土曜日, 11月 23, 2024
ホーム調査レポートマイクロプラスチック殻を使わない水稲ペースト一発肥料の有効性を確認。食味良好、収穫量は平均を上回る。

マイクロプラスチック殻を使わない水稲ペースト一発肥料の有効性を確認。食味良好、収穫量は平均を上回る。

「みどりの食糧システム」認定のペースト施肥機を使い、追肥無しで生産性の高い生育を実証。

三菱マヒンドラ農機株式会社(本社:島根県松江市)は、マイクロプラスチック殻を出さないペースト一発肥料を使用した場合の水稲の生育を確認するため、2022年春から実証試験を行ってきました。水稲栽培においては、これまでプラスチック被覆殻で覆われた粒状一発肥料が多く使用されてきましたが、近年の環境意識の高まりとともに、水田から流出するマイクロプラスチック殻が問題視されるようになっています。実証試験は長岡市(新潟)、岡山市、矢板市(栃木)などの圃場で行い、結果は良好な食味と各県平均を上回る収穫量で、粒状一発肥料と遜色のない栽培ができることを実証しました。

マイクロプラスチック殻を使わない水稲ペースト一発肥料の有効性を確認。食味良好、収穫量は平均を上回る。のサブ画像1_雨の日に作業できることもペースト肥料のメリットの1つ雨の日に作業できることもペースト肥料のメリットの1つ

三菱マヒンドラ農機株式会社(本社:島根県松江市)は、マイクロプラスチック殻を出さないペースト肥料を使用した、追肥を行わない一発施肥での水稲の生育を確認するため、2022年春から、長岡市(新潟)、岡山市、矢板市(栃木)などの圃場で実証試験を行いました。結果の概要は以下のとおりです。

【実証試験の結果概要】

ペースト一発肥料で育てた水稲の一反(10アール)あたりの玄米収量は、659kg(長岡市)、590kg(岡山市)、573kg (矢板市)と令和4年度の各県平均に対して11~24%の増量となりました。また、食味スコアについても「87」「81」「88」といずれも「良」(80以上)と診断されました。これにより、ペースト一発施肥による田植えは、一般的に行われている粒状一発肥料の課題であるプラスチック被覆殻の流出と無縁であるだけでなく、水稲の生産性においても平均を上回る成果を上げることが可能であることが示されました。

マイクロプラスチック殻を使わない水稲ペースト一発肥料の有効性を確認。食味良好、収穫量は平均を上回る。のサブ画像2_苗を植えながら土の中に施肥する仕組み苗を植えながら土の中に施肥する仕組み

​ペースト一発施肥は、田植え時に圃場環境に合わせ、苗の側条または上下二段の側条に緩効性の肥料を施肥することで追肥の必要性を低減し、一発施肥を可能にします。また、土中にとどまりやすく流亡が少ないため局所施肥が可能で、慣行農業と比べて肥料の使用量を約3割削減できます。

マイクロプラスチック殻を使わない水稲ペースト一発肥料の有効性を確認。食味良好、収穫量は平均を上回る。のサブ画像3_ペースト二段施肥のイメージ図ペースト二段施肥のイメージ図

弊社は、業界で初めてペースト側条施肥機を開発・発売(1974年)し、環境負荷の低いペースト肥料を用いた農法への対応に長年取組んできました。近年、農業分野における粒状一発肥料のプラスチック被覆殻流出による環境汚染に改めて関心が高まっています。マイクロプラスチック問題の解消と化学肥料の削減に寄与できることから、昨年11月にペースト施肥対応の田植機は「みどりの食料システム戦略」の認定事業に選定されました。

弊社は、ペースト施肥対応の田植機の販売では業界のリーダーであり、今後も生産効率の向上と、環境負荷低減に寄与する農業の推進に力を入れていく所存です。

マイクロプラスチック殻を使わない水稲ペースト一発肥料の有効性を確認。食味良好、収穫量は平均を上回る。のサブ画像4_ペースト施肥対応機種を4条から10条まで9機種ラインナップペースト施肥対応機種を4条から10条まで9機種ラインナップ

【ペースト施肥対応機種】

 LE4A/LE50/LE60/LE50AD/LE60AD/LE70AD/LE80AD/LR103D/LKE60AD
 https://www.mam.co.jp/product/taueki_index.html

 

 

【生育試験圃場データ】

1. 長岡市(新潟県) 
 実証試験場所  :新潟県長岡市(面積30a)
 田植月日    :5月16日
 収穫日     :9月16日
 品種      :コシヒカリ
 植付条件    :条間30cm、株間30cm/37株
 肥料      :マム水稲用9号
         N成分施肥量=全量5.4kg/10a (施肥深さ 5cm)

2. 岡山市
 実証試験場所 :岡山県岡山市(面積30a)
 田植月日   :6月21日
 収穫日    :11月5日
 品種     :あけぼの
 植付条件   :条間30cm、株間30cm/37株
 肥料     :てまいらずペースト488
         N成分施肥量=全量5.3kg/10a (上段2.7kg 施肥深さ 5cm、下段2.7kg 施肥深さ 9cm)

3. 矢板市(栃木県)
 実証試験場所 :栃木県矢板市(面積 30a)
 田植月日   :5月12日
 収穫日    :9月14日
 品種     :コシヒカリ
 植付条件   :条間30cm、株間30cm/37株
 施肥     :マム水稲用9号
         N成分施肥量=全量5.6kg/10a (上段2.8kg 施肥深さ 5cm、下段2.8kg施肥深さ 15cm)

【収穫データ】

マイクロプラスチック殻を使わない水稲ペースト一発肥料の有効性を確認。食味良好、収穫量は平均を上回る。のサブ画像5

【ペースト施肥に関しては以下のサイトもご参照いただけます】

 ・農水省動画(2022年6月岡山市でのペースト2段施肥による田植えの紹介)
  https://www.youtube.com/watch?v=7ddFDlYD9WY
 ・みどりの食糧システム認定の田植え機の弊社紹介動画
  https://www.youtube.com/watch?v=AsU2xnj8qLo
 ・ペースト施肥の歴史やメリットに関する記事
  https://www.mam.co.jp/agriinfo/140/

 *実証結果は全ての条件下で生育を保証するものではありません。
 気象条件・地域・土壌条件・品種・作型等を見ながら、必要に応じて追肥を行ってください。

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