金曜日, 11月 1, 2024
ホーム商品サービスアクポニとアグリ王、「1.5倍甘いイチゴ」を周年栽培できるイチゴ特化型アクアポニックス栽培システムの販売を開始

アクポニとアグリ王、「1.5倍甘いイチゴ」を周年栽培できるイチゴ特化型アクアポニックス栽培システムの販売を開始

共同実証実験の結果を活かし、農福連携や遊休地活用にも適した独自のシステムを開発

 株式会社アクポニ(所在地:神奈川県横浜市、代表取締役:濱田健吾)と株式会社アグリ王(所在地:神奈川県横浜市、代表取締役:徳丸義洋)は、イチゴ栽培に最適化した循環型農業「アクアポニックス」栽培システムを共同で開発しました。

 両社は、アクアポニックスを用いた高品質なイチゴの安定生産を目指し、2023年より約1年間、横浜市港北区に新設した完全閉鎖型の試験農場にて共同実証実験を実施しました。その結果、アクアポニックス産のイチゴは、平均糖度15度(一般的なイチゴの平均糖度:10度)となることが確認され、農薬や化学肥料を使用せずに、通常より甘いイチゴを年間を通して栽培できることが実証されました。

 本システムは、イチゴ専用のオリジナルLEDライトと作業の効率性を考慮したラック設計、安定した水質維持が可能な水槽・濾過循環器が備わっている点が特徴です。屋内型で作業がしやすく、モジュール式で小規模から大規模までカスタム可能な設計のため、農福連携や遊休地の活用などさまざまな目的での利用が可能です。本システムは2024年10月9日より販売開始を予定しています。

イチゴ栽培に特化したアクアポニックスシステム開発の背景

水耕栽培と魚の養殖をかけあわせた循環型農業「アクアポニックス」は、高い生産性と環境配慮の両立ができる農業として国内外から注目が集まっています。

日本のイチゴは生食に適した大粒・高糖度であることが特徴で、世界でも高く評価されています。近年、そのニーズの高さから日本ではイチゴの養液栽培が拡大傾向にありますが、養液(化学肥料)の原料は輸入量や価格が安定せず、製造過程で多くのエネルギーを要するため、コストと環境負荷の高さが課題となっています。そこで、環境負荷の低い栽培方法で高品質なイチゴの安定生産が可能になれば、生産者の収入増につながる可能性も高いことから、弊社ではアクアポニックス産イチゴの試験栽培に以前より取り組んできました。

共同実証実験におけるイチゴ栽培の様子

本システムは、2023年から2024年春にかけてアクポニとアグリ王が実施した共同実証実験の結果をもとに開発されました。アグリ王が持つイチゴの水耕栽培技術と、アクポニ独自のアクアポニックス技術とIoT技術を組み合わせることで、イチゴに最適化したシステムが完成。LEDを用いた完全閉鎖型システムのため、どのような気候、地域においても安定して無農薬・無化学肥料・無除草剤のイチゴを栽培することが可能です。

システム概要

  • 名称:アクポニイチゴキット

  • 内容:LED型イチゴ栽培ラック、水槽、濾過循環器(高機能密閉型フィルター含む)、生物鉱化タンク

  • 設置面積:約5平方メートル〜(規模や希望収量に応じてカスタマイズ可能)

  • 価格:177万円〜(規模、条件により応相談)

  • 販売開始時期:2024年10月9日予定

  • 栽培可能株数:イチゴ30株

  • 生産可能なイチゴの量:約5.5kg/月

  • 養殖可能な魚の数:5〜10匹程度

こんな方におすすめ

  • 農福連携に興味がある方

  • 閉鎖型でアクアポニックスを実践したい方

  • 小面積でアクアポニックスを実践したい方

  • 無農薬のイチゴを生産販売したい方

  • 飲食店等に農場を併設しフレッシュなイチゴを使いたい方

アクポニイチゴキット イメージ

アクポニイチゴキット 三つの特長

1. アグリ王のイチゴ栽培ノウハウと、アクポニの技術を組み合わせたオリジナル設計

本システムは、アグリ王の持つイチゴ水耕栽培のノウハウを活かしたイチゴ専用ラックと、アクポニが開発した安定した水質維持を可能とする水槽および濾過循環器を用いている点が特徴です。ラックはイチゴ栽培の作業性を考慮した設計になっており、イチゴ栽培専用のオリジナルLEDライトを使用しています。

通常、イチゴは農薬や化学肥料が必要とされる栽培方法が主流ですが、アクアポニックスの技術を用いることで、無農薬・無化学肥料・無除草剤のイチゴを年間を通して栽培することができます。また、最小規模である5平方メートルで実施した場合、従来の水耕栽培システムと比較し、1ヶ月で水を120L、液体肥料を920ml削減可能。廃液の発生がないため、コストを削減し、資源を有効活用することが可能です。

2. 平均糖度15度の甘いイチゴが年間を通して生産可能

実証実験の結果、弊社がアクアポニックスで生産したイチゴは一般的なイチゴと比較し、糖度が高く酸味が少ないことが確認されました(文部科学省 食品成分データベースと実証実験で測定された数値を比較)。

一般的なイチゴは平均糖度が10度程度であるのに比べ、アクアポニックス産イチゴは平均糖度が15度と、より甘いイチゴが生産できることが確認されています。

無農薬・無化学肥料・無除草剤のイチゴは健康志向の消費者にもニーズが高く、アクアポニックスでイチゴを栽培する生産者が増えることで、年間を通して安心安全なイチゴの供給が可能になります。

また、イチゴは葉物野菜と比べて高単価で販売されることが多いため、生産者は収益化の面でも期待できると考えられます。

アクアポニックス産のイチゴ

3. 生産効率が通常の3倍。作業性に優れているため農福連携にも最適

本システムはモジュール方式になっているため、小規模から大規模システムまで、生産者の要望に応じた提案が可能です。栽培ラックは多段式のため、単位面積あたりの生産効率が約3倍に向上しています。システムは最小で5平方メートルから設置可能で、空き家や空き部屋などの遊休地にも設置することができます。

また、イチゴ栽培における作業性を考慮し、栽培方法のマニュアル化を行っています。高齢者や障がいをもつ方にも作業しやすい設計になっているため、農福連携にも最適です。

今後の展望

これまでアクアポニックスの生産品はレタス等の葉物野菜の栽培が中心でしたが、共同実証実験の結果、アクアポニックスでは通常よりも酸味が少なく、甘いイチゴを栽培できることが確認されました。イチゴのLED型植物工場を設計施工する株式会社アグリ王と共同で開発した本システムは、モジュール式のため、収益化を目的とした大規模農場にも適しています。

イチゴは世界中で親しまれており、生食にも、加工にも優れています。この結果により、アクアポニックスの導入が進み、実用化が加速されることが期待されます。

弊社の実験農場では、生産技術を確立するとともに、IoTとデータ分析技術を活用して、細かなノウハウをデジタルデータ化しています。今後もデータ収集を継続しながら、国内外において大規模かつスマート化されたアクアポニックス農場を展開し、日本の美味しいイチゴを世界へ届けていく予定です。

循環型農業「アクアポニックス」について

アクアポニックスとは、水耕栽培と水産養殖を掛け合わせた無農薬・無化学肥料・無除草剤の循環型農業です。魚・微生物・植物の三者が生態系をつくりバランスよく循環する、生産性と環境配慮の両立ができる農業として、その可能性に世界が注目しています。土耕農法と比較して同面積で約7倍の収量となる高い生産性と、約80%以上の節水、ライフサイクルアセスメントによる環境負荷の低さが特徴です。アクアポニックスの生産物にはUSDA(アメリカの有機認証)取得が認められており、少ない手間で安心・安全な野菜と魚を育成することができます。

アクアポニックスの循環の仕組み

会社概要

株式会社アクポニについて

「アクアポニックスで人と地球をHAPPYに。」をビジョンに掲げる、日本初のアクアポニックス専門企業です。よりよい形で資源が循環する社会を目指し、生産者とともに食の生産流通を変革するための製品開発を行っています。

所在地:〒231-0012 神奈川県横浜市中区相生町3-61 泰生ビル2F
設立:2014年4月2日
代表取締役:濱田健吾
事業概要:

・教育事業(アクアポニックスの学校を運営)

・農園事業 (農園の開発)

・生産事業 (農園の運営、生産管理システムの開発)

・流通事業 (生産物、資機材の販売)

URL:https://aquaponics.co.jp

株式会社アグリ王について

「食の安心安全・未来を創造する。」人口増加や異常気象による食糧不足、農業の高齢化や担い手不足が問題となる中、食の安心安全や誰もが働きやすい環境の提供のため、植物工場事業に取り組んでいます。

所在地:〒222-0033 神奈川県横浜市港北区新横浜1-13-3 奈良建設本社ビル1F
設立:2010年10月20日
代表取締役社長:徳丸義洋
事業概要
・植物栽培装置の開発・製造・販売
・植物・加工品の生産・製造・販売
URL:https://agri-oh.co.jp/

お問い合わせ

株式会社アクポニ

TEL:050-5539-1923

E-mail:info@aquponi.com

RELATED ARTICLES

返事を書く

あなたのコメントを入力してください。
ここにあなたの名前を入力してください

Most Popular

Recent Comments