金曜日, 11月 22, 2024
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【岡山大学】植物の免疫応答を抑制する化合物を発見-植物免疫応答を解明するための新たなツール-

理化学研究所との共同研究成果です!

2021(令和3)年 12月 16日
国立大学法人岡山大学
https://www.okayama-u.ac.jp/
 

【岡山大学】植物の免疫応答を抑制する化合物を発見-植物免疫応答を解明するための新たなツール-のサブ画像1

◆概 要
 理化学研究所(理研)環境資源科学研究センター植物免疫研究グループの白須賢グループディレクター、石濱伸明研究員、岡山大学学術研究院環境生命科学学域の能年義輝研究教授らの国際共同研究グループは、ヒトの非ステロイド性抗炎症薬であるテノキシカムに植物の免疫応答を抑制する作用があることを発見しました。

 本研究成果は、植物の免疫機構の理解や耐病性を制御する技術開発に貢献すると期待できます。
 

【岡山大学】植物の免疫応答を抑制する化合物を発見-植物免疫応答を解明するための新たなツール-のサブ画像2

 非ステロイド性抗炎症薬として知られるサリチル酸は、植物体内では耐病性を亢進する内生のシグナル分子として働きます。しかし、サリチル酸が植物細胞内でシグナルを伝える仕組みには、まだ不明な点が残されています。

 今回、国際共同研究グループは、新たに化合物ライブラリーから植物の免疫応答を抑制する化合物として、化学構造の類似した3種類のオキシカム系非ステロイド性抗炎症薬(テノキシカム、メロキシカム、ピロキシカム)を同定しました。さらに、テノキシカムが細胞内の酸化還元状態を酸化側に傾かせること、そしてサリチル酸で発現が上昇する遺伝子群を広範に抑制することを示し、サリチル酸のシグナル伝達機構の一端を明らかにしました。

 本研究は、オンライン科学雑誌『Nature Communications』(2021年12月15日付)に掲載されました。
 

【岡山大学】植物の免疫応答を抑制する化合物を発見-植物免疫応答を解明するための新たなツール-のサブ画像3_図1. オキシカム化合物の化学構造とその植物免疫応答への作用図1. オキシカム化合物の化学構造とその植物免疫応答への作用

【岡山大学】植物の免疫応答を抑制する化合物を発見-植物免疫応答を解明するための新たなツール-のサブ画像4_図2. テノキシカムによるサリチル酸依存遺伝子の発現抑制図2. テノキシカムによるサリチル酸依存遺伝子の発現抑制

【岡山大学】植物の免疫応答を抑制する化合物を発見-植物免疫応答を解明するための新たなツール-のサブ画像5_図3. テノキシカムの細胞内グルタチオン量に対する作用図3. テノキシカムの細胞内グルタチオン量に対する作用

【岡山大学】植物の免疫応答を抑制する化合物を発見-植物免疫応答を解明するための新たなツール-のサブ画像6_図4. NPR1中のシステイン残基の酸化還元状態に対するサリチル酸とテノキシカムの影響図4. NPR1中のシステイン残基の酸化還元状態に対するサリチル酸とテノキシカムの影響

◆論文情報
 タイトル:Oxicam-type non-steroidal anti-inflammatory drugs inhibit NPR1-mediated salicylic acid pathway
 著者名:Nobuaki Ishihama, Seung-won Choi, Yoshiteru Noutoshi, Ivana Saska, Shuta Asai, Kaori Takizawa, Sheng Yang He, Hiroyuki Osada, Ken Shirasu
 雑 誌:Nature Communications
 D O I:10.1038/s41467-021-27489-w
 U R L:https://www.nature.com/articles/s41467-021-27489-w

 

◆詳しいプレスリリースについて
 植物の免疫応答を抑制する化合物を発見-植物免疫応答を解明するための新たなツール-
 http://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r3/press20211215-1.pdf

◆参 考
・岡山大学大学院環境生命科学研究科
 https://www.gels.okayama-u.ac.jp/index.html
・岡山大学農学部植物病理学
 https://www.okayama-u.ac.jp/user/agr/profile/nougaku02_3.html
・理化学研究所環境資源科学研究センター植物免疫研究グループ 
 https://www.riken.jp/research/labs/csrs/plant_immun/
 

【岡山大学】植物の免疫応答を抑制する化合物を発見-植物免疫応答を解明するための新たなツール-のサブ画像7

◆本件お問い合わせ先
<岡山大学の研究担当者>
 岡山大学 学術研究院 環境生命科学学域(農) 研究教授 能年義輝
 〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 農学部 1号館(3階) 1315-2
 TEL:086-251-8356
 http://noutoshi-lab.com/index.html

<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
 岡山大学研究推進機構 産学官連携本部
 〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
 TEL:086-251-8463
 E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
     ※ ◎を@に置き換えて下さい
 https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/

 岡山大学メディア「OTD」(アプリ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000072793.html
 岡山大学メディア「OTD」(ウェブ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000215.000072793.html
 岡山大学SDGsホームページ:https://sdgs.okayama-u.ac.jp/
 岡山大学Image Movie (2020):https://youtu.be/pKMHm4XJLtw
 産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2021年12月期共創活動パートナー募集中:
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000374.000072793.html

 岡山大学『THEインパクトランキング2021』総合ランキング 世界トップ200位以内、国内同列1位!!
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000072793.html
 岡山大学『大学ブランド・イメージ調査2021~2022』「SDGsに積極的な大学」中国・四国1位!!
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000373.000072793.html
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 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000072793.html

【岡山大学】植物の免疫応答を抑制する化合物を発見-植物免疫応答を解明するための新たなツール-のサブ画像8_国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています

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