〜ロブスターやカニなど甲殻類の培養技術を研究する Cultured Decadence社〜
※正式名称「 Future Food Fund 1号投資事業有限責任組合」
この投資は、サステナブルな食糧生産システム構築の実現に向けた連携や、世界的な課題である環境負荷軽減に向けたカーボンニュートラルの推進、アメリカ本国からのフードテック業界の動向のいち早い把握などを視野に入れたものです。
■背景…環境保全活動に伴った持続可能な代替タンパク質や培養肉技術開発の発展
代替タンパク質の全体市場は、米国ではプラントベースのビヨンドミート社、インポッシブルフーズ社が牽引し、大きく拡大しています。日本国内でも、コロナ禍における健康志向、また環境に対する意識の高まりから、植物肉は一定の市場規模になることが想定されています。特に昨今の環境意識の高まりから、既存の畜産は様々な制約から需要量を落としていくことが予想されている一方、発展途上国では経済成長にともない、畜肉供給量が増加している状況があります。そのため、代替タンパク質については、プラントベースと並行して、培養肉の生産に乗り出すスタートアップ企業も増えてきており、コストの抑制と規制緩和が進むと培養肉についても一定の市場規模になると想定されています。
CD社は、アメリカに本拠地を置くフードテックのスタートアップ企業でロブスターやカニなどの甲殻類の可食部位培養技術を主力事業としています。水産品の多くも気候変動による海水温の上昇による減漁(※)や水産養殖による環境負荷など、将来安定した供給が難しくなる可能性が高く食肉事業と近い課題があります。Future Food Fundは安全性の高い培養肉の研究となるようにリードし、より良い未来の食生活の実現につなげたいと考えます。
※水産庁 令和2年度水産白書より
■ 参考)Cultured Decadence Inc., 会社概要
会社名 :Cultured Decadence Inc.,
住所 :504 S Rosa Rd, Ste 200, Madison, WI 53719
設立年月:2020年1月15日
代表者 : CEO John Pattison, CSO Ian Johnson
資本金 : $1.9M USD
事業内容:Cultured Decadence社は、アメリカウィスコンシン州に本拠地を置く、フードテックのスタートアップ企業です。細胞培養技術を用いて、ロブスターやカニといった甲殻類の培養肉を研究開発しています。食糧不足の対策として、培養肉の研究はアメリカを中心に広がっています。畜産品であれば、生産量、カーボンニュートラルの問題、水産品であれば資源管理の問題が顕在化しており、この問題解決の一つとして、培養肉は期待されています。
培養肉は、一般市場において現実的な購買価格帯での商品開発が進んでおり、特に高級食材であるロブスターやカニから研究を進めることで、早期の商品化を目指しています。今回の出資を通じて、将来的には日本での商品化も視野にいれています。
URL:https://www.cultureddecadence.com/
オイシックス・ラ・大地株式会社について
オイシックス・ラ・大地株式会社(代表:高島宏平)は、「Oisix」「らでぃっしゅぼーや」「大地を守る会」の国内主要ブランドを通じ、安心・安全に配慮した農産物、ミールキットなどの定期宅配サービスを提供しています。子会社の買い物難民向け移動スーパー「とくし丸」や、米国でヴィーガンミールキットを展開する「Purple Carrot」も含め、食のサブスクリプションサービスを広げています。
当社は、「サステナブルリテール」(持続可能型小売業)として、サブスクリプションモデルによる受注予測や、ふぞろい品の積極活用、家庭での食品廃棄が削減できるミールキットなどを通じ、畑から食卓まで、サプライチェーン全体で食品ロスゼロを目指しています。
(サイトURL:https://www.oisixradaichi.co.jp/)
Future Food Fund株式会社について
Future Food Fund株式会社は、2019年10月に日本の食のスタートアップエコシステムを作る為に、フードイノベーション領域に特化した国内外のスタートアップ企業への出資を目的としたCVCファンドを運営する投資子会社として、オイシックス・ラ・大地株式会社により設立されました。パートナー企業とともに、国内外の先進的な食・農・ヘルスケア領域などのフードテック 領域への積極的な投資と、販売や商品開発などの支援も可能としており、日本国内で、スタートアップ企業を支援するエコシステムの構築を目指しています。
(サイトURL:https://futurefoodfund.co.jp/)