金曜日, 11月 22, 2024
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物成長促進ホルモンの新たな活性化経路を発見 ~イネをはじめ作物の収穫向上への応用に期待~〔名古屋大学、理化学研究所、農研機構、岡山大学〕

名古屋大学と理化学研究所、農研機構、岡山大学の共同プレスリリースです

2023(令和5)年 8月 30日
国立大学法人岡山大学
https://www.okayama-u.ac.jp/

物成長促進ホルモンの新たな活性化経路を発見 ~イネをはじめ作物の収穫向上への応用に期待~〔名古屋大学、理化学研究所、農研機構、岡山大学〕のサブ画像1

<発表のポイント>

  • 植物成長促進ホルモンの1つサイトカイニンの新たな活性化経路を発見

  • 活性化酵素CPN1は細胞壁空間に存在し根から輸送された前駆体を活性化

  • イネの穂形成などに重要な役割を果たすことから収量向上への応用が期待できる

◆概 要

 国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学大学院生命農学研究科の榊原 均 教授、小嶋 美紀子 博士後期課程学生(社会人コース)、名古屋大学生物機能開発利用研究センターの保浦 徳昇 特任准教授らの研究グループは、国立研究開発法人理化学研究所 環境資源科学研究センター(CSRS)の岩瀬 哲 上級研究員、国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構の矢野 昌裕 シニアエグゼクティブリサーチャー、国立大学法人 岡山大学 資源植物科学研究所の山本 敏央教授との共同研究で、植物成長促進ホルモンの1つサイトカイニンの新たな活性化経路を発見しました。

 サイトカイニンは窒素栄養に応じた植物成長促進やイネの穂形成など、植物生産に関わる非常に重要な植物ホルモンです。これまでその生合成は細胞内で行われると考えられてきましたが、本研究で、同定したサイトカイニン活性化酵素タンパク質CPN1が葉の細胞壁空間(アポプラスト)に存在し、細胞内とは別の代謝経路により、根から輸送されてくる前駆体を活性型に変換していることを明らかにしました。また、CPN1の機能を失ったイネ変異体では、葉でのサイトカイニン情報伝達が正常に行われなくなり、穂のサイズも小さくなることが分かりました。
 CPN1遺伝子の利用により、人為的にサイトカイニン作用を調節することが可能になることから、イネをはじめとした作物の収量向上への応用が期待されます。

 本研究成果は、2023年8月29日午前4時(日本時間)付アメリカ科学アカデミー紀要「Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America」オンライン版に掲載されました。

物成長促進ホルモンの新たな活性化経路を発見 ~イネをはじめ作物の収穫向上への応用に期待~〔名古屋大学、理化学研究所、農研機構、岡山大学〕のサブ画像2_ササニシキ×ハバタキのCSSLにおけるサイトカイニンリボシド派生体(cZROG)内生濃度に影響を与えるQTLピークの検出ササニシキ×ハバタキのCSSLにおけるサイトカイニンリボシド派生体(cZROG)内生濃度に影響を与えるQTLピークの検出

物成長促進ホルモンの新たな活性化経路を発見 ~イネをはじめ作物の収穫向上への応用に期待~〔名古屋大学、理化学研究所、農研機構、岡山大学〕のサブ画像3_細胞壁空間におけるCPN1の役割細胞壁空間におけるCPN1の役割

物成長促進ホルモンの新たな活性化経路を発見 ~イネをはじめ作物の収穫向上への応用に期待~〔名古屋大学、理化学研究所、農研機構、岡山大学〕のサブ画像4_サイトカイニン生合成経路サイトカイニン生合成経路

物成長促進ホルモンの新たな活性化経路を発見 ~イネをはじめ作物の収穫向上への応用に期待~〔名古屋大学、理化学研究所、農研機構、岡山大学〕のサブ画像5_日本晴とcpn1変異体間での穂形態の比較日本晴とcpn1変異体間での穂形態の比較

◆論文情報
 雑誌名:Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America (PNAS)
 論文タイトル:A cell wall-localized cytokinin/purine riboside nucleosidase is involved in apoplastic cytokinin metabolism in Oryza sativa
 著 者:Mikiko Kojima(名古屋大学大学院生(社会人博士後期課程, 研究当時)), Nobue Makita, Kazuki Miyata(名古屋大学大学院生), Mika Yoshino(名古屋大学大学院生), Akira Iwase, Miwa Ohashi(名古屋大学研究員(研究当時)), Alicia Surjana(名古屋大学大学院生(研究当時)), Toru Kudo, Noriko Takeda-Kamiya, Kiminori Toyooka, Akio Miyao, Hirohiko Hirochika, Tsuyu Ando, Ayahiko Shomura, Masahiro Yano, Toshio Yamamoto(岡山大学教員), Tokunori Hobo(名古屋大学教員), Hitoshi Sakakibara(名古屋大学教員) 
 DOI: 10.1073/pnas.2217708120

◆研究資金

 本研究は、農水省『新農業展開ゲノムプロジェクト』(NVR0004)および科研費(17H06473, 19H00931, 21F21765)の支援を受けて行われたものです。

◆詳しい研究内容について

 物成長促進ホルモンの新たな活性化経路を発見~イネをはじめ作物の収穫向上への応用に期待~
 https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r5/press20230829-1.pdf

◆本件お問い合わせ先

<研究者連絡先>
 東海国立大学機構 名古屋大学大学院生命農学研究科 教授 榊原 均(さかきばら ひとし)
 TEL:052-789-4095

 FAX:052-789-4095

 国立研究開発法人理化学研究所 環境資源科学研究センター (CSRS) 上級研究員 岩瀬 哲(いわせ あきら)

 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 (NARO)基盤技術研究本部 農業情報研究センター 
シニアエグゼクティブリサーチャー 矢野昌裕(やの まさひろ)
 TEL: 090-1614-1380

 国立大学法人岡山大学 資源植物科学研究所 教授 山本敏央(やまもと としお)

 https://www.rib.okayama-u.ac.jp/nucleus/IGBj/

<報道連絡先>
 東海国立大学機構 名古屋大学 広報課
 TEL:052-558-9735

 FAX:052-788-6272

 理化学研究所 広報室 報道担当
 TEL: 050-3495-0247

 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(NARO)基盤技術研究本部 研究推進室

 国立大学法人岡山大学 広報課 
 TEL:086-251-8415

<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
 岡山大学研究推進機構 産学官連携本部
 〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
 TEL:086-251-8463
 E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
 https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/

 岡山大学メディア「OTD」(アプリ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000072793.html
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 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000072793.html

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物成長促進ホルモンの新たな活性化経路を発見 ~イネをはじめ作物の収穫向上への応用に期待~〔名古屋大学、理化学研究所、農研機構、岡山大学〕のサブ画像7

国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています。地域中核・特色ある研究大学:岡山大学にご期待ください

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