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水産業に特化した 人権デューディリジェンスレポート発行 すぐに実践したい企業向け 8つのステップで取り組み方法も分かりやすく 

2023年10月18日、株式会社シーフードレガシー(代表取締役社長:花岡和佳男、所在地:東京都中央区、以下シーフードレガシー)は、水産業界の社会的責任に関する取り組みの知見をもつ米国のNGO、フィッシュワイズ(FishWise)に委託し、水産企業が人権デューディリジェンスを実行していく上で必要な基礎情報、国際動向、政策立案ツールをまとめた『水産サプライチェーンにおける労働者の権利を守るための企業責任-Social Responsible Journey』(以下レポート)を発行しました。

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世界には推定で現代奴隷が5,000万人もいると推定され、問題は年々深刻さを増しています(*1)。水産分野も無縁ではありません。しかし、水産業における労働者は、陸や街から離れた、孤立した環境で長期間働かされているケースもあり実態の確認は、極めて確認が困難であることが指摘されています。最新の報告書では世界で多くの漁業者が海上で極端な隔離状態で監視され、危険な環境で働かされているリスクがあると報告されています*1。

実際、国際労働機関(ILO)によると、水産業界でもILOが定める11の強制労働指標のうち複数に該当するような労働者の人権侵害が報告されており、労働搾取のリスクが高い業界であることが指摘されています(*2)。

しかし、ある調査では、国内企業で人権デューディリジェンスを実施しているのは1割程度にとどまっており、課題として「具体的な取り組み方法がわからない」という理由が最も多く挙げられています(*3)。

『水産サプライチェーンにおける労働者の権利を守るための企業責任-Social Responsible Journey』は、まさに、こうした課題を解決するため、人権デューディリジェンスの基礎知識や取り組み方法をわかりやすく説明し、水産企業の実践を支援することを目的として制作しました。

  • 本レポートの3つの特徴

1 国連「ビジネスと人権に関する指導原則(UNGPs)」を踏まえた解説

人権デューディリジェンスは、国際的なガイドラインであるUNGPsに沿って実行していくことが極めて重要です。UNGPsを独自に読み解くことは難しいですが、このレポートを参照すれば、UNGPsをどう活用すればよいかを理解できます。

2 水産業界の事情に即した説明

水産業界の特徴でもある、生産、加工、輸出入と複雑で不透明なサプライチェーンは、労働者の人権侵害の温床にもなり得ます。こうした水産業界特有の事情を踏まえながら取り組みのポイントをご紹介しています。

3 オペレーションを通じた改善ポイントを紹介

人権デューディリジェンスはコミットメントを策定してからがはじまりです。社内の理解促進、サプライヤーや競合他社との連携、コミットメントに関するコミュニケーションなど、それぞれのフェーズで取り組むべきことを解説しています。

4 よくある落とし穴も網羅
監査や認証への依存、不完全なデータ収集、労働者との関与の欠如といった、見落とされがちなポイントもご紹介しています。

5 具体的な取り組みツールの紹介

具体的な取り組み方法のツールとして、RISE(読み:ライズ)「Roadmap for Improving Seafood Ethicsー水産物の倫理向上ロードマップ」(https://riseseafood.org/)についても紹介しています。RISEは、このレポートの執筆・監修したフィッシュワイズが開発したツールです。水産企業が人権デューディリジェンスの戦略を策定するだけではなく、業界特有の課題に対処できるよう支援することを目的とした無料のオンラインプラットフォームです。

企業の社会的責任に関する取り組みの基盤となる「責任ある採用」、「労働者の参画」、「海上でのディーセントワーク」をどう推進すればよいか、それぞれ8つのステップで解説しています。

<責任ある採用の場合の8つのステップ>

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欧米各国では、人権デューディリジェンスの義務化が進んでいます。日本でも2022年9月に経産省から「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン​​」が出されるなど、企業による労働者の人権尊重の動きが加速しています。

弊社は、今回発行したレポートの普及をはかり、より多くの水産業界の皆様の社会的責任の向上にお役立ていただくことで、業界全体の人権デューディリジェンス向上を進めてまいります。

*1 Global Estimates of Modern Slavery Forced Labour and Forced, Marriage, 2022, p1,2,32 https://www.ilo.org/wcmsp5/groups/public/—ed_norm/—ipec/documents/publication/wcms_854733.pdf

*2 ILO indicators of Forced Labour​​,2021

*3 2022年度|ジェトロ海外ビジネス調査 日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査,2023,p26,27

  • <コメント>

株式会社シーフードレガシー 代表取締役社長 花岡和佳男

日本は世界有数の水産輸入市場であり、世界各地の生産現場とつながっています。日本の水産市場を構成する企業群がサプライチェーンにおける社会的責任を追求していくことは、日本市場のグローバルクレディビリティの向上、ひいては日本の水産業の成長産業化にもつながります。私たちシーフードレガシーは、この日本の水産市場を環境持続性や社会的責任におけるグローバル・キャピタルとすることで、日本と世界の水産業の持続的繁栄を目指しています。このレポートが皆様の社会的責任の追求の一助になりますことを願っています。

水産業における労働や人権に関して水産物バイヤーやサプライヤーとの取り組み経験を持ち、水産に特化した人権デューディリジェンスについて豊富な知見を持っていることから、今回、執筆・監修をフィッシュワイズに委託しました

フィッシュワイズ エグゼクティブ・ディレクター ジェニー・バーカー

フィッシュワイズは世界の水産サプライチェーンを変革することで海洋生態系とそれに頼る人々の持続可能な生活を守ることを使命にしています。このレポートでは、企業が調達改善などの取り組みを通して、サプライチェーン上の労働者を支援するためのステップを事例を交えて紹介しています。私たちは日本の水産企業が社会的責任に関する取り組みに関心を持ち、行動し始めていることを嬉しく思います。

フィッシュワイズ    プロジェクト・ディレクター(レポートの執筆担当)ギャレット・オクラシンスキー

水産業界の環境・社会問題はサプライチェーンの複雑さも相まり、企業の明確なコミットと継続した取り組みなしには解決が困難です。企業は労働者の権利を守るためにサプライチェーンの透明性を確保し人権デューデリジェンスを行う必要があります。私たちは、こうした問題に積極的に取り組もうとする日本の企業と本レポートを共有できることを嬉しく思います。

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  • 『水産サプライチェーンにおける労働者の権利を守るための企業責任-Social Responsible Journey』概要

・発刊年月: 2023年10月

・発刊目的:水産企業における労働者の権利を尊重するための社内方針と慣行の強化を通してサプライチェーンにおける社会的責任を果たすための支援

・発刊元:株式会社シーフードレガシー

・執筆・監修:フィッシュワイズ(FishWise)

・言語:日本語のみ

・形式:B5版 冊子 (24ページ)前編

・価格:無料

  • <入手方法>

前編の印刷版は、10月17日-19日開催予定の「東京サステナブルシーフード・サミット2023」会場にて配布いたします。その後は、シーフードレガシーのコーポレートサイトからダウンロードいただけます。

ダウンロードリンクはこちら

https://seafoodlegacy.com/srj_part1

※後編の配布は決まり次第シーフードレガシー公式サイトで告知予定です

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