フェアプライスプロジェクト事務局は、適正な価格形成による持続可能な食料供給の実現に向けて、食品が消費者の手元に届くまでのコストについて学び、消費者自らがいくらで購入するのが良いかを考える消費者参加型イベント「値段のないスーパーマーケット ～みんなにとって「フェアな値段」を考えよう～」を、2025年2月20日（木）から2月23日（日）までの期間で、KITTE丸の内 1Fアトリウムにて開催いたしました。
今回のスーパーでは、納豆、豆腐、牛乳、にんじん、玉ねぎが値段のついていない状態で販売されており、その代わりに生産や製造、流通、小売を取り巻く現状やデータが書かれたパネルが展示されました。参加者の皆さまには、これらの値段について考えるヒントをもとに、売る人、買う人、育てる人、みんなにとって「フェアな価格」とはどうあるべきかについてを考えていただきました。本スーパーには4日間合計で約8,200名の方々にご参加いただきました。
参加者からは「自分で考えた値段と平均小売価格や実際の価格に差があることを知って驚きました。」、「作り手や売り手のことも考えたいと思いました。」、「安ければ安い方がいいと考えていたが、イベントを通して適正価格について考える良いきっかけになりました。」、「値上げに関する現状の課題や背景をもっと他の人にも知ってほしいと思いました。」といった「フェアな価格」とは何かを知るきっかけになった、「フェアな価格」をより多くの人が考えるべきであるといったお声もいただきました。
■QuizKnock伊沢拓司さん「フェアプライスに関する知識がまだまだ乏しいなと感じました」
「値段のないスーパーマーケット」開店初日には、QuizKnock伊沢 拓司さんと、専門家の三輪 泰史氏、「道の駅 みのりの郷東金」土濃塚 雅代 氏に登壇頂き、開店セレモニーを開催し、伊沢さんは、日本の食を取り巻く状況についてのクイズに挑戦しました。
「豆腐を販売する事業者の内、赤字経営の割合はどのくらいか※」というクイズに対して、「全体の40％が赤字だと豆腐業界として成り立っていかないのではないか。ただ、難しい部分もあると考えて全体の20％。」と回答。実は正解は「全体の40％」。正解に対して伊沢さんは、「全体の5分の2が赤字なんですか。とても厳しい状況ですね。」と驚いていました。
三輪氏は、「今はスーパーなどで、気軽に豆腐を買うことができるため、街のお豆腐屋さんも少なくなってきている。地元の人に購入いただくことがお豆腐屋さんを助けることに繋がるため、食べて助けるということを心がけてもらえると嬉しい。」と解説しました。さらに、土濃塚氏は「道の駅 みのりの郷東金に来てくれるお客様は地元のものを食べたい方が来て、買っていってくれる。食べて助けるということを広く訴求していきたい。」と話しました。
※出典：帝国データバンク「国内「豆腐店業界」動向調査」
https://www.tdb.co.jp/report/industry/i10p0z9q2z/
■QuizKnock伊沢拓司さん
「あえて値段をなくしてみることで食品の価格について見直す良いきっかけになった」
さらに、伊沢さんに実際に「値段のないスーパーマーケット」を体験しました。事業者数の推移やコストに関する現状など、生産・製造・流通・小売を取り巻くデータが書かれたパネルをもとに、伊沢さんが思うフェアな値段を考えていただき、発表しました。
伊沢さんはこの体験を通して「買い手としての考え方でしか考えることができておらず、もう少し生産者の方々のことを考える必要があると感じました」という気づきを教えてくれました。
■農林水産省「フェアプライスプロジェクト」とは
国際情勢の影響により、食品の原材料や生産資材、エネルギー価格が高騰していることに加え、円安の進行で、様々な食品の生産・流通コストが上昇し、農林水産業・食品産業は深刻な影響を受けています。そこで、農林水産省は「フェアプライスプロジェクト」と題し、農林水産業や食品産業の現状、今後の日本の食の未来について考え、適正な価格形成による持続可能な食料供給の実現に向けた理解と共感を深めることを狙いとした広報活動を行っております。
特設サイトURL：https://www.maff.go.jp/j/shokusan/fair-price-project/
