地元高槻市服部地区の農家が出来栄えを競う
徳川家康が食べて賞賛し、幕府献上品となった高槻市の名産「富田漬」の原料である「服部越瓜(しろうり)」の品評会が21日、JAたかつき清水支店で開かれ、栽培農家からよりすぐりのシロウリ6点が出品されました。
服部越瓜は、同市塚脇、西之川原、浦堂などの塚脇地区周辺(旧服部村周辺)だけで栽培され、例年7月初旬から出荷されます。長さ約40センチ、重さ800グラム程度に成長し、頂部がくびれ、薄緑色に淡い白縞があり、シャキシャキした食感が特徴。服部越瓜は地元の朝市で販売されるほか、酒どころとして知られる同市富田地区の酒粕を使った富田漬などに加工されます。富田漬の歴史は古く、徳川家康がこの地を通った際に富田漬を食してその味を賞賛し、幕府献上品となったことから全国に知れ渡りました。平成17年度には、府内で概ね100年前から栽培されてきた大阪独自の品種の野菜として「なにわの伝統野菜」にも認証され、同20年度には府が推進する魅力的な地域資源を登録する「大阪ミュージアム構想」にも選定、現在は約10軒の生産者が栽培し、レシピの考案や食育活動などを通じて伝統野菜を受け継いでいます。
シロウリの品評会は、同市農林業祭実行委員会が主催。出荷が最盛期を迎える7月中旬ごろに開催されます。この日は、栽培農家からよりすぐりのシロウリ6点が出品。表面の凹凸、色、つやなどの見た目による1次審査で3点に絞られた後、半分に切られ肉厚さなど中身を審査する2次審査を経て優秀賞には平田春生さん(同市浦堂本町)が選ばれました。審査員の大阪府北部農と緑の総合事務所農の普及課藤川さんは「急な気温上昇やゲリラ豪雨で栽培が難しいなか素晴らしいシロウリを出品していただいた。今後も地元の名産シロウリを生産者の皆さまでPRしてほしい」と講評していました。