贈答用の高級奈良漬として人気

令和7年7月17日(木曜日)、高槻市の塚脇地区では、この日も市の特産品「服部越瓜(しろうり)」を使った奈良漬けを作るための漬け込み作業が行われていて、作業の最盛期を迎えています。
服部越瓜は、同市塚脇、西之川原、宮之川原、浦堂などの塚脇地区周辺(旧服部村周辺)だけで栽培される伝統野菜です。例年7月初旬から出荷が始まり、長さ約40センチ、重さ800グラム程度に成長。頂部がくびれ、薄緑色に淡い白縞があり、シャキシャキした食感が特徴です。平成17年度には、府内で概ね100年前から栽培されてきた大阪独自の品種の野菜として認証する「なにわの伝統野菜」に、同20年度には府が推進する魅力的な地域資源を登録する「大阪ミュージアム」にも選定されています。
服部越瓜は、各家庭で漬け込んで食卓にのぼるほか、地元の漬物業者に出荷している農家もあり、贈答用の高級奈良漬として例年8月前半には販売が始まります。
奈良漬け用のシロウリは、早朝に畑で収穫され、すぐに出荷。半分に割って種を取り除いたあと、一晩塩漬けし、さらに1日かけて塩抜きをします。その後酒かすなどを使って木のたるに何層にも漬け込まれ、およそ1か月で奈良漬になります。
この日、塚脇地区の宮之川原元町にある清水屋酒店では、店主の入江三郎さんが、前日から塩抜きしたシロウリに手で酒かすを練りこみ、木のたるに一列に並べるという一連の作業に精を出していました。入江さんは「服部越瓜の奈良漬けは、少し浅く漬けて黄金色になるのが特徴。たくさんの人に食べてもらいたい」と話していました。