糖度13%を目指す「みろく蓮根」、酒粕・醤油粕を再活用した循環型農業で持続可能な農業モデルを構築
合同会社ハスラボ(本社:茨城県土浦市、代表社員:濵田雄太)は、茨城県内で生産されるレンコンをブランド化し、自社ECサイトにて数量限定・通年固定価格での販売を開始いたします。本プロジェクトでは、酒造・醤油メーカーの副産物を土壌改良材として再活用した循環型農業により、リンゴの平均糖度13度に匹敵するレンコンの実現を目指しています。

農業の付加価値創出と環境負荷低減を同時に実現する、次世代農業モデルの確立に挑戦します。
背景:評価されにくいレンコンと生産者の課題
茨城県は全国第1位のレンコン産地でありながら、現状では品種が混在し、全て同一価格で取引されるのが通例です。その結果、生産者のこだわりや地域ごとの特性が適切に評価されにくく、農業経営の持続性が課題となっていました。

特に深刻なのは、質・味ともに優れた昔ながらのレンコン品種の衰退です。これらの在来品種は大きさや形にばらつきがあり、見た目の美しさを重視する現在の市場トレンドに合わないため、多くの生産者が栽培を敬遠していました。しかし、その本来の味わいは現在主流の品種を大きく上回るポテンシャルを秘めていたのです。
合同会社ハスラボは「食べられるすべてを価値のあるものへ」というビジョンのもと、あえてこの昔ながらの品種に注目。酒粕・醤油粕による土壌改良との相乗効果により、従来では考えられないほどの甘みを引き出し、ブランドレンコン「みろく蓮根」として新たな価値を創造することに成功しました。生産者ごとの強みを活かす取り組みを進めています。
地域企業との連携による循環型農業の実践
今回のブランドレンコン開発では、県内企業の副産物を土壌改良材として導入しました。
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吉久保酒造株式会社の酒粕
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柴沼醤油醸造株式会社の醤油

酒粕・醤油粕がもたらす3つの効果
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土壌環境の大幅改善
有機質が豊富な酒粕・醤油粕により、土壌の団粒構造が改善され、水はけと保水性のバランスが向上。連作障害の軽減にも寄与しています。 -
微生物生態系の活性化
酒粕の酵母・乳酸菌が微生物活動を促進し、醤油粕のアミノ酸・ナトリウムが相乗効果を発揮。土壌中の有用微生物が活性化することで、植物の栄養吸収能力が向上しています。 -
自然な病害対策
酒粕を活用した土壌還元消毒により、レンコンの大敵である腐敗病の発生を自然に抑制。化学農薬に頼らない持続可能な栽培を実現しています。

これらを廃棄せずに再活用することで、環境負荷を抑えつつ、従来では実現困難だった高品質レンコンの生産が可能になりました。

この取り組みは、株式会社AZS(代表取締役社長:細谷貴志氏、クッチーナ・アズのオーナーシェフ)が監修し、農業と地場産業の連携による「地域資源循環モデル」の第一歩となりました。
冬場には糖度13%を目指す──リンゴのように甘いブランドレンコン「みろく蓮根」への挑戦
通常、レンコンの糖度は夏場(7〜9月)で4〜6度程度、最も甘くなる秋冬(10〜2月)でも7〜9度前後、高品質なものでも10度近くが限界とされています。
今回開発したブランドレンコン「みろく蓮根」では、昔ながらの品種と循環型農業技術の組み合わせにより、夏場の収穫にもかかわらず9度を記録。さらに、昨年の試験栽培や、これまでの栽培経験から、冬場の本格収穫時期には糖度13%の達成を目指しています※1。

これは通常の夏場レンコンと比較すると約2.2倍、最高品質の冬場レンコンと比べても約1.3倍の甘さに相当します。
糖度13%は、一般的なリンゴの平均糖度13度に匹敵する水準であり、レンコンの概念を根本から変える画期的な挑戦といえます。
実際に生でかじると、シャキシャキとした歯ごたえに加え、みずみずしい甘みが口いっぱいに広がり、まるでリンゴを頬張っているかのような感覚を味わえます。
「この甘さはぜひ”そのまま”を体験してほしい。レンコンの新しい魅力を感じてもらえると思います」と代表の濵田は語ります。
※1.自然環境や気候条件の影響により、糖度は変動する可能性があります。
本ブランドレンコンは卸売市場や自社ECでの販売に加え、茨城を中心に展開する和食チェーンレストラン「株式会社すぎのや」や県内飲食店での提供に加え県外スーパーへの出荷も順次開始いたします。地域の食卓や外食シーンを通じ、多くの方に「みろく蓮根」の新たな味わいを体験いただけます。
商品概要
項目 |
詳細 |
商品名 |
みろく蓮根 |
販売場所 |
合同会社ハスラボ 自社ECサイト、卸売市場 |
販売数量 |
数量限定(1000kg予定) |
価格 |
通年固定価格(送料込み) |
販売時期 |
9月~収穫分が売り切れ次第 |
ターゲット |
環境や地域資源に配慮した食材を求める飲食店・個人消費者 |
取材対応について
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取材受付期間:2025年12月頃まで
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レンコン畑の撮影可能時期:10月末まで
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取材時にはブランドレンコンの試食提供も可能
代表社員・濵田雄太のコメント
「レンコンは長年、”どれも同じもの”として扱われてきました。しかし実際には、生産者ごとに育て方や土壌が異なり、それぞれに特徴があります。酒粕や醤油粕といった地域資源を活かすことで、環境負荷を減らしつつ、農産物の多様性と価値を引き出す。これが次世代につなぐ農業の形だと考えています」
代表社員プロフィール

濵田 雄太(Yuta Hamada)
1993年生まれ。幼少期から大学まで本格的に野球に打ち込み、結婚を機に婿養子として茨城県土浦市のレンコン農家へ。レンコンの生産に従事し、農家として10年目を迎える。
農業の現場で感じた、形が不揃いなだけで廃棄される「規格外野菜」の多さと、背景にある構造的な課題。農家自身が動くことの大切さを実感する。この想いを原動力に、農家発のベンチャー「ハスラボ」の理念に共感して参画。
現在は合同会社ハスラボの代表社員として、「食べられるすべてを価値あるものへ」というミッションのもと、規格外レンコンのアップサイクルに取り組みながら、持続可能な農業の未来を見据えた挑戦を続けている。
合同会社ハスラボとは
ハスラボは、茨城県土浦市のレンコン農家が立ち上げた農業ベンチャーです。
日本一のレンコン産地である一方、形やサイズを理由に廃棄されてきた規格外レンコンの課題に向き合い、2022年より無添加レンコンパウダー「HASKO」の製造を開始。これまでに累計38トンの規格外レンコンを有効活用してきました。
私たちは、”食べられるすべてを価値のあるものへ”をミッションに、持続可能な農業と健康的な食生活の実現を目指しています。
会社概要
会社名:合同会社ハスラボ
代表:代表社員 濵田 雄太
所在地:茨城県土浦市桜ヶ丘町11-16
設立:2022年8月