金曜日, 11月 29, 2024
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“鹿”を起点に、山と町の新たな価値を創造する「株式会社cica」を設立 広島県安芸高田市から、中山間地域の課題に挑む

クリエイティブディレクターとして小杉幸一氏が就任

鹿を起点に、山と町の新たな価値を創造する株式会社cica(本社:広島県安芸高田市、代表取締役:金沢大基、以下「当社」)を、2024年11月29日(金)に設立しました。

設立に伴い、株式会社iD(本社:東京都渋谷区、代表取締役:金沢大基、以下「iD」)の「Premium DEER 安芸高田鹿」関連事業を当社へ移管しました。本事業を通じて、鹿と、鹿が暮らす山や、その周りに広がる町の魅力を引き出し、多様なパートナーとともに新たな価値を創出していきます。

設立までの経緯

2019年、iDは広島県安芸高田市の鹿肉を「Premium DEER 安芸高田鹿」としてブランド化しました。さらに、2022年には、飲食店・ラボ・オフィスの機能を持つコミュニケーション拠点「DEER LABO 安芸高田」を市内にオープンしました。

DEER LABO 安芸高田

「Premium DEER 安芸高田鹿」の認知・活用を拡大すべく、iDでは、全国の飲食店への卸販売、栄養豊富な食材として学食・寮食に採用いただくためのPR活動、「DEER LABO 安芸高田」での食育イベント「こどもの森のレストラン」やシェフズテーブルの開催、カレーやソーセージ等の自社商品の製造・販売などを行ってきました。

こどもの森のレストラン

この度、広島を中心とした事業拡大を目指し、株式会社cicaを設立するに至りました。設立日は2024年11月29日(金)、本社は「DEER LABO 安芸高田」内に開設します。また、設立に伴い、iDの「Premium DEER 安芸高田鹿」関連事業を当社へ移し、今後さらなる発展を目指していきます。

社会的背景

近年、全国的に鹿の増加による被害(農作物への被害、交通事故、土砂災害等)が多発し、捕獲の必要性が高まる中で「捕獲した命を無駄にしないよう、鹿肉をどのように活用するか」が社会的なアジェンダとなっています。

安芸高田市における鹿の推定個体数は、中央値で11,585頭とされており(2021年度時点)、広島県全域の推定個体数の約22%にあたります(注1)。鹿による被害に対処するために捕獲が促進されていますが、鹿肉への需要がなければ食肉化は難しく、埋設等の処理を行うこととなります。

命を無駄にすることなく、地域資源として鹿肉の価値を高めていくことが当社のミッションです。また、鹿だけではなく、鹿が暮らす山やその周りの町の魅力をも引き出し、新たな価値を創出することで、サステナブルな日本の未来に貢献することを目指しています。

注1:広島県「令和5年度指定管理鳥獣捕獲等事業実施計画」より

事業内容

当社は、鹿にまつわる6つの事業を展開していきます。展開にあたっては、特定の領域において高い専門性を持つ企業を「Co-creation Partners」として連携し、さらに地域の学生を「Student Partners」として採用することで、取り組みの幅を広げます。

1. シェフズテーブル事業

県内外から招いたシェフにコース料理を提供いただき、「Premium DEER 安芸高田鹿」を中心とした安芸高田市の多様な食材を少人数で味わうイベントを、2022年より「DEER LABO 安芸高田」にて継続的に開催しています。今後は、数名のシェフと契約し、月に1週間程度の営業を目指すとともに、会員制システムも導入予定です。

2. 食育事業

小学生とその保護者を対象にした、鹿肉を通じて「いのちをいただくことの大切さ」を学べる食育イベント「こどもの森のレストラン」を、2022年より「DEER LABO 安芸高田」にて継続的に開催しています。今後は、東京をはじめとする他地域にも開催地を広げていく予定です。また、低脂質・高タンパクが魅力の鹿肉は、広島県内で学食や寮食として採用され始めており、今後も利用の促進を目指します。さらには、中学校・高等学校・大学での、鹿を軸に地域課題を考える教育プログラムの開催にも繋げていきます。

3. 店舗運営事業

訪日観光客をターゲットに、「Premium DEER 安芸高田鹿」を扱う飲食店をオープン予定です。飲食店の運営を通じて、地域資源である鹿肉の魅力をPRします。また、鹿だけではなく、鹿が暮らす山にもスポットを当てるため、山の食材をテーマにした専門店の新規開業も予定しています。中山間地域の多様な食材を観光資源とし、広島の中心地から、その魅力を世界に向けて発信します。

4. 新商品開発・卸事業

シェフとコラボレーションし、「Premium DEER 安芸高田鹿」や鹿が暮らす山の食材を用いた新商品を開発します。セントラルキッチンでは安芸高田市および周辺地域から高齢者や学生を雇用し、また、商品のアンバサダーとして広島県内のプロスポーツ選手を起用予定です。さらに、鹿肉を用いたカレー「CICARRY」など、既存商品の販売も強化していきます。

5. 猟師・精肉師育成事業

狩猟人口が年々減少・高齢化し、捕獲の担い手確保が急務であるため、安芸高田市ジビエ振興協議会と連携しながら、猟師・精肉師の後継者育成を行います。安芸高田市で育成した猟師・精肉師を、鹿肉の活用を模索する他地域に派遣し、「Premium DEER」ブランドを横展開していくことも視野に入れています。

6. DX・データ分析事業

大学や、データサイエンティストを擁する企業と連携し、効率的な鹿肉の受発注システムと、鹿の狩猟状況や鹿肉の販売状況等、鹿に関わるデータを一元管理するシステムを開発・導入します。システム導入により、データドリブンの狩猟を可能にし、また、スムーズな鹿肉の流通を実現します。

以上の6つの事業を柱としつつ、「Premium DEER 安芸高田鹿」や鹿が暮らす山の食材をPRする大型イベントの開催等も予定しています。猟師・農家・料理人・学校・研究者といった地域のプレーヤーや、高い専門性を有する企業と協働し、新たな取り組みを積極的に展開していきます。

体制

当社の代表取締役には、iDの代表取締役でもある金沢大基が就任します。クリエイティブディレクターには、デザイン領域の第一線で活躍されている小杉幸一氏を迎えました。当社の事業を展開するにあたっては、多岐にわたる分野の関係者との連携が欠かせません。デザインの力を有効に活用し、コミュニケーションを加速していきます。

代表取締役 金沢 大基

■ 略歴

神奈川県出身。中央大学卒業後、2003年に旅行会社JTB に入社。インターネット専門の広告会社、メディア会社を経て、2013年に株式会社 iDを設立(東京・渋谷)。2018年に立ち上げた日本の食情報メディア「おいしんぐ!」の取材をきっかけに、広島県安芸高田市と出会い、2019年には鹿肉ブランド「Premium DEER 安芸高田鹿」を展開。同市で事業を拡大させ、2024年に東京から広島へ移住。県内での活動を本格化。NHK「コネクト」、TSS「ひろしま満点ママ!!」、RCCラジオ等出演。広島大学、広島学院中学校・高等学校、広島女学院中学高等学校で鹿を軸に食育と地域課題を考えるプログラムを展開し探求学習にも協力。

■ メッセージ

2018年に初めて安芸高田市を訪れ、増え続ける鹿の実情を知りました。それから6年が経ち、

鹿を知ることで、山の美しさを知りました。

鹿を知ることで、四季の尊さを知りました。

鹿を知ることで、日本を改めて好きになりました。

鹿のおかげで、さまざまな人に出会い、新しい価値を創造し、未来をつくれることを確信しました。

2024年11月29日、ここ広島に株式会社cicaを設立。僕らの鹿プロジェクトが、世代を超えて日本の未来に気づきを与えていける、そんな想いを繋げていきます。

また、設立にあたり、これまで「Premium DEER 安芸高田鹿」のデザインを手掛けてきた小杉幸一氏にクリエイティブディレクターとして参画いただきます。デザインに、メッセージや感情を持たせることを大切にしている彼の参画は心強く、共にこの事業を成長させていけると確信しています。

クリエイティブディレクター 小杉 幸一

■ 略歴

博報堂を経て、「onehappy」を設立。「コミュニケーション人格」デザインでその企業や商品やサービスのキャラクターを明快にし、クリエイティブディレクション、アートディレクションを行う。

主な仕事 : SUNTORY「特茶」「JIMBEAM」、「JAPAN MOBILITY SHOW」、「TOKYO GREAT BEARS」、「Nature Lab」 CI デザイン、HELLO KITTY 50TH、中部薬品「VDRUG 都市部店舗ディレクション」「PB 開発・デザイン」、STARFLYER「輝く人の、」、SUZUKI「HUSTLER」、ベルメゾン「リブランディング」などがある。

主な受賞歴 : 東京ADC賞、カンヌライオン国際広告祭デザイン部門〈GOLD〉、JAGDA新人賞、JAGDA賞、D&AD、NY ADC、ONE SHOW〈GOLD〉、ACC賞〈総務大臣賞/ACCグランプリ〉、 JRポスターグランプリ最優秀賞、朝日新聞広告賞、ギャラクシー賞、ADFES〈GRANPRIX〉、釜山広告祭〈GRANPRIX〉、フジサンケイグループ広告大賞優秀賞、インタラクティブデザインアワード、Spikes Asiaなど国内外多数受賞。

東京ADC会員、JAGDA会員、JIDF会員、多摩美術大学統合デザイン学科非常勤講師。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科講師。岡崎市市政ディレクター。

■ メッセージ

5年前、「鹿」と聞いて、恥ずかしながらジビエしか想起できませんでした。

そんな「鹿」初心者の僕が、金沢さんから「鹿」への想いや可能性、環境問題、そして子供達の未来を体験させてもらうことで、「鹿」だからこそいい未来を創造できる<鹿プラットフォーム>を確かに、感じさせていただきました。

「鹿」の本質的価値を見出し、適切で的確なコミュニケーションで、その魅力を発信する意義を見出し、参画させていただきます。

会社概要

会社名: 株式会社cica

代表者名: 金沢大基

本社所在地: 〒739-1201 広島県安芸高田市向原町坂1246 DEER LABO 安芸高田

事業内容:

 ・飲食店の運営

 ・食料品・飲料・酒類の企画・製造・販売

 ・料理教室の運営

 ・コミュニティの運営および会員制サービスの提供

 ・地域活性化の支援

URL: https://cica-project.jp

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