青森県の農業を生成AIとDXで変革する特別講座を実施、気候変動時代の新たな青森ブランド作物を高校生自らが探索
Penguin Labs合同会社(本社:東京都中央区、代表:赤塚慎平)と株式会社シンフォディア・フィル(本社:山形県米沢市、代表取締役:鹿内智也)は、青森県立青森商業高等学校にて、令和7年3月13日・14日の2日間にわたり『生成AI等を活用した「農業DX」講座』を共同で実施いたしました。
未来を見据えた農業イノベーション人材の育成
本講座は、最新のIT技術(生成AI・スマート農業等)に関心を持ち、青森県の主力産業である農業における課題をDXで解決する手法を考え実践すること、そして課題解決に前向きに取り組む人財を育成することを目的に開催されました。
青森県立青森商業高等学校の2年情報処理科40名を対象に、株式会社シンフォディア・フィル 代表取締役 鹿内智也氏と、Penguin Labs合同会社 Co-Founder & CEO 赤塚慎平氏が講師を務めました。
革新的な講座内容:生成AIと気象ビッグデータの融合
講座では、1日目に「温暖化が青森県の気候に与える影響について」の座学を実施しました。2日目には、Penguin Labs提供の革新的サービス「TWINZ」によるシミュレーションデータを活用し、温暖化が進んだ場合に将来の青森市が現在のどの海外都市と気候が近くなるかを分析しました。その結果、2025年の青森は現在のニューヨークと気候が近く、2060年には今のイラン北部や中国の陝西(せんせい)省と似た気候になることがわかりました。生徒たちは生成AIを駆使して、そうした気候条件下で青森でも栽培可能性の高い新たな作物を調査・リストアップしました。


「TWINZ」は、世界150カ国75万地点におよぶ気象ビッグデータをAIで解析し、地球上の「気候の双子」を探索するサービスです。講座ではこの技術を活用し、数十年後に青森で特産物になりうる農作物を世界中から検索し、実際に栽培する仮説を立てるという実践的な内容となりました。
授業の様子


生徒からの高い評価と今後の展開
講義終了後、生徒からは「農業とDXの関りをより詳しく知れてとても楽しかったです」、「海外で育てられていて日本であまり育てられていない野菜を色々見つけることができてとても面白かったです」といった声が寄せられました。アンケートでは、80%以上の生徒がアグリテックやスマート農業に対する理解が非常に深まったと回答しています。

さらに、本プロジェクトは実践フェーズへと進み、2025年4月から実際の畑で生徒たちが選定した作物を試験的に栽培し、文化祭や地域のレストランへの販売を予定しています。
栽培予定の作物として、アメリカのバターナッツスクワッシュ、イタリアのフィレンツェナス、オーストリアのパースニップなどがピックアップされました。これらは日本ではまだあまり知られていない野菜ですが、将来の青森の気候条件下での栽培可能性が高いとされています。
この活動を通して、学びを実社会での実践へとつなげ、青森の未来の農業を担う人材育成と新たな特産品の開発を同時に進めていきます。
気候の双子を見つける「TWINZ」について
「TWINZ」は、世界150カ国75万地点におよぶ気象ビッグデータをAIで解析し、地球上の「気候の双子」を探索する革新的なサービスです。長野県のある地点には南アフリカに、高知のある場所には中東のイランに、東京のある地域にはアメリカに、気象パターンが驚くほど似た「気候の双子」が存在します。

TWINZは、気候変動時代の食料安全保障という課題に対する新しいアプローチを提案します。地理的な距離や緯度に関係なく、気候パターンの類似性から栽培可能性を判断する発想の転換により、これまで見過ごされていた農業の可能性を探索し、各地域の農業ポテンシャルを最大限に引き出すことが可能になります。
すでに全国各地で、TWINZを活用した実証実験が始まっており、東京都杉並区では1万km離れた双子の地、アメリカのウエストバージニアで栽培されている「コールラビ」の収穫に成功しています。今回の青森商業高等学校での取り組みも、こうした実証の一環として位置づけられています。
企業概要
Penguin Labs合同会社
所在地:東京都中央区
共同代表:赤塚慎平・梶本宗義
事業内容:気象データや衛星データから新たな物語を紡ぎ出し、世の中を面白くする
URL:https://penguin-labs.com/
株式会社シンフォディア・フィル
所在地:山形県米沢市
代表取締役:鹿内智也
URL:https://www.symphodia.co.jp/
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