支援者へのリターンにSNSから生まれたリンゴのタルトタタン
自然を相手にする農業。自分の力でコントロールできない部分も多く、8月には記録的大雨により青森県一帯の農家が被害を受けました。青森県弘前市で中田農園を営む私・中田洋輔(25)は、8月上旬の記録的な大雨で冠水被害を受けたリンゴ園の復旧費をクラウドファンディング(CF)で募っています。目標金額は300万円。9月6日に開始し、24日現在で331人から目標の3分の2にあたる約200万円の支援金が全国から集まっています。
支援のリターン品の中には、被害状況を伝える動画を見て名乗りを上げてくださった愛知県の米農家さん、東京のパティシエさんとのコラボで完成したリンゴのタルトタタンもあり、支援の輪が全国に広がっています。CF開催期間は10月10日まで、CFサイトのキャンプファイヤー(https://camp-fire.jp/projects/view/619356)で募集しています。
▶︎8月上旬の大雨被害状況について
8月上旬に記録的な大雨に見舞われた青森県では、全国一の生産量を誇るリンゴへの被害が11市町村の611ヘクタールに及びました。収穫前のリンゴを廃棄せざるをえない状況で被害額は速報値で約7億5400万円にのぼると言います。
私どものリンゴ畑は市内で一番大きい岩木川の河川沿いにあるのですが、畑がすっぽりと水没してしまうほど、水位が上昇しました。河川上流にある大きなダムが水を貯めこみきれなくなったため放水し、各地域の川の水位が上がった結果、水門を開けざるをえない状態になったからです。雨が止んだ後も3、4日間は川の水は引けず、私の畑は水に浸かりっぱなしの状態が続きました。その結果、川の泥水に含まれている土壌菌によって腐食していまい、例年30トンほどある収穫が半分ほどにまで減りました。被害額はおよそ300万円に上ります。また、水没した畑では果実だけでなく木の樹勢にも影響を及ぼすため、来年リンゴの花が咲くかも心配な状況です。
▶︎支援の種類・リターン品について
支援には3000円から12万円まで5つのコースがあります。リターン品は、金額に応じて冠水被害を受けなかった園地で収穫したサンふじやリンゴジュースを贈ります。
リターンの一つにSNSで繋がった米農家さん、パティシエさんと共同開発した「リンゴのタルトタタン」があります。
きっかけは、SNSで5万人のフォロワーを有し影響力のある「農家のKT」こと近藤匠さん(写真左)に今回の被害に関してSNSで発信して欲しいと連絡したことでした。近藤さんによる被害状況を伝える動画投稿が広く拡散される中で、東京の菓子店でパティシエをする小倉優太さん(写真右)からも「何か力になれないか」とご連絡をいただき、コラボ商品を開発する運びとなりました。写真は8月末日に被災現場となった当農園に視察へ来て下さった時のものです。
三人は元々面識がなく、この日が初対面でしたが「他人事とは思えない(近藤)」「日頃使っている食材が大変な状況になり苦しんでいる人が居るなら飛び込まない理由はない(小倉)」と力を貸してくださいました。
リンゴは、この度の大雨被災や台風14号の被害を逃れた当園のものを。タルトタタンの生地には、愛知県の米農家・KTこと近藤匠さんが作ったお米の米粉を使用します。これらの材料を元に、東京の菓子店・パティシエの小倉優太さんが調理をします。
頂いた支援金は、薬剤費のほか、リンゴ樹に付いた泥を洗浄する機械や資材、苗木を購入する費用などに充てます。
▶︎今後について
祖父の代から50年続く3代目のリンゴ農家です。皆様からのご支援を大切に使わせていただき、これからもリンゴ農家を続けていきたいと思っています。
今後は、SNSなどを通じてリンゴ作りの過程を発信しながら顔の見える生産者となり、消費者様が安心してリンゴを食べられるような流れを作っていきたいです。
▶︎本件に関するお問い合わせ
中田農園
住所:青森県弘前市青女子字桜苅380-2
電話番号:080-6338-3630
広報担当者:中田洋輔
メール:nakatafarm.9215@gmail.com
クラウドファンディングサイト:https://camp-fire.jp/projects/view/619356
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