200キロの畜産豚を保護するファームサンクチュアリ始動!クラウドファンディングも始まりました!
2024年5月20日、山梨県中央市の養豚場から、体重200キロを超える豚8頭をレスキューし、死ぬまで穏やかに暮らすためのサンクチュアリ(動物たちが殺されることなく安心して暮らせる保護施設)にやってきました。これにより、この養豚場は廃業を迎えました。
豚たちは、新たに作られた3箇所の畜産動物のためのサンクチュアリに引っ越すこととなりました。県をまたぐ移動であったため豚熱のワクチンを接種して抗体ができるのを待つ必要があり、その2ヶ月の間に急ピッチで、土地を取得し、ボランティアの力を借りて頑丈な柵と家を建設し、5月20日、移動を完了させたのです。
豚たちは早くも環境に慣れ始めており、初めて触れる土に穴を掘り、体をうずめ、広い放牧場を走り、草や葉っぱを自分で刈り取って食べています。彼らは、殺されて肉にされるという運命を脱し、ようやく、安心できる家にたどり着きました。
この緊急レスキューのために、私達はすでに1500万円以上を出費し、施設を適正化していき落ち着くまでの期間さらに200万円がかかり、クラウドファンディングも立ち上げ支援を募っています。
2024年5月20日、山梨県中央市の養豚場から、体重200キロを超える豚8頭が、動物保護団体(認定NPO法人アニマルライツセンター)によってレスキューされました。これにより、この養豚場は廃業を迎えました。
豚たちは、新たに作られた3箇所の畜産動物のためのサンクチュアリ(動物たちが殺されることなく安心して暮らせる保護施設)に引っ越すこととなりました。県をまたぐ移動であったため豚熱のワクチンを接種して抗体ができるのを待つ必要があり、その2ヶ月の間に急ピッチで、土地を取得し、ボランティアの力を借りて頑丈な柵と家を建設し、5月20日、移動を完了させたのです。
新たな3箇所のファームサンクチュアリを、「動物の未来ホーム」「動物の未来コテージ」「愛媛サンクチュアリ(仮称)」とし、総称を”アニマルライツヴィレッジ”と呼びます。動物の未来ホームとコテージはアニマルライツセンターが運営し、愛媛サンクチュアリは、個人の方が新たにファームサンクチュアリに挑戦を始めた場所です。
豚たちは早くも環境に慣れ始めており、初めて触れる土に穴を掘り、体をうずめ、広い放牧場を走り、草や葉っぱを自分で刈り取って食べています。彼らは、殺されて肉にされるという運命を脱し、ようやく、安心できる家にたどり着きました。
この緊急レスキューのために、私達はすでに1500万円以上を出費し、施設を適正化していき落ち着くまでの期間さらに200万円がかかると予定しています。この8頭以外の国内だけで年間10億が殺されている畜産動物たちを守る活動を維持し、さらに8頭を守っていくためのクラウドファンディングを開始しました。
【保護ぶーちゃんたちの生命を〈ずっとのお家〉で守るプロジェクト】
https://readyfor.jp/projects/8pigs/
レスキューまでの経緯
2024年3月はじめ、アニマルライツセンターは山梨県中央市の養豚場を訪れました。犬の多頭飼育崩壊が起こり、犬猫保護団体がレスキューに入っていたその場所が、廃業間近の養豚場だったためです。そこには9頭の200キロを超える豚が取り残されていました。「2月に屠殺する」と、養豚場オーナーは話をしていたといいます。しかし、私達が駆けつけたとき、豚たちはまだ屠殺場には送られておらず、生きていました。ただし、2月中に1頭が死亡し、8頭になっていました。
200キロある豚は、繁殖用の豚と同じラインで屠殺されることになります。その場合の屠殺は簡単ではなく、通常の屠殺よりも苦しみや恐怖が大きくなります。彼らをその恐ろしい運命から救う手立てはないのか。8頭全てでなくても、弱って立ち上がれなくなっている1頭なら譲ってくれるかもしれない・・・。わたしたちは養豚場オーナーと交渉を始めました。最初は「豚は無理だよ」と言っていたものの、輸送の手間と費用を考えたオーナーはこう結論を出しました。「8頭全部もっていくなら、考えてもいい」。
私達は慌てて引取先と土地を確保し、翌週、8頭の豚たちを譲渡してもらいました。その後、豚熱のワクチンを打ち、2ヶ月後に移動の日を迎えました。
”畜産”という強い鎖
畜産用の豚のレスキューは、鶏や牛よりもハードルが高いものであることがわかりました。まずは200キロを超える大きさ、コントロールの難しさ、新しい菌へのセンシティブさ、闘争を抑えられないため群れごとに区切られたエリアが必要であること、さらに防疫面で求められる施設の堅牢さは他の動物とは比較になりません。豚に対する”臭い”という偏見とも戦いました。豚は移動してはならないという世間の思い込みがあることもわかりました。
当初は自分たちでサンクチュアリを運営するのではなく、引取先を探しましたが、鶏であればと言う人はいても豚はどこにも受け入れ先がありませんでした。人と同じものを食べるという近しい存在であるにも関わらず、豚のキャラクターは愛されるアイコンであるにも関わらず、畜産用の豚の存在はどの動物よりも人間から遠い存在だったのです。
実際の豚たち
輸送時に2頭が亡くなりました。最初に私達が助けようと考えた豚はほとんど立ち上がれない状態で当日を迎えており、亡くなることは予測できました。しかし、もう1頭が、輸送前の激しい抵抗と、輸送の何らかのストレスにより到着後間もなく亡くなりました。センシティブなことは間違いがなく、さらには動物にとって輸送という行程がどれだけ負担であるかを実感し、この責任を私達は重く重く受け止めています。輸送はすべての畜産動物が屠殺場に送られる際に経なくてはならない行程であり、すべての畜産動物たちが同じように極度のストレスと恐怖を感じているものなのだと理解すべきです。
ニオイはどうでしょうか。豚たちからは実はニオイはしません。養豚場が臭いのは、数百〜数千の豚を集約的に飼育しているからでしかありません。糞は丸くて固く、近づいたりしなければ臭わないのです。
早々に環境と調和できた3頭は、すでに排泄場所と食事や就寝の場所を明確に分けています。食事の時間や、器から食べる方法もすぐに1週間ほどで覚えました。その頭の良さには感服します。
認定NPO法人アニマルライツセンターについて
アニマルライツセンターは、1987年に発足し、畜産動物のアニマルウェルフェアを向上させるために食品メーカーや小売店や卸業などの企業との交渉を行い、消費者啓発を行い、さらに動物性たんぱく質から植物性タンパク質への移行を推進する東京に本部を置く団体です。特に、豚の拘束飼育(妊娠ストール・分娩ストール)の廃止、採卵鶏のケージ飼育の廃止、肉用鶏の飼育密度の改善と、鶏の屠殺時の福祉向上、採卵鶏のオスひよこの淘汰廃止などに取り組んでいます。