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独自キノコ菌糸体を用いた代替肉の製品開発の取組みとオランダNIZO社とのコラボレーションについて

2023年5月9日(火)にオランダ大使館にて、弊社の独自キノコ菌糸体を用いた代替肉の製品開発をオランダNIZO社と行う事で合意し、その合意書調印式を実施致しました。

以前より弊社培養技術を用いた新領域の事業化を目指し研究開発を進めておりましたが、この度本コラボレーションの合意に合わせて弊社が持続可能社会形成のための新事業として『代替肉』の研究開発に取り組んでいる事を公開いたします。

2023年5月9日、オランダ大使館(東京)においてオランダのNIZO Food Research社(NIZO社)とヤヱガキ醗酵技研株式会社(兵庫県姫路市:代表取締役社長 長谷川雄介)のコラボレーション合意書の調印を行いました。これは日本の伝統的な麹菌を始めとしたキノコ菌糸体と呼ばれる食品原料をベースとした代替肉の研究開発を行うためです。

 

食料の安全保障は世界が直面している課題の一つであり、食品会社が伝統的な食糧源からその代替品を探す動機となっています。タンパク源の移行(動物性からそれ以外へ)は食品原料とその加工法の多様性に関し世界的な再構成としての一つの大きな役割を果たし、NIZO社はその分野における先進的な専門家集団です。加えて、NIZO社は先端的な健康革新企業として75年間タンパク源の移行から食の安全性、健康増進、スマート加工技術などの専門知識とノウハウを蓄積してきました。

 

一方で日本では、古くから日本酒や醤油、味噌などの発酵食品の製造を目的として発酵技術が用いられてきました。ヤヱガキ醗酵技研株式会社はこの分野の先端会社として、50年の歴史の中で様々なキノコ菌糸体や麹菌菌糸体の発酵、培養技術を研究開発し、美味しさを含めた機能性研究も行ってきました。2006年に日本醸造学会で麹菌が日本の国菌に定められ、日本を代表する菌として知られるようになりました。この度弊社がその麹菌の仲間である独自のキノコ菌糸体株を持続可能で有望な代替タンパク源候補として発見し、弊社とNIZO社はこの分野におけるより深い共同研究を行う事で合意いたしました。そこで本年5月9日にオランダ大使館でその合意書調印セレモニーを行いました。

本調印式は日本とオランダ王国の420年の友好的関係を強化するだけでなく、弊社とNIZO社の長期戦略的コラボレーションの最初のステップとなります。NIZO社の持つ革新的な代替タンパク源の加工技術と弊社の持つ独自キノコ菌糸体を用いて、“新たな食(製造)文化”の共創を行い、日本とオランダ王国の間で世界的な食糧安全保障の有望な解決案の開発を行います。

独自キノコ菌糸体を用いた代替肉の製品開発の取組みとオランダNIZO社とのコラボレーションについてのサブ画像1

  Denise Lutzオランダ農務参事官立会いの下合意書調印が行われた様子

(写真左:NIZO社代表、写真中央:Denise Lutzオランダ農務参事官、写真右:ヤヱガキ醗酵技研代表 長谷川雄介)

ヤヱガキ醗酵技研株式会社と代替タンパク源としてのキノコ菌糸体研究について

ヤヱガキグループは日本酒の故郷である播州姫路市で350年の歴史を持つ日本酒の酒蔵であるヤヱガキ酒造株式会社を中心としたグループ企業であり、弊社は1979年に機能性食品原料と発酵技術の研究開発を目的としてヤヱガキ酒造より分社化したグループ企業の一社です。

弊社は天然系の食品着色料を製造するため天然素材から様々な色素を含めた成分を分離精製する技術の研究開発を行う他、有用なカビの仲間として知られる酵母や麹菌、担子菌(キノコ類)や乳酸菌などヒトの健康に役立つ有用菌の製造・研究開発も行ってきました。近年ではその発展技術の一つとして、世界的な人口爆発による動物性タンパク源の枯渇が予測される事からその“代替タンパク質”や“代替肉”の研究開発を行っています。欧米ではキノコ菌糸体を用いた製品が既に上市されつつありますが、日本ではキノコ菌糸体を大量生産できるサプライヤーが存在しないため、弊社は国内でのサプライヤーを目指しこの分野の研究開発に着手いたしました。数百種類のキノコ菌糸体株をスクリーニングし、その大量培養条件の検討を行った結果、味・培養速度の速さ・そして十分なタンパク質含量を持つ独自のキノコ菌糸体株を発見するに至りました。そしてこの有望なキノコ菌糸体株を十分市場に受け入れられるための様々な課題を解決し上市するために、代替肉の分野で研究開発が先行する欧州オランダ王国NIZO社とのコラボレーションを行います。

 

NIZO社とオランダ王国での フードテクノロジー、製品開発

NIZO Food Research(NIZO社)は1948年にオランダ酪農協同組合によって製品開発とその加工技術の基盤研究所として設立されました。75年の研究開発の間、NIZO社はフードテクノロジー産業におけるパイオニアとしての役割を果たし、タンパク加工技術、発酵、バイオインフォマティクス、食品加工、食の安全性および味覚研究において革命的なイノベーションを先導してきました。現在NIZO社は自社大規模食品グレードのサードパーティ向け試験プラントを有し、代替タンパク質の加工、保存、品質管理の分野においてリーディングカンパニーとして欧州での地位を築いています。NIZO社は数多くの肉の味やテクスチャーを再現するだけでなく健康的で持続可能な食品原料となる革新的代替食品の製品開発に関わっています。

 

 

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