東京の地域特性や国際的な動向を踏まえた新たな事業モデルの構築を目指す
この度、都と国立大学法人東京農工大学は「都市型農業の新たなモデル」の構築を目指すことを目的に、協働事業実施に係る協定を締結しましたのでお知らせします。

■締結式出席者とコメント
・東京都 産業労働局長 田中 慎一(たなか しんいち)
東京の農業従事者の数は年々減少、また、平均年齢は65歳を超えている状況であり、今後も農業を持続可能とするためには担い手の確保はもとより、生産性の向上につながるデジタル技術の活用が不可欠です。
都はこれまでも「スマート農業」の推進に力を入れ、テクノロジーの力で農業の効率化と省力化を図る取組について後押ししてきました。
今回さらに、食の安全・安心を支える重要な産業である農業を次世代へとつなげていくために、この協定締結を契機とし東京が強みとする最先端技術なども取り入れた「都市型農業の新たなモデル」の検討を進めます。
・東京農工大学 学長 千葉 一裕(ちば かずひろ)
東京都とともに、都市型農業の新たなモデルづくりに取り組めることを大変嬉しく思います。
気候変動や生物多様性の喪失など地球規模の課題が深刻化する中、都市における持続可能な食料生産の仕組みを構築することは、重要かつ喫緊のテーマです。
本学は、農学、工学、生命科学をはじめとした多様な専門分野が連携する学際的研究に強みを有しており、本協定を契機に「東京モデル」と呼べる先進的な都市農業のあり方を創出し、その成果を国内外に発信してまいります。
■知事記者会見での発言
東京の農業をDXで強化することといたしましたのでお知らせを申し上げます。
まさに今日、東京農工大学と都が協定を締結をいたしました。これの背景には人口減少、少子高齢化、そして緊迫する国際情勢、また気候変動など、先行きを見通せない状況にあって、農業においても担い手がいない、その確保に苦労している、食料自給率の向上を図らなければならない、また環境への配慮といった様々な問題に向き合う必要がございます。
一方でデジタル技術は、これは日進月歩で進んでおります。
農業分野にDXを積極的に取り入れることで、生産の質と量を高める。
そして都民の食の安全・安心の確保につなげていきたい。
そこで農業とテクノロジーを掛け合わせる、いわゆるアグリテックを推し進めまして、東京ならではの都市型農業の新たなモデルの構築に取り組んでまいります。
この4月に私、東京農工大学、訪問しております。
産学の連携拠点、またアニマルウェルフェアを重視した鶏小屋ですね、鶏舎を視察をいたしております。
人も動物も含めまして、持続可能な農業にアップデートしていくべきという思いに至ったところでございます。
早速、来月からこのDXを活用した農業、そして養鶏に関しましてのフィージビリティスタディ、FSを開始いたします。
また、農工大が作りますコンソーシアムに参画をしまして最先端の技術の動向、また市場ニーズなどの情報を集めて政策の立案につなげてまいります。
【協定の概要】
1 協定名
大学との協働による「都市型農業の新たなモデル」の構築に向けた事業実施に係る協定
2 主な協働事業の内容
事業性の検証に関する調査研究
○大学は、以下の観点から、調査研究を行うものとするとともに、関係機関や民間事業者、学識経験者など、産学公の知見を集約する会議等を開催する。
<主な観点>
・ステークホルダー(行政、企業等)へのヒアリング及びニーズ把握
・国内外の関連制度・政策・技術の動向調査
・事業モデル(仮説)の構築及び社会実装可能性の検証
・収支モデル(仮説)の構築及び資金調達手法の検討
・イノベーション・技術開発動向(国内外)の整理
・特許・知的財産の棚卸と戦略的活用の可能性整理
○東京都は、これらに要する経費を負担する。
3 協定締結日
令和7年7月18日(金)
【参考:東京農工大学について】
(1)開学:昭和24年
(2)学生数:5,945名 ※大学院生含む(令和7年5月1日現在)
(3)キャンパス:府中キャンパス(府中市幸町三丁目5番8号)、小金井キャンパス(小金井市中町二丁目24番16号)