三重県では産卵期に入った伊勢えびを保護するために、県漁業調整規則により5月1日から9月末(鳥羽市離島地域以北の海域においては、9月15日)まで5カ月の長きに渡って禁漁とし、この規則は他県より厳しいものになっています。水揚げされた伊勢えびは伊勢神宮に奉納され、その年の安全と豊漁を祈願します。
ぷりぷりとした歯ごたえと甘みのある味わいが魅力で、人気の高い「海の幸」伊勢えびの情報と共に、実際に伊勢えびを味わえるおすすめスポットをご紹介します。
- 漁獲量全国1位を占める三重県の伊勢えび
伊勢えびは三重県のさかなや三重ブランドに認定されている水産物で、古くから伊勢志摩を代表する水産物です。三重県では昭和63年に三重県水産研究所において世界で初めて伊勢えび幼生の完全飼育を達成させるなど、長年にわたり種苗生産研究が行われています。
令和元年の三重県の伊勢えび漁獲量は、288tで全国シェア25.7%(全国第1位)を占めており、生産額でも967百万円で全国第1位となっています。(出典:海面漁業生産統計調査)
- 安全と豊漁を祈願するため 伊勢神宮へ毎年奉納
日本ではおめでたい色とされる赤色をし、長い髭と曲がった腰を持つ姿から、古くから長寿を祝う縁起物として伊勢えびは尊ばれています。また、脱皮を繰り返し成長をしていくことから、立身出世の縁起物ともされています。伊勢神宮では神饌(しんせん)として用い、祝膳には欠かせない存在となっています。
伊勢えびの名前の由来は、古くから伊勢志摩地域で多く獲れたことに由来するという説(『大和本草』1709年)があります。その他、カブトが甲冑に似ていて威勢(いせい)がいい海老 が 「いせ海老」と呼ばれるようになったという説や、産卵期は磯にいることが多いため、「いそえび」が訛って「いせえび」となったという説など、諸説あります。
10月1日の伊勢えび漁解禁後、志摩市にて水揚げされた伊勢えびが竹かごに乗せられて伊勢神宮に奉納されます。伊勢えび漁の安全と豊漁を祈願するため、例年100匹以上が奉納されています。
- 旬の伊勢えびを味わえる、おすすめスポットをご紹介!
【東京:三重テラス】
日本橋にある「三重テラス」では伊勢えびをレストランで楽しめます。
また、オンラインストアでも独自の凍結技術(マイナス60°C)で水揚げされ、その日の内に急速冷凍した商品の取り扱いもあります。
【三重県:地元民に愛される伊勢えびが楽しめるお店2選】
1.海女小屋「はちまんかまど」(三重県鳥羽市相差町819)
日本一海女が多いまち・鳥羽市相差町にあり、現役海女の語りを聞きながら、海女の手焼きで、新鮮な魚介を堪能できます。
海女着体験や海女と一緒に地元の相差音頭を踊ったり、楽しく海女文化にふれあうことができる体験施設です。
2.海女小屋体験施設 さとうみ庵(三重県志摩市志摩町越賀2279)
本来の海女小屋を模した小屋で、現役や現役を退いた海女さんから海女漁や海の話を聞きながら、伊勢志摩の海で獲れた新鮮な魚介類をご堪能できます。
- 知ってるとツウ!?伊勢えびを食べて育つタコ!
伊勢えびを食べて育つ神島のタコは、12~1月ごろ、梅雨明けごろが旬です。
神島は伊勢湾口に浮かぶ鳥羽市の小島で、三島由紀夫の小説「潮騒」の舞台として知られています。小説「潮騒」にも登場する、伊勢えびを食べて育つ神島のタコはうまみがあり、ぷりぷりした食感が楽しめます。神島では伝統漁業として、タコツボ漁が行われており、質のよい真蛸が取れるとされています。
約10軒がタコツボ漁を行っていますが、縄を仕掛ける場所は半年ごとのくじ引きで決めるという習わしがあるそうです。また、このタコを使った炊き込みご飯は、伊勢えびを食べて育ったタコのうまみが余すことなく味わえる料理です。
是非、三重県にお越しの際にはご賞味ください。
縁起物としても愛されてきた伊勢えびを、お店やご自宅で是非おたのしみください。