温暖化に強い品種をドローンで直播 ~新潟大学と燕市による実証に、マゼックスの機体が参画~

株式会社マゼックス(本社:大阪府東大阪市、代表取締役社長:吉野弘晃)は、新潟大学が開発した温暖化対応の水稲新品種「新大コシヒカリ」のコーティング種子を用いて、新潟県燕市にて行われた直播に関する実証実験において、農業用ドローン「飛助15」および新型粒剤装置「VG-A」による協力を行いました。
この実証は、新潟大学と燕市が連携して実施したもので、地元農業法人および販売代理店の支援のもと進められました。
現在は種まき(直播)を終え、今後の生育・収穫状況の確認を通じて、実用化に向けた検証が進められます。
■背景|コシヒカリの危機と「新大コシヒカリ」の誕生
日本を代表する良食味品種「コシヒカリ」は、近年の地球温暖化により高温障害が頻発し、品質・収量の安定性に課題を抱えています。
こうした課題に対し、新潟大学は「新潟の農業を守る」という強い思いのもと、高温耐性と良食味を兼ね備えた新品種「新大コシヒカリ」を開発しました。猛暑下でも安定した収穫が見込まれるこの品種は、気候変動に対応する新たな選択肢として注目を集めています。
参考:https://www.ircp.niigata-u.ac.jp/koshihikari_nu1
新品種の普及には、省力化・低コスト化といった営農面の課題解決も不可欠です。

■直播とドローン散布の将来性
直播(ちょくはん)は、育苗や田植えといった工程を省略し、水田に直接種子(種籾)を播く技術として、近年、生産者の注目を集めている革新的な栽培手法です。苗づくりや田植えといった労働集約的な工程を省けることから、作業の省力化や労力ピークの分散につながり、気候変動や人手不足時代に適した水稲栽培モデルとして普及が進んでいます。
マゼックスはこうした流れを受け、燕市が主導する実証において、ドローンによる粒剤播種の実用性を検証するために販売代理店と連携して、現地での散布協力を行いました。
従来の農業用ドローンの粒剤装置では、種子のコーティングが剥がれる懸念がありましたが、マゼックスは新型粒剤散布装置「VG-A」を開発し、以下の技術的改良を施しています:
-
電子制御による吐出量の精密制御
-
攪拌機構の搭載により、種子の詰まりを防止
-
流路設計の見直しにより、摩擦・衝撃の低減でコーティングを保護
■実証実験の概要
実施日:2025年5月20日
場所:新潟県燕市
使用機材(提供・協力):農業用ドローン「飛助15」+粒剤装置「VG-A」
対象品種:「新大コシヒカリ」(べんがらモリブデンコーティング種子 ※要確認)
協力体制:燕市の支援のもと、新潟大学が主導し、農業法人(株式会社アグリシップ)、販売代理店(有限会社丸山昌治商店)などと連携して実施
■主な初期成果(播種段階)
-
種子コーティングの損傷を抑えた安定散布に成功
-
均一な吐出と作業性の向上を確認
-
今後の育成・収穫フェーズに向けた技術的検証の基盤を形成
■今後の展望
今回の実証は、新潟大学による品種開発と地域連携のもとで進められる、次世代スマート稲作のモデルづくりの一環です。今後は、秋の収穫に向けた生育状況を継続的に確認し、実用性・再現性の高い営農モデルの確立を目指します。
マゼックスは引き続き、現場課題の解決に資する技術提供を通じて、地域とともに持続可能な農業の実現に貢献してまいります。
■会社概要
会社名:株式会社マゼックス
代表者:代表取締役社長 吉野 弘晃
所在地:〒578-0905 大阪府東大阪市川田4丁目3番16号
Webサイト:https://www.mazex.jp