
締結式の様子:日比谷花壇 宮島浩彰(左)/MPSジャパン 松島義幸(右)
MPSジャパン株式会社(東京都千代田区、代表取締役:松島義幸)は、サステナブルな花き業界の実現を目指し2025年7月28日(月)に、花き小売業大手の株式会社日比谷花壇(本社:東京都港区、代表取締役社長:宮島浩彰)と包括協定を締結しました。MPSジャパンと小売事業社が包括協定を結び、持続可能な花の生産と流通の拡大を目指す取り組みは業界で初となります。

MPSジャパンは、花きの国際環境認証機関であるMPS(本部:オランダ)より承認を得て2006年に設立され、国内でのMPSの啓蒙と、生産者向け「MPS-ABC」、市場向け「MPS-GPA」、流通向け「MPS-GTP」などの審査・認証を実施しています。その他、国内での花きの消費拡大のため、2014年には「花き日持ち品質管理認証制度」を確立。2023年8月には、日本農林規格(JAS)の「日持ち生産管理切り花」の認証機関としても登録されています。
MPSジャパンは設立以来、一貫して環境負荷の低減と持続可能な花き産業の確立を目指したものでしたが、MPS認証には花き生産品の最終的な顧客接点である小売部門が含まれず、MPSの普及拡大には小売部門の理解や協力が重要な課題であると認識していました。
この度、花き小売業大手の日比谷花壇と包括協定を締結することで、生産部門や流通部門に、小売部門の協調体制を拡大することができ、MPSへの取り組みを花き業界全体で推進することが期待されます。また小売部門から消費者へMPS認証の花きを訴求することで、業界の環境負荷低減の取り組みを消費者へ伝え、サステナビリティへのニーズに応えることを目指します。
<MPSジャパン・日比谷花壇包括協定協力事項> ※一部抜粋
・MPS認証の普及と啓発活動
・環境負荷低減型花きの生産と調達拡大に関する連携
・生産者への認証取得と技術的な支援
・環境配慮型商品の共同開発
MPSジャパンは日比谷花壇との包括協定の締結によって環境配慮への取り組みを一層強化し、持続可能な生産体系の構築とサステナブルな業界の実現に資することを目指してまいります。
≪株式会社日比谷花壇 代表取締役社長:宮島浩彰 コメント≫
当社グループでは、卸部門を担うフレネットHIBIYAが国内で初のMPS認証(※)を取得し、花の日持ち保証、再利用可能なバケツを使用した環境配慮型物流の導入など、業界で先駆けて展開をしてまいりました。昨今、環境や働く人に配慮していない生産品は消費者から高品質と認めていただきにくくなっていると感じており、業界全体での早急な対応が必要だと感じています。今回の包括協定を機に、当社の事業を通じて環境負荷が少ないかたちで生産された花のニーズを世の中へ喚起・定着させ、ひいてはグリーンコンシューマーの育成に貢献したいと考えています。消費者の選択が変われば生産者や流通業者も環境認証の取得に取り組みやすくなるため、当社としても積極的に働きかけを行います。当社の環境方針では、MPS認証取得生産者の花の調達比率を高めるなどの数値目標を掲げており、その実現にはMPSジャパンの専門性が不可欠です。MPSジャパンと協調し、技術支援、調達・流通の改善や情報発信に全力で取り組み、小売と生産の信頼関係を基盤に、環境認証の普及と持続可能な花き産業の実現を全力で目指してまいります。
(※)花き流通業者の認証「MPS-GTP/Florimark GTP」
≪MPSジャパン株式会社 代表取締役:松島義幸氏 コメント≫
現在の花き業界は景気や需給面で厳しい状況にあり、また日本の環境対応は欧州などに比べ遅れているという認識を持っています。そのような中で、日比谷花壇が率先して持続可能な調達や環境認証の導入に取り組んでおられることを心強く感じています。当社は、オランダ発祥の国際認証制度MPSを提供しており、花き生産者の認証MPS‑ABCでは農薬・肥料・エネルギーなど五つの環境負荷項目を年間記録し、低負荷の取り組みを評価する仕組みを整えています。日比谷花壇が環境経営方針のKPIを設定し、MPS認証や花きの日持ち品質管理認証といった環境・品質認証を調達基準に組み込んでおられる姿勢を高く評価しています。これまで小売部門から環境対応を求める動きは少なかった中、正面から取り組まれていることは業界への大きな刺激になると考えています。今回の日比谷花壇との包括協定では、認証制度の普及や環境負荷低減型商品の共同開発、生産者への技術支援など多角的な協力を進める予定です。当社の国際ネットワークと専門性を活かし、国内外の生産者・流通関係者と連携してMPS認証参加者の拡大に努めたいと思います。本日を新たな出発点として、日比谷花壇と共に具体的な成果を上げるべく尽力いたします。
■MPSについて:https://mps-jfma.net/about

MPS財団(蘭Stichting MPS、英:MPS Foundation)により、花き生産の環境負荷低減認証機関として、1995年オランダで設立。当初は生産者のみを対象としていたが、現在では市場や流通も含め、「コンプライアンス」、「品質管理」、「トレーサビリティ」などの基準を含む複数の認証に幅を広げた。これにより、花き産業全体のサスティナビリティを向上させる認証に成長し、国際貿易分野での取得が推奨されている。
MPSとは「Millieu Programma Sierteelt」というオランダ語の略。日本語では「花き産業環境プログラム」と訳されるが、他の認証との合体によって、本来の単語の意味を越えた認証システムになったため、現在は『花き産業総合認証』と表現している。
■MPS-ABCについて:https://mps-jfma.net/about
MPSの生産者向け認証。世界50ケ国以上で3,500社を超える生産会社が参加する花きの国際取引におけるサスティナビリティの証明として最も一般的な認証制度および認証資格。認証参加者は自然環境や作業従事者の健康を守るため、危険な化学物質を使わず、農薬・肥料・エネルギー使用量の削減に努める義務がある。作物の栽培や防除・施肥などの記録はオンライン登録され、その評価により、A+(最も環境負荷が少ない)、A、B、Cの4ランクの認証が発行される。
■MPSジャパン株式会社について:https://mps-jfma.net/

日本の花き生産において、自然環境および作業従事者の健康を守るための農薬・肥料・エネルギーの使用の管理が十分でないことを業界課題ととらえ、MPS本部より承認を得て2006年に設立。国内でのMPSの啓蒙と、生産者向け「MPS-ABC」、市場向け「MPS-GPA」、流通向け「MPS-GTP」などの審査・認証を実施。その他、国内での花きの消費拡大のため、2014年には「花き日持ち品質管理認証制度」を確立。2023年8月には、日本農林規格(JAS)の「日持ち生産管理切り花」の認証機関としても登録された。
■株式会社日比谷花壇について:https://hibiya.co.jp/

1872年創業、1950年に東京・日比谷公園本店の出店後、株式会社日比谷花壇を設立。現在、全国約190拠点で展開。ウエディング装花、店舗及びオンラインショップでの個人/法人向けフラワーギフト・カジュアルフラワーの販売、お葬式サービス、緑を通じた暮らしの景観プロデュース、フラワーグラフィックサービス、地域のまちづくり事業等を行っています。今後も花や緑の販売、装飾にとどまらず、暮らしの明日を彩り、豊かなものへと変えていく提案を続けていきます。
【問い合せ先】
MPSジャパン株式会社
TEL: 03-3238-2702 MAIL: info@mps-jfma.net
〒102-0081 東京都千代田区四番町4-9 東越伯鷹ビル5F