スクレッティングとシーフードレガシーはパートナーシップを締結いたしました
スクレッティング株式会社(代表取締役:伊藤 良仁、所在地:福岡県福岡市)(CEO:Therese Log Bergjord、所在地:ノルウェー、スタヴァンゲル)と株式会社シーフードレガシー(代表取締役社長:花岡和佳男、所在地:東京都中央区)は、日本の水産養殖業のサステナビリティ向上をめざし、2023年5月26日にパートナーシップを締結いたしました。
世界では養殖による生産量が年々増加しており、2020年時点で世界の水産物生産量の49%を占めています*1。また、世界の人口増加に伴い、タンパク源としての養殖水産物の重要性やニーズも高まっていることから、将来の発展が期待される一次産業となっています。しかし、養殖業には、水質汚染、餌のサステナビリティなどの課題も抱えており、その生産には環境や社会への責任が求められます。
今回覚書を締結したスクレッティングは、養殖飼料の製造販売を手掛けるグローバルカンパニーであり、責任ある養殖業を認定するASC認証の取得サポートを進めてまいりました。一方、シーフードレガシーは、国内外の水産企業、NGO、政府による水産物のサステナビリティ推進活動をサポートしてまいりました。
両社はそれぞれ、日本国内の養殖業、水産業のサステナビリティ向上を目指して取り組みを進めてきましたが、今回のパートナーシップ締結により協働体制を敷くことで、今後、以下について連携し、取り組みをより強固なものとしていきます。
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ASC認証、BAP認証など水産エコ認証を取得する養殖業者が増える取り組みを支援します
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日本を中心に海外市場も含め、ASC認証、BAP認証などの水産エコ認証を取得した国産水産製品の流通促進を協働して行います
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認証の取得が容易でない小規模生産者を対象にサステナビリティの取り組みを支援し、その流通の支援を海外も含めて協働して取り組みます
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マーケット企業との取り組みを増やし、量販店や外食産業などの末端流通企業との連携を図ることでサステナブル・シーフードの生産と流通双方の促進を行います
スクレッティング株式会社 代表取締役 伊藤 良仁からのコメント
食糧需要は2050年までに2010年比で56%増加すると予想されており、ブルーフードと呼ばれる海水、淡水、汽水で養殖される水産物の需要は2050年までに約2倍になるとされています。土地も淡水も限られている中で、私たちは食糧供給を達成する必要があります。この数十年を見てみると水産養殖は、他の主要な食糧供給部門よりも急速に成長し続けており、2030年には、人が消費する魚介類の60%を供給すると予想されています。この成長には常に課題がつきもので、持続可能な形でこの食糧需給のギャップを埋めていくために、養殖産業が環境負荷を軽減しながら、食糧供給を倍増していくことが私たちの命題となっています。この度、サステナブル・シーフードにおけるオピニオンリーダーであるシーフードレガシー社との協働により、裾野の広がりを加速させ、さらなる付加価値と創造性を兼ね備えたバリューチェーンの構築を実現していきたいと考えています。
株式会社シーフードレガシー 代表取締役社長 花岡和佳男からのコメント
世界人口が2058年に100億人に達し、その後数十年かけてさらに増加し続けることが予想される中、地球の食料システムの変革が急がれています。その中心は、地球表面積の7割を占める海洋を含む地域で、家畜生産よりもカーボンフットプリントを抑えることのできる、水産養殖が占めることになるでしょう。養殖飼料の面からサステナブル・シーフード・ムーブメントの世界潮流を牽引されるスクレッティング社とのMoUの締結により、生物多様性の保全やネイチャーポジティブの観点のサプライチェーンへの浸透支援を通して、日本の水産業の成長産業化と豊かな未来世代のための社会構築への貢献を加速して参ります。
*1 The State of World Fisheries and Aquaculture 2022 (FAO, 2022)