〜 デジタルデータを活用した農業産地形成・営農指導の高度標準化〜
【URL】https://terracemile.jp
【RightARM for Exの3つの特徴】
(1)気象・市況・出荷・労務データを活用した農業普及員・営農指導員の早期育成が可能
(2)連携する「環境センサー」や「栽培管理システム」のデータなど、複数データを手間なく集計・見える化し、多様な実績分析が可能(分析のためのオンラインワークショップも実施)
(3)自治体・JAでも“我がまちが目指す”農業経営指標(営農のマニュアル)が簡単かつ、従来の約2割のコストで作成・取得可能
図:RightARM for Exの提供フローおよびアウトプット概要
【自治体・JAが抱える就農支援・担い手育成の課題】
(1)特産の農作物はある。しかし、営農(経営)のマニュアルがない。
(2)就農支援・担い手育成をするための、データが蓄積できていない。
(3)農業技師・農業普及員が効果的なデータ活用の方法が分からない。
(4)担い手育成が、デジタル化の波に取り残されている。
(5)営農マニュアルを作成するためには、担当を2、3人置かなければならず、コスト的に厳しい。
【RightARM for Exの利用シーン】
<使い方>
(1)要件ヒアリング:産地の現状と課題、目指したい姿をヒアリングします。
(2)目標設定ワークショップ:効果的なデータ活用を行うためのワークショップを実施します。
(3)導入準備/データ活用:運用の準備と、RightARMを用いてデータの収集や分析を実施します。
(生産者には営農情報を入力いただきます。そのほか環境情報はRightARMで自動的に収集します)
(4)実績分析ワークショップ:作型終了後に、産地での実績分析・効果測定を実施します。
(5)DX指標作成:担い手の指標となる作型ごとの出荷量、売上、コスト、労働時間等の指標を作成します。
<利用シーン>
「RightARM」は、営農を取り巻くデータ(気象データ、環境制御データ、栽培記録データ、市況データ)を結合し、BI(ビジネス・インテリジェンス)として利用者にわかりやすい形で提供しています。
「RightARM for Ex」では、農業者のデータを自治体・JA職員と共有いただくことで、農業者の「経営安定化」と「高収益化」、さらには「農業産地形成」を実現します。圃場間比較に加え、生産者間比較や過去実績との比較等、地域単位での幅広い比較分析が可能な点も特徴の一つとなっております。
図:データを活用した農業経営のワークショップ
【「RightARM for Ex」製品概要】
(1)価 格:年額110万円~
(2)販売方法:直接販売もしくは代理店販売
(3)対象品目:露地野菜、施設園芸、お茶 ※今後、花卉・果樹もリリース予定
【テラスマイルについて】
テラスマイル株式会社は、2014年に創業以来、農業分野におけるデータ分析を行う会社です。『すべての営農者を豊かにし、国家を守ることを創造する』をミッションに、これまで、大規模農業生産法人やJA向けのシステム構築とシステムコンサルティングを行ってきました。合わせて、サービス提供を通して、気象データ等のビッグデータと農業経営の実績をもとに経営計画を策定したり、データ運用のひな形を提供してモニタリングを行ったり、農業者とディスカッションを重ねる中で課題を吸い上げながらコンサルティングを行ってきました。
2017年に開発した農業データ情報基盤RightARMは、「情報の一元化・データ活用」を目指す農業法人に導入されています(主な事例は、(有)鹿児島堀口製茶、JA宮崎経済連、ニシハラグリーンファームなど)。
また、農業のデータに関する様々な分析・活用フレームワークを自社開発しており、各自治体が主催する農業経営塾・担い手育成プログラムで講義やワークショップを実施しています。
【RightARM for Ex誕生の背景】
上述のとおり、2017年には農林水産省の2つの事業(人工知能未来農業創造プロジェクト、高度先端型技術実装促進事業)と、総務省の研究開発プログラムを通じて、RightARMを開発しました。農業経営者・農業産地と伴走するなか、農業者の頼れる存在たる自治体・JAが産地形成において担う役割の重要性を強く感じ、この度、指導者としての営農指導員・普及所職員の指導力高度平準化、資料やグラフの作成に費やす時間の短縮に寄与することで、農業者と指導員が議論する時間を十分に確保したい思いが高まり、本サービスの開発に着手しております。
また、テラスマイル株式会社では2019年度から始まった国内のスマート農業実証プロジェクトの時流の中で、自治体の農業普及員・農業技師や、JAの営農指導員、成長を目指す農業者向けに、「データ分析」「データ活用」の講座を行ってきました。日本は昨年からデジタル・トランスフォーメーション(DX)を推進し、農業現場のデジタル化が進む中で、自治体の就農支援・担い手育成もデジタル化していかなければ、継ぎたくても稼ぎ方が分からない時代に突入しています。特こういった危機意識から、昨年度に農林水産省「令和3年度 農林水産省 農業支援サービス育成対策」で提案し、約8カ月の実証を経て、「RightARM for Ex」のサービスリリースに至りました。
(1)2020年、JAアクセラレータプログラムとJR東日本スタートアッププログラムを通じて、RightARM for Exを企画実証。
(2)2021年、「令和3年度 農林水産省 農業支援サービス育成対策」にて、農業経営指標のDX化に必要な労働時間/コストの見える化や、簡易出荷傾向予測のアルゴリズムを現地実証。千葉市にモデル自治体となっていただき、農業技師の営農指導スキルのDX化に向けた取り組みを開始。
(3)2022年2月、スマート農業政策が実証プロセスを経て、産地実装プロセスへと移行する時期を機に、自治体向けパッケージをリリース。データ分析・データ活用の専任担当者を自治体・JAに置いた場合、500万円ほどの人件費が嵩むところを、約2割のコストで提供。
(4)今後は、スマート農業実証プロジェクトで実証された傾向予測機能や分析画面の実装など、バージョンアップを行う予定。
※EXとは「agricultural extension」の略称で「農業普及」を意味します
図:RightARMのサービス概要
【会社概要】
・会社名:テラスマイル株式会社
・所在地:本社/宮崎県宮崎市、開発拠点/静岡県浜松市
・代表者:代表取締役 生駒祐一
・設 立:2014年4月
・U R L :https://terracemile.jp
・事業内容:
(1)農業に特化したデータ分析の受託及びシステム導入支援
(2)農業支援サービス「RightARM」の開発と運営、データ活用ワークショップの実施 など
・資本金:16,457万円(資本準備金含む)
2021年3月、JAグループのファンドと、オイシックスが運営するFuture Food Fundから出資を受け、関西電力グループとはsociety5.0と持続可能な社会を目的とした資本提携を行った。農研機構 農業データ基盤WAGRI アドバイザリーボード、農林水産省 農業支援サービス 事例企業、総務省 研究開発プログラム SCOPE選定企業(予測アルゴリズム開発)など。2019年は農林水産省 協同農業普及等に関する有識者委員、2020年は内閣府や秋田県立大学(スマート農業指導士プロジェクト)の有識者委員を務めた。