Terra Drone株式会社(本社:東京都渋谷区、代表:徳重 徹、以下 テラドローン)は、子会社でインドネシアに拠点を置くTerra Drone Indonesia(以下、テラドローン・インドネシア)を通じて、総合アグリビジネスのリーディングカンパニーが所有するインドネシア最大級(※)のパーム農園にドローン監視システムを導入いたしました。これよりテラドローンは、広大な当該農園の警備体制の強化を担い、本システムを用いて従来課題とされていた外縁部からの不法侵入や果実の盗難などの業務上の支障に対し、セキュリティを強化し、安全性リスクの軽減を推進します。
※出典: 30 World’s Largest Palm Oil Companies From indonesia(The Sciece Agriculture、2025年1月 )

背景と目的
インドネシアの広大なパーム農園全体を人的にパトロールするには、多くの人員やコストが必要です。特にパーム農園の外縁部は農園の中心部から離れており、アクセスが困難であることに加え、森林や密集した植生に隣接し見通しが悪いことから、人的なパトロールに限界があり、警備が手薄になりがちです。そのため、不審者の侵入経路となりやすく、パーム農園への不法侵入やパーム油の原料である果実の房の盗難などが発生し、パーム農園の生産性低下を引き起こすことが課題とされていました。
こうした課題解決に向けて、テラドローンはパーム農園の外縁部における警備体制の強化を目的として、監視機能を備えたTS-M120ドローンを導入しました。TS-M120ドローンは、高解像度カメラと人感センサーを搭載し、不審な動きをリアルタイムで監視することができ、これにより安全性リスクの軽減が期待されます。さらに、ドローンは自動的に離着陸や飛行が可能であり、パイロットは地上管制ステーション(GCS)からその運航を監視することができます。これにより、遠隔地に人員を配置することなく、リアルタイムで状況を把握することが可能となります。
実施内容
本プロジェクトは、インドネシアの大手財閥グループ傘下で、パーム油の栽培から食品・燃料の生産までを一貫して手がける総合アグリビジネスのリーディングカンパニーが運営するパーム農園において、同社とテラドローンが協業する形で実施されました。対象地域は、リアウ州、中部カリマンタン州、南スマトラ州に広がっています。
本プロジェクトでは、上空からパーム農園全体を監視できるTS-M120ドローンを使用しました。TS-M120ドローンは、1回のフライト(60分)で最大3,000ヘクタール(東京ドーム約640個分)の監視が可能です。また、TS-M120ドローンは地上管制ステーション(GCS)から最大約10km離れていても、飛行位置や速度などの飛行データをリアルタイムで送信でき、搭載している高解像度カメラと人感センサーを通じて、薄暗い環境や草木が生い茂った場所であっても安定した監視を実現します。これにより、広大なパーム農園の外縁部を監視することができるため、人員の配置を減らすことができます。
テラドローンは、パーム農園にドローン本体、パイロット、監視レポートを提供しています。テラドローンのパイロットは、パーム農園の管理部門と連携し、ドローン巡回中に異常を探知した場合は即座に同農園のセキュリティ部門へ報告します。これにより、不法侵入や果実の盗難など潜在的なリスクの早期発見と対処が可能となり、農園全体の安全性を強化します。この体制により、大規模農園の外縁部における警備体制が大幅に向上しました。

詳しくは:https://youtu.be/cHRSUkc7Rdg
今後の展望
テラドローンは、TS-M120ドローンの導入により、特にリスクの高い農園の外縁部を継続的かつ効率的に監視し、農業分野における課題を解決できるドローン技術を提供しました。今後は、セキュリティ強化に留まらず、パーム農園全体の管理効率化と持続可能性の向上を目指してまいります。
Terra Drone株式会社
Terra Drone株式会社(テラドローン)は、「Unlock “X” Dimensions(異なる次元を融合し、豊かな未来を創造する)」というミッションを掲げ、ドローンの開発及びソリューションを提供しています。また安全かつ効率的なドローンの運航を支援するための運航管理システム(UTM)の開発・提供や、国外を対象にした空飛ぶクルマ向け運航管理システムの開発にも注力し、幅広い産業に貢献しています。
テラドローンは、測量、点検、農業、運航管理の分野で累計3000件以上の実績を誇っています。また、当社グループを通じて提供されるUTMは、世界10カ国での導入実績があります。こうした成果により、Drone Industry Insightsが発表する『ドローンサービス企業 世界ランキング』で、産業用ドローンサービス企業として2020年以降連続でトップ2にランクインし、2024年は世界1位を獲得しました。
テラドローンは、ドローンや空飛ぶクルマの普及を見据え、“低空域経済圏のグローバルプラットフォーマー”として社会課題の解決を目指します。
詳しくは http://www.terra-drone.net
Terra Drone Indonesia(テラドローン・インドネシア)
Terra Drone Indonesiaは、インドネシアを拠点とするTerra Drone株式会社の子会社で、東南アジアにおいて測量・点検・農業分野でサービスを展開するドローンサービスプロバイダーです。ドローンによるマッピング、モデリング、検査、モニタリング、農薬・肥料散布に加え、ドローンを活用する企業向けにトレーニングやコンサルティングも提供しています。
また、インドネシアを中心に、農薬散布やマッピングといった農業向けドローンサービス「Terra Agri」を提供しています。農業事業においては、これまでに累計200,000ヘクタール以上の面積で、1日あたり最大4,000回の飛行を実施。高精度の農薬散布により、最大30%のコスト削減を実現し、150機以上のドローン普及の実績があります。詳しくは https://terra-drone.co.id/
本件に関する問い合わせ
Terra Drone株式会社
メール: pr@terra-drone.co.jp