャンを実現していくためには、まだ課題も多く残りますが、来年はさらなる進展を国内外に発信していけるよう、皆様と共にサステナブル・シーフードの推進に取り組んでまいります。
また皆様とお会いできますことを楽しみにいたしております。
最後になりますが、サミット開催にあたり、ご協力くださった全ての方にお礼申し上げます。
開催概要
■ 名称 東京サステナブルシーフード・サミット2022 (TSSS2022)
■ テーマ 「水産「ブルーオーシャン」戦略を描く〜人権・生物多様性・気候変動から考えるサステナブル・シーフード〜」
■ 日程 2022年10月19日(水)〜21日(金)
■ 会場 オンライン開催
■ 参加者人数 約870人(視聴者数(3日間述べ)約670人、登壇者数68人等含む)
■ 参加費 3日間通しで1人 5,000円(税別)
■日英同時通訳
<公式サイト>https://sustainableseafoodnow.com/2022/
会期中、日本のサステナブル・シーフード・ムーブメントの活性化に貢献した取り組みを表彰する「第4回ジャパン・サステナブルシーフード・アワード」の授賞式も開催いたしました。
アワード公式ページ:https://sustainableseafoodnow.com/2022/award/
イベントの様子
■株式会社シーフードレガシー(www.seafoodlegacy.com)
シーフードレガシーは、社会・経済・環境におけるサステナビリティを念頭に、海と人をつなぐ象徴としての水産物(シーフード)を豊かな状態で未来世代に継ぐ(レガシー)ことを目指す、ソーシャル・ベンチャーです。世界を網羅する幅広いネットワークや専門知識を活かし、国内外の漁業者、水産企業、NGO、政府等と協働して、日本の水産業に適した解決策を描きます。
■日経ESG
「日経ESG」は、株式会社日経BPが発行するESG(環境・社会・ガバナンス)に関する企業の取り組みや投資家の動向などの最新情報を提供する月刊誌です。国内外のESG政策の動きや、投資家の声、企業の最先端の取り組みをはじめ、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献する社会課題を解決する新ビジネス、コーポレートガバナンスなどの最新動向もお届けします。