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ホーム調査レポート血液の分解産物ビリルビンが植物で作られることを発見~植物の効率的な光合成に寄与している可能性~〔宇都宮大学、理化学研究所、京都大学、岡山大学、JST〕

血液の分解産物ビリルビンが植物で作られることを発見~植物の効率的な光合成に寄与している可能性~〔宇都宮大学、理化学研究所、京都大学、岡山大学、JST〕

宇都宮大学と理化学研究所、京都大学、岡山大学、科学技術振興機構(JST)の共同研究プレスリリースです。

2023(令和5)年 6月 9日
国立大学法人岡山大学
https://www.okayama-u.ac.jp/
 

血液の分解産物ビリルビンが植物で作られることを発見~植物の効率的な光合成に寄与している可能性~〔宇都宮大学、理化学研究所、京都大学、岡山大学、JST〕のサブ画像1

<発表のポイント>

  • 赤血球の分解時に産生され、黄疸の原因物質として知られるビリルビンが、幅広い植物種で作られることを発見しました。
  • UnaGと呼ばれる、ビリルビンに結合した際に蛍光を発するタンパク質を用いて、生きた植物細胞でビリルビン量の変化を初めて観察することに成功しました。
  • 植物のビリルビンは、光合成の際に発生し、光合成効率を低下させる原因となる酸化ストレスを、低減する働きがあることが分かりました。

◆概 要

 宇都宮大学バイオサイエンス教育研究センターの児玉豊教授(兼:理化学研究所環境資源科学研究センター客員主管研究員)の研究グループは、岡山大学学術研究院医歯薬学域の石川一也助教(研究当時:宇都宮大学同センター特任助教)、宇都宮大学同センターの謝肖男准教授、大崎益秀氏(元:宇都宮大学大学院生)は、理化学研究所脳神経科学研究センター・光量子工学研究センターの宮脇敦史チームリーダー、京都大学大学院工学研究科の沼田圭司教授(兼:理化学研究所環境資源科学研究センターチームリーダー)と共に、動物の血液分解時に産生されるビリルビンが、植物でも作られていることを明らかにしました。

 本研究成果は、2023年6月8日、学術誌「Science Advances」に掲載されました。

 

血液の分解産物ビリルビンが植物で作られることを発見~植物の効率的な光合成に寄与している可能性~〔宇都宮大学、理化学研究所、京都大学、岡山大学、JST〕のサブ画像2

図1. 動植物におけるヘム分解経路とビリルビン産生
茶色の枠が動物でわかっている部分で、緑色の枠が植物でわかっている部分を示す。緑の塗り潰しは今回の研究で明らかになった部分を示す

 

血液の分解産物ビリルビンが植物で作られることを発見~植物の効率的な光合成に寄与している可能性~〔宇都宮大学、理化学研究所、京都大学、岡山大学、JST〕のサブ画像3

図2.ビリルビンと結合したUnaGがシロイヌナズナの葉緑体中で光る様子
UnaGの蛍光(左)が、葉緑体が元々出す自家蛍光(中央)と一致しており(右)、葉緑体内にビリルビンが蓄積していることがわかる

◆論文情報

 論文名:Bilirubin is produced non-enzymatically in plants to maintain chloroplast redox status
 雑誌名:Science Advances
 著 者:石川 一也(岡山大学学術研究院医歯薬学域助教、研究当時:宇都宮大学バイオサイエンス教育研究センター特任助教)
     謝 肖男(宇都宮大学バイオサイエンス教育研究センター准教授)
     大崎 益秀(研究当時:宇都宮大学 大学院生)
     宮脇 敦史(理化学研究所脳神経科学研究センター・光量子工学研究センターチームリーダー)
     沼田 圭司(京都大学大学院工学研究科教授/理化学研究所環境資源科学研究センターチームリーダー)
     児玉 豊(宇都宮大学バイオサイエンス教育研究センター教授/理化学研究所環境資源科学研究センター客員主管研究員)
 URL:https://doi.org/10.1126/sciadv.adh4787

◆研究支援

 本研究は、科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業 総括実施型研究(ERATO)「沼田オルガネラ反応クラスタープロジェクト(沼田圭司、児玉豊、課題番号:JPMJER1602)」、文部科学省科学研究費助成 学術変革領域研究(A)「不均一環境変動に対する植物のレジリエンスを支える多層的情報統御の分子機構」(児玉豊、課題番号:20H05905)の支援により実施されました。

◆詳しいプレスリリースについて

 血液の分解産物ビリルビンが植物で作られることを発見~植物の効率的な光合成に寄与している可能性~
 https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r5/press20230608-1.pdf

◆本件問い合わせ先

<研究内容について>
 国立大学法人宇都宮大学 バイオサイエンス教育研究センター 教授 児玉 豊
 TEL:028-649-5527
 FAX:028-649-8651

 国立大学法人岡山大学 学術研究院 医歯薬学域 助教 石川一也
 TEL:086-251-7954

<JST事業に関すること>
 科学技術振興機構 研究プロジェクト推進部 ICT/ライフイノベーショングループ 今林文枝
 TEL:03-3512-3528
 FAX:03-3222-2068

<報道対応>
 国立大学法人宇都宮大学 広報室
 TEL:028-649-5201
 FAX:028-649-5026

 理化学研究所 広報室 報道担当
 TEL:050-3495-0247

 国立大学法人京都大学 渉外部広報課 国際広報室
 TEL:075-753-5729
 FAX:075-753-2094

 国立大学法人岡山大学 総務・企画部 広報課
 TEL:086-251-7292
 FAX:086-251-7294

 科学技術振興機構 広報課
 TEL:03-5214-8404
 FAX:03-5214-8432

<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
 岡山大学研究推進機構 産学官連携本部
 〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
 TEL:086-251-8463
 E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
 https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/

 岡山大学メディア「OTD」(アプリ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000072793.html
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 岡山大学『THEインパクトランキング2021』総合ランキング 世界トップ200位以内、国内同列1位!!
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000072793.html
 岡山大学『大学ブランド・イメージ調査2021~2022』「SDGsに積極的な大学」中国・四国1位!!
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000373.000072793.html
 岡山大学『企業の人事担当者から見た大学イメージ調査2022年度版』中国・四国1位!!
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000072793.html

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国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています。地域中核・特色ある研究大学である岡山大学にご期待ください

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