土曜日, 7月 26, 2025
ホーム商品サービス2040年に向けたスマートビレッジ構想 新型ハウス×新しい生産体制×スマート農業を実証するルートレック・ファーム第二圃場の運営開始

2040年に向けたスマートビレッジ構想 新型ハウス×新しい生産体制×スマート農業を実証するルートレック・ファーム第二圃場の運営開始

スマートハウスパッケージの選択肢を拡充

ルートレック・ファーム2 内観

株式会社ルートレック・ネットワークス(本社:神奈川県川崎市 代表取締役社長:佐々木伸一、以下当社)は、基幹的農業従事者が2023年116万人から2040年には36万人に減少(*1)する予測への対応として、「スマートビレッジ構想」のビジョンを発表しました。当社が開発するゼロアグリシリーズを活用し、ルートレック・ファームの第二圃場として、長崎県壱岐市に足場管を利用したNNハウス×新しい生産体制(アスパラガス高畝)×スマート農業を実証する自社圃場(以下、ルートレック・ファーム2)の運営を開始しました。スマート農業技術をパッケージ化し、生産性の高い農業をモデル化することで、新しい農業での雇用創出とアスパラガス産地の売上拡大に貢献いたします。

今後も、意欲ある新規就農者が、スマート農業技術を導入しやすいパッケージを各地域で展開し、生産者の高齢化や後継者不足の課題解決と、農業の環境負荷低減を目指します。

(*1:出典 農林水産省、日本農業研究所)

■ルートレック・ファーム2における取り組み詳細

長崎県壱岐市は、農家の高齢化や担い手不足という課題を抱えており、収穫量の維持と拡大には新規就農者の増加が不可欠です。しかしながら、アスパラガスのハウス栽培はきめ細やかな水やり・施肥、防除、収穫作業等には長年の経験や人手による作業が必要となり、技術の習得に時間を要することや、夏場の高温多湿の作業は身体的な負荷も非常に高く、新規就農の妨げとなっています。そのため、データや自動化技術を活用した栽培の最適化や軽労化の実現が求められていました。

これら地域の要望の実現のため、スマート農業技術、新型ハウス、新しい生産体制をパッケージ化した新しい農業による解決を目指して、アスパラガスの新品種を含めた複数品種を2025年4月に定植し、現在栽培実証中です。

【スマート農業技術】

当社の新製品であるAI統合環境制御システム「ゼロアグリPlus」を導入し、地下部のかん水・施肥制御の自動化に加えて、地上部の環境制御も自動で行っております。ゼロアグリPlusは、日本の施設園芸市場の90%以上を占めるパイプハウス向けの統合環境制御システムとして開発されました。

ルートレック・ファーム2 設置したゼロアグリPlus

【新型ハウス】

農研機構西日本農業研究センターと香川県農業試験場が共同開発した建設足場資材を利用した片屋根新型ハウス(連棟タイプ)、通称NNハウスを採用しました。

NNハウスは、通気性が非常に高く、ハウス内気温が外気温並みに保たれることから、夏場の高温対策にも適切です。また、アスパラガスの樹は2~3m近く伸びますが、棟高が4mあるNNハウスではのびのびと育つことができます。ハウス上部に熱がこもりにくいため、アスパラガスとの相性も非常に良いハウスです。

構造材は、建設足場鋼管を使用しており、非常に太く丈夫であることから台風や強風にも強いです。全国的に流通している資材であるため、入手性やコストパフォーマンスも高く、足場管や周辺資材を取り扱っている施工業者や農家自らでも施工することが可能なことが特徴です。

ルートレック・ファーム2 NNハウス外観

【新しい生産体制】

従来の平畝栽培による労働負荷を低減するため、高畝アスパラガス栽培を採用しました。今回採用した片面だけを固定する片流れ式のタイプは、第一圃場で採用した軍艦巻きタイプよりも資材費及び施工費を抑え、通路幅も十分に確保することができ、夏場の高温多湿時期での収穫作業と防除作業の軽労化を実現しました。また、将来のロボットによる収穫や防除にも対応できる新しい生産体制となります。

ルートレック・ファーム2 片流れ式の高畝

また、防除に関しては、スワルスキーカブリダニ×スカエボラによる天敵と天敵温存植物を組み合わせ、アザミウマ類やコナジラミ類への害虫対策を行います。化学農薬だけでなく、天敵や防虫ネット、黄色LED等を組み合わせたIPM(総合防除:Integrated Pest Management)に取り組むことで、減農薬といった環境にやさしく持続可能な農業の実現も目指します。

ルートレック・ファーム2 スワルスキーカブリダニ×スカエボラ

本取り組みにより、新規就農者の増加やアスパラガスの売上向上に貢献するだけはなく、生産性の高い栽培手法をパッケージ化し、展開してまいります。また、様々な栽培方法の選択肢を農家に提供できるようにすることで、どのような状況でも自分に合ったスマート農業を取り入れられるようになり、農家の高齢化や後継者不足の課題解決にも貢献いたします。

■当社代表取締役佐々木のコメント

当社がスマート農業分野に進出した2013年から今日迄は、いわゆるスマート農業の黎明期ではないかと思います。この10年間で各ベンダーのアグリテックはイノベーター生産者には一定規模で導入されましたが、マジョリティ層への浸透には未だ至っていません。これは、農業市場の発展は、技術だけでなく、農業文化の親和と進化が同時に必要だからだと思います。過去10年間に400拠点の導入を経て学んできた知見を活かして、新しい農業をルートレック・ファームで実現したいと思っております。ルートレック・ファームが新しい農業文化のモデルとして、地方創生にも貢献できることを願っています。

■圃場見学の際のお問合せ先

以下リンクにてお問合せください。

https://www.zero-agri.jp/contact/

■ゼロアグリシリーズについて

2013年に販売を開始したAI潅水施肥システム「ゼロアグリ」は、2024年に累計出荷台数400台を超え、これまで多くの農業生産者の作業効率化や生産安定に貢献してまいりました。

ゼロアグリは、土壌センサーや日射情報から作物にとって最適な潅水、施肥量をAIが算出し、最適なタイミングで実施を行うスマート農業システムです。2024年7月には、ゼロアグリより簡易的な機能でより安いコストで潅水施肥制御を行うエントリーモデルの「ゼロアグリLite」、天窓・側窓の開閉やカーテン・循環扇・加温機・CO2施用機といった、地上部の環境制御まで可能なハイエンドモデルの「ゼロアグリPlus」もリリースいたしました。

生産者は、経営状況や課題、実現したいことに合わせて、必要なモデルを選ぶことができます。

当社の技術のつよみでもある「IoT活用による遠隔管理・サポート」、「データのクラウド管理」、「ソフトウェアの継続アップデート」はすべてのモデルに共通しており、更なるデータ活用型精密農業への移行や、栽培規模の拡大など、営農状況に合わせて柔軟にスマート農業システムをご活用いただくことが可能です。

導入作物実績:トマト、ミニトマト、キュウリ、イチゴ、アスパラガス、ピーマン、パプリカ、ナス、メロン、トルコギキョウ、ブドウ、ナシ、スイカ、マンゴー、レモン、ホウレンソウ、ニラ、イチジク、ブルーベリー、パイナップル

製品の詳細については、こちらをご覧ください。

https://www.zero-agri.jp/product.html

■ルートレック・ネットワークスについて

当社は、2005年の創業以来培ってきたM2M/IoT技術を活用して、2010年 総務省 広域連携事業の「ICTを利活用した食の安心安全構築事業」に採択されたことを契機として、明治大学黒川農場との共同研究を開始し、2013年にスマート農業事業に本格参入しました。2018年には、第4回日本ベンチャー大賞(農業ベンチャー賞 農林水産大臣賞)を受賞、同年 経済産業省よりJ-Startup企業、内閣府官邸 先進的技術プロジェクト「Innovation Japan」にも選出されました。

本リリースにおけるお問合せ先

株式会社ルートレック・ネットワークス

TEL:044-819-4711 E-Mail:mktg@routrek.co.jp

※記載されている会社名、製品名などの固有名詞は、各社の登録商標または商標です。

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