火曜日, 7月 22, 2025
ホーム調査レポート【農機具王】”命がけの夏”を乗り越えようとする農業従事者の声――猛暑が作物と農業現場に与えるリアルな影響とは

【農機具王】”命がけの夏”を乗り越えようとする農業従事者の声――猛暑が作物と農業現場に与えるリアルな影響とは

中古農機具の売買専門店である農機具王(本社:滋賀県近江八幡市、代表取締役:濱田 義郎)は「猛暑と農業のリアルについてのアンケート」を10代~70代の農業従事者(専業・兼業含む)を対象に実施しました。

2025年7月、日本列島は記録的な猛暑に見舞われました。その影響は、都市部の生活者だけでなく、炎天下で日々作業を行う農業従事者にとって「命を削るような夏」となっています。このたび、全国の農業従事者を対象に実施した調査により、現場のリアルな声と猛暑による影響の実態が明らかになりました。


■約8割超の生産者が「2025年の夏は例年以上に暑かった」と回答

「2025年の夏(7月以降)の気候について、どう感じていますか?」という質問に対し、以下のような回答が得られました。

「例年以上に暑かった」:143名(83.6%)

「例年と同じくらい」:25名(14.6%)

「よくわからない」:3名(1.8%)

全国的に“異常気象”を体感した生産者が大多数を占め、単なる体感ではなく、作業環境や作物への明確な影響が語られました。


■作物への影響:高温障害が最多(96名)、収量・品質にも深刻な打撃

農業従事者171名に「猛暑や天候不順により作物にどのような影響が出ていますか?(複数選択可)」を尋ねたところ、以下の結果となりました:

「高温障害による被害の増加」:96名(56.1%)

「収量の減少」:67名(39.2%)

「品質のばらつき」:61名 (35.7%)

「病害虫の増加」:51名(29.8%)

「成長の遅れ」:39名(22.8%)

「影響はない」:21名(12.3%)

複数の問題が重複して発生しており、「高温障害+収量減+品質低下」のトリプルダメージを受けた生産者も多く存在しています。

「暑さで作業がキツイ。高温障害により米の品質に影響が出そう、カメムシ被害も心配。」

「土壌の乾燥、今まであまり気にならなかった害虫の発生に困っている。」

「例年の秋に獣が田んぼに入ることがあったが、今年は早くも入られて一部イネを食われた。食われたのは初めてで、何の獣かわからない。」

「影響はなかった」とする回答も2割未満にとどまり、多くの作物が例年以上の気象ストレスを受けた実態がうかがえます。複数の問題が同時に発生しており、管理の難易度上昇・コスト増大・収益不安といった二次的影響が広がっています。


■人手不足と酷暑が重なり、“作業できない夏”に

「夏の農作業において人手は足りていますか?」という質問に対し、以下のような回答が得られました:

「やや不足している」:71名(41.5%)

「そもそも外部の人手は使っていない」:35名(20.5%)

「深刻に不足している」:18名(10.5%)

「足りている」:47名(27.5%)

特に「深刻に不足している」と「やや不足している」を合わせると、全体の52%が“人手不足”を実感しており、これは農業現場の継続性に直結する課題です。

「そもそも外部の人手は使っていない」という回答も2割に達し、地域や経営形態による“外部依存できない構造”の存在も浮き彫りになりました。

「高齢化+暑さ」により作業時間や作業人数が限られ、「時間があっても動けない」状況に陥っている生産者も少なくありません。


■スマート農業の導入は少数派 ―「導入予定なし」が65%超

「スマート農業(ドローン、防除ロボット、自動草刈り機など)の導入状況」についての質問では、以下のような回答が得られました:

「導入している」:18名(10.5%)

「導入を検討している」:31名(18.1%)

「導入予定はない」:112名(65.5%)

「そもそも内容をよく知らない」:10名(5.8%)

つまり、約4人に3人(71.3%)がスマート農業を導入していない、もしくは予定がない・知らない状態にあるという結果になりました。コスト面の不安や効果の不透明さに加えて、「情報が届いていない」「地域に導入事例がない」などの声も挙がっています。

スマート技術が暑さ対策の切り札となる可能性がある一方で、導入までの課題が多いため、今後は、「導入を検討している」18.1%の層に対して後押しとなる情報発信・支援制度の整備が鍵となりそうです。


■現場の声(一部抜粋)

「自然相手なのでどうしようもない状態。暑さに強い作物や稲に転換するか悩んでいる。」

「耕作者が年々減っているので、水路の維持管理、草刈り、土砂等の撤去が大変。」

「お米の値段が上がっているのはニュースでやっているが、肥料なども値上がりしていることも伝えてほしい。」

「米農家は時給換算にするとかなり安い上、身を削る思いまでして米を生産している立場から見て、米が高い高いと嘆いている世間に言いたい。今までが安すぎだったのです。」

「行政は大規模化ばかり進めてそこばかり補助事業を優先するが、地域は小規模農家で成り立っている。補助金でどうにかするのではなく、みんなが持続可能な制度を作って、地域を守って行ける政策に取り組んで欲しい。このままだと日本の農家は居なくなります。」

「米が高いと言うが農家自体は儲けてる感じはない。機械の更新さえままならない」

「農業は、一般的にきつい大変などと嫌われているが、食は国防でもあり、農地があることにより山や川、日本の国土が守られている事を知ってもらいたいし、興味も持ってもらいたい。」


■農業の未来を支えるために求められる支援

・暑さに強い品種の普及

・地域格差を考慮したスマート農業の導入支援

・若手農業者への教育・労働環境整備

・熱中症対策に関する研修や設備補助


 「農機具王」は今回の調査結果を受け、農業従事者の苦悩と課題を“販売の現場”でも強く実感しています。単なる中古農機の売買だけではなく、農家の暮らしと仕事を守る“現場目線の支援者”として機能したいと考えています。今回の調査を出発点として、農業の持続可能な未来のためにできることを、これからも追求してまいります。


【調査概要】

調査名:猛暑と農業のリアルについてのアンケート

調査対象:10代~70代の農業従事者(専業・兼業含む)

調査地域:全国

サンプル数:171名

実施時期:2025年7月上旬〜7月下旬

調査方法:インターネット調査


【会社概要】

会社名 :株式会社リンク

代表者 :代表取締役 濱田 義郎

本社  :〒523-0892 滋賀県近江八幡市出町652 六芳舎ビル2F

事業内容:中古農機具の買取・販売事業「農機具王」

農機具マッチングサービス事業

貿易事業、アグリスイッチ事業

URL  :https://noukiguou.com/

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