2025年9月2日(火)〜8日(月)、3名のスタートアップが大阪ヘルスケアパビリオンで小型農業装置を展示します。

記録的な猛暑や異常気象が続く中、農業の現場では安定的な生産がますます難しくなっています。
スパイスキューブ株式会社(本社:大阪市 代表取締役:須貝 翼)は、そんな環境でも安定生産が可能な小型農業装置「AGROT(アグロット)」を開発。2025年9月2日(火)〜8日(月)、大阪・関西万博「Resona Mirai Color 秋 ミライと和の調和」にて、その実機を展示します。
都市でも農村でも、猛暑でも、1年中おいしい野菜を安定して育てられる、これからの農業の姿を体感いただけます。
起業・製品開発の背景
日本の社会課題の一つとして、日本の農業人口の減少やそれに伴うカロリーベース食料自給率の低下があります。基幹的農業従事者(※)の人口は2004年の219万人に対し、2024年には111万人とほぼ半減しています。また、111万人のうちの7割以上が65歳以上とであり、農業での高齢化が急速に進んでいます。
(※15歳以上の世帯員のうち、ふだん仕事として主に自営農業に従事している者)

現在、私たちはスーパーや八百屋、コンビニでも簡単に野菜を手にすることができます。
しかし今後は、農業に携わる人が減り続ける。地球温暖化が進み、今まで育てられていた野菜が育たなくなる。国際情勢が変化し、食べ物の輸入ができなくなるーー
現在の農業は様々なリスクを抱えています。
「未来の子どもたちにも、安心・安全の美味しい国産野菜を食べさせたい」そんな思いでスパイスキューブ株式会社はスタートし、植物工場の事業化支援、農業装置の設計・開発を手掛けています。
植物工場では植物の光合成に必要な水・光・二酸化炭素や、空間中の温度・湿度を管理し一年を通して品質・収量ともに安定した野菜の生産が可能です。
しかし、統計を見ると経営状況には厳しいものがあり、2022年時点では57%もの事業者が赤字とも言われています。

その中で私たちは、都市型農業のビジネスモデルを確立しました。
①植物工場の設計・建設
郊外に大規模な植物工場を新しく建設するメジャーな方法ではなく、どちらかと言うと都市部の空きテナントや空き倉庫等、未活用不動産や、工場の空いているスペースを活かして植物工場にリノベーションします。
②ノウハウの継承
これまでのノウハウをすべてお渡しし、誰でも簡単にお野菜が育てられるようになります。
作業も単純で簡単なので、就労継続支援A型の事業所でも弊社の工場が稼働しています。
また、植物工場事業では野菜の「作り方」だけでなく「売り方」も重要ですので、出口戦略のサポートや販路開拓の支援を行います。
③買取サポート
工場稼働初期は、ほとんどの場合で野菜が売れ残ります。その際に余った野菜を全量買い取りを行い、初期の売り上げをサポートします。
これまでの農業は、厳しい気候の中で肉体労働も多く、自然環境に収量も品質も左右され、収入も十分ではない。だから継ぐ人が少ない。
これからの農業は一年を通して安定し、ビジネスとして成立する。持続可能な農業モデルを展開することで、個人だけでなく企業の農業参入を増やし、日本の農業の力を底上げすることを目指します。
AGROTについて
植物工場事業だけでなく、もっと身近に、日常に取り入れられる農業を目指し、畳1帖分のスペースとコンセントさえあれば「世界中どこでも農業」ができる小型農業装置「AGROT」を開発しました。
「AGROT」は、オフィスやコワーキングスペースで観葉植物兼室内農業として使用されたり、カフェやレストランでの自家栽培でサラダに使用されたりと、様々な用途でご利用いただいております。
場所を選ばずどこでも農業をスタートすることができ、モビリティー性も追求したデザインの為、搬入や撤去も容易です。はじめて農業に参入する企業や個人のお客様には、気軽に導入していただけるよう栽培技術継承や導入後メンテナンスのサポートもしています。

大阪・関西万博展示概要
• 会期:2025年9月2日(火)〜9月8日(月)
• 会場:大阪・関西万博 大阪ヘルスケアパビリオン(Resona Mirai Color ~秋~)
万博出展への想いと背景

万博出展を志した理由はいくつかあります。「もっと身近な農業を体感して欲しい」「歴史に名を刻める仕事がしたい」また、「家族に自慢できる仕事がしたい」「子どもが友達に自慢できる父親でいたい」そんな思いで取り組みました。
しかし弊社は、たった3人の農業オタクで構成されている無名のスタートアップです。何もしなければ誰にも関心を持ってもらえません。この埋もれた状況から、こっそり開発を進めていたDAC(Direct Air Capture)が商用化できたことが万博出展の大きなきっかけになりました。
従来のビニールハウスや植物工場ではガス会社からボンベを購入し、ハウスや工場内にCO₂施用をして野菜の成長を促進しています。弊社が開発したDAC農業は小型化を叶えただけではなく、CO₂施用に掛かるコストを無償化したということ、屋外空間に存在するCO₂を回収して植物工場の中で消費するという技術構造にしたというポイントが評価されました。
大阪・関西万博を訪れる外国の方や一般消費者の方々にもスパイスキューブ株式会社というフィルターを通じて、植物工場や農業がもっと鮮明で身近に感じて貰えるように努めるとともに、農業の楽しさや、農業が社会課題を解決する可能性があるということも披露していきたいです!(スパイスキューブ株式会社 代表:須貝 翼)
スパイスキューブ株式会社について
スパイスキューブ株式会社は「世界中どこでも農業を実現する」をコンセプトに2018年に創業したアグリテック系のスタートアップです。農地のない都市部の空き物件を活用して小規模植物工場を建設します。植物工場の建設に加え、野菜の生産方法や施設オペレーション、流通販売まで一貫して企業の6次産業化を支援しています。畳一帖分のスペースに設置可能な小型農業装置も手掛けており、室内で野菜を育てることでCO2を削減し社会課題を解決する手段を提供します。弊社が展開する植物工場モデルが拡大することで、農業の発展だけでなく地域の経済発展、雇用創出、SDGsに貢献できると考えています。
【会社概要】
社名:スパイスキューブ株式会社
本社所在地:大阪市浪速区桜川1-1-30
代表取締役:須貝 翼
事業内容: 植物工場の事業化支援、農業装置の設計・開発
設立: 2018年2月14日
