火曜日, 3月 4, 2025
ホーム経営情報カイコを利用した事業検討等に関する基本合意書を締結

カイコを利用した事業検討等に関する基本合意書を締結

カイコの飼育から、原料加工、商品開発、販売までのサプライチェーンを通じた協力体制の構築

新菱冷熱工業株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長 加賀美 猛、以下、新菱冷熱)と、KAICO株式会社(福岡市西区、代表取締役 大和 建太、以下、KAICO)は、カイコの飼育から加工、商品開発、販売までのサプライチェーンを通じた協力体制の構築に向けて、2025年2月28日に基本合意書(MOU)を締結しました。

本MOUの締結により、カイコの大量飼育装置「スマート養蚕システム」を開発した新菱冷熱と、カイコの体内で自在にタンパク質を作ることをコアテクノロジーとして「食べるワクチン」開発を行うKAICOが、それぞれ保有する技術やノウハウ、知見などを総合的に有効活用する協力体制を構築していきます。

両社協業の第1弾として、豚の免疫力を維持サポートする「商品名 KAICO Powder(カイコ パウダー)」の生産への利用を計画しています。本年4月から、新菱冷熱が大量飼育装置で生産したカイコのサナギをKAICOに供給します。KAICOは、豚の免疫力維持をサポートする成分を発現させたサナギを粉砕して 「KAICO Powder」を製造します。「KAICO Powder」は、飼料に混ぜてブタに食べさせることで豚の免疫力を維持できる飼料添加物で、KAICOが独自に開発、大規模な実証試験を終え、4月からベトナムで販売を開始する予定です(※1)。

新菱冷熱が原料となる蛹を年間通して安定供給することで、KAICOはカイコの餌となる桑葉が生育する時期以外でも製品の通年製造を計画的に行うことが可能になります。

今後も、両社は、新菱冷熱が目指すカイコのバイオ医薬原材料への活用と、KAICOが目指す「ヒトの経口ワクチン製造」の双方を実現するパートナーとして、協働して新事業を進めていきます。

写真:KAICO 代表取締役 大和建太(左)と新菱冷熱 取締役 宮﨑保典(右)

【新菱冷熱について】

1956年に創業した空調・電気・給排水衛生・コージェネレーションなどの総合エンジアリング企業として、経営ビジョン「さわやかな世界をつくる」のもと、国内外で多数の大型プロジェクトを手掛けています。

カイコの大量飼育については、バイオ医薬品の原料生産工場への提供を目的に、空気調和技術を活用したカイコ大量飼育装置「MayuFacture®(マユ ファクチャー)」を開発し飼育管理技術を確立しました。2022年には、茨城県つくば市にあるイノベーションハブ内にカイコ飼育施設「まゆラボ」(※2)を新設し、医療や化粧品、食品分野などへの展開を見据えた「新蚕業」創出の可能性について検討を開始。2025年1月には大量飼育装置を用いたカイコの通年安定飼育と繭などの生産物の販売を目的に、新組織「新蚕業事業化プロジェクト」を発足しました。

【KAICOについて】

KAICOは、『蚕で世界を変えていく。』というミッションのもと、難発現タンパク質の医薬品・診断薬・試薬を開発することを目的に、2018年4月に設立した九州大学発のベンチャーです。カイコの体内で自在にタンパク質を作ることをコアテクノロジーとして製薬会社等のパートナーと共に新薬を開発するという、ビジネスに挑戦しています。

また独自に、カイコで作ったタンパク質抗原を用いて経口ワクチンとする特許を出願し、人用・動物用の経口ワクチン開発を行なっております。

https://www.kaicoltd.jp/

※1 KAICOの取り組みは、2025年2月6日付の日本経済新聞15面 「蚕、伝統産業から健康産業へ」に掲載されました。

※2 「まゆラボ」についてはこちらをご覧ください。

https://www.shinryo.com/news/20220228.html

RELATED ARTICLES

返事を書く

あなたのコメントを入力してください。
ここにあなたの名前を入力してください

Most Popular

Recent Comments