株式会社松本微生物研究所(住所:長野県松本市、代表取締役社長:嶋岡俊輔、以下「当社」)は、1980年設立、微生物の受託培養や製剤化などを事業とする企業です。農業・環境・水産・緑化などの様々な分野で、微生物の持つ多才な能力を有効利用した研究開発に取り組んでいます。その中でも、アーバスキュラー菌根菌の研究開発を推進しています。
持続可能な農業や環境保全の観点から、アーバスキュラー菌根菌(以下「AM菌」)の需要が高まっています。特に、日本政府が掲げる「みどりの食料システム戦略」において、化学肥料の使用量30%削減や有機農業の拡大が目標とされており、菌根菌はこれらの達成に貢献される微生物として注目されています。
AM菌は、植物の根に共生する菌類(カビ)です。その起源は4〜5億年前と推定され、海洋植物が陸に進出する際に根の代わりに養水分を供給して、その上陸を助けた微生物と言われています。現在でも、陸上植物の約80%以上と共生することができます。植物の根に共生したAM菌は、土壌中に張り巡らした菌糸から植物の根では吸収しにくい土壌中の養水分(特にリン酸)を植物に供給し、代わりに植物からは光合成産物由来の糖類を貰って共生関係を築いています。
AM菌を農業に活用することで、リン酸肥料の使用量削減や植物の乾燥耐性向上が期待されます。さらに、気候変動対策や都市緑化、森林再生など、幅広い分野で活用が進んでいます。

農業生産に欠かせない肥料であるリン酸は、資源の枯渇問題や、不安定な世界情勢による価格高騰が懸念されています。日本は世界のリン消費大国の一つであり、国内で消費するリン酸資源を輸入に依存しています。一方で、農業現場では過剰なリン酸施肥による環境負荷など課題となっています。肥料を大量投入しなくとも、国内の農耕地土壌中には未利用のリン酸資源が蓄積されていることが考えられます。リン酸は、植物生育に欠かせない肥料三要素(窒素・リン酸・カリウム)の中でも、最も吸収がしにくく、根から3mm程度しか利用できない要素とも言われています。土壌中に存在する未利用リン酸資源の利用や、土壌中に供給されたリン酸を効率的に利用するためには、リン酸供給能力を高めるAM菌の活用が重要とされます。
当社は、国内でも希少な企業として、AM菌の培養から製剤化までを一貫して手がけています。



需要の増加に応えるべく、現在生産量を拡大しています。近年では新たな培養技術を用いて、AM菌の純粋培養品の実用化に向けた開発を進めています。品質の高い菌根菌の量産化を目指して、大学や研究機関と共同研究を実施するとともに、菌根菌に関する新たな研究開発にも取り組んでいます。
高品質な国産AM菌を安定供給できるメーカーとして、信頼性の高い製品を提供していきます。菌根菌の供給・開発・分析等に関して、ご質問やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
【会社概要】

社 名 株式会社 松本微生物研究所
代 表 代表取締役 会長 牧孝昭、社長 嶋岡俊輔
設 立 1980年(昭和55年) 12月
住 所 〒390-1241 長野県松本市大字新村2904番地
TEL 0263-47-2078
事業内容:有用微生物を活用した農業・環境・水産・緑化 分野向け技術研究開発、商品化。微生物商品開発(OEM)コンサルティング、微生物分析。
【お問合せ先】
株式会社松本微生物研究所 https://www.matsumoto-biken.co.jp/
info@matsumoto-biken.co.jp