リアルタイムの位置情報共有により、出動したハンターと自治体職員2名が互いの状況を正確に把握。安全を確保しながら、迅速な対応を実現しました。
エゾウィン株式会社(本社:北海道標津町、代表取締役:大野 宏、以下「当社」)は、市街地に出没するクマへの対策を強化し、住民の安全を確保するための、野生鳥獣対策DXソリューション「クマハブ」が、北海道・標津町におけるヒグマの緊急出動時に活用され、ハンターの安全確保と迅速な駆除活動に貢献したことをお知らせします。今回の事例は、デジタル技術が、経験豊富なハンターの持つ技術と判断を、いかに効果的に支援できるかを示す好例となりました。

■野生鳥獣対策DXソリューション「クマハブ」とは
「クマハブ」は、市街地などにおけるクマ出没時の、複雑な課題を解決するために開発された、野生鳥獣対策の統合ソリューションです 。
クマ出没時には、自治体、警察、ハンターなど多数の関係者が関わりますが、それぞれが独自の無線システムで通信するため、組織を横断したリアルタイムな情報共有が極めて困難でした 。
「クマハブ」は、この「縦割りの壁」を解消します。高精度GPSロガーと情報共有ソフトウェア「レポサク」、専用タブレットなどをパッケージで提供 。これにより、関係者全員が手元のスマートフォンやタブレットで、出動したハンターやクマの目撃地点といった重要な情報を、一枚の地図上でリアルタイムに共有できる体制を構築します 。

■当日の対応概要(タイムライン)
今回の駆除活動は、まさに時間との戦いでした。出没の一報から対応完了まで、状況はリアルタイムに「クマハブ」を通じて共有され、迅速な意思決定を支えました。
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16:56
標津町川北エリアにヒグマが出没したとの連絡が入り、即座に関係各所へ情報共有。「クマハブ」を起動し、ハンター2名が現場へ。
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17:13
現場に到着したハンターは、互いの位置を「クマハブ」の地図上で常に確認しながら、慎重にヒグマを追跡。周囲の安全を確保しつつ、最適な位置取りで張り込みを開始。
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17:20
ハンター同士が互いの射線や立ち位置を正確に把握した上で、安全を完全に確保し、2頭のヒグマを駆除。出没覚知からわずか36分での、迅速な対応完了となりました。

■「クマハブ」が、ハンターの“眼”となり、連携を支えた
市街地近郊での駆除活動は、二次被害のリスクも伴う、極めて緊迫した状況下で行われます。従来、このような場面でのハンター同士の連携は、互いの声と経験に頼らざるを得ませんでした。
今回の事例では、出動した2名のハンターが、それぞれのスマートフォンで「クマハブ」の地図画面を共有。これにより、「相方が今、どの位置にいるのか」「自分は、どう動くべきか」という、最も重要で、かつ把握が難しい情報を、一目で、そして正確に理解することができました。
リアルタイムな位置情報の共有が、ハンターの皆さんが持つ長年の経験と卓越した技術を最大限に活かすための、いわば「第3の眼」として機能。安全な距離と位置関係を保ちながら、確実な包囲網を形成するという、的確なチームワークを可能にしました。
■自治体職員のコメント
「現場に配置した直後、お互いの位置は経験と無線連絡で頭の中で想定は出来ていたものの、航空写真とお互いの位置関係が見れるクマハブで確認することで、再確認することができた。平日のヒグマ対応では、対応人数も限られ、少ない人数で対応に当たることが多い。また、ヒグマの繁殖期となる7月は、多くのヒグマが活動し、オスヒグマから逃れようとする当歳仔を連れた親子グマも頻繁に出没する。一方、草木が生い茂るこの時期は、ヒグマの移動経路となる沢筋や防風林など、見通しが効かないこの時期は、追い払いや捕獲作業に特段の注意が必要となる。現場を指揮するハンターや自治体職員には、クマハブのような周辺画像と関係者の位置関係が瞬時にわかるツールは、我々にとって大きな手助けとなるであろう。」
■今回の成功事例が示す、新しい鳥獣被害対策の可能性
本件は、単なる駆除成功事例ではありません。熟練ハンターの「腕」と、現代の「DX技術」が融合することで、鳥獣被害対策が、より安全に、より迅速に、そしてより確実になることを証明した標津町のモデルケースです。
当社は、今後も「クマハブ」を通じて、ハンターの皆様の活動を支え、地域住民の皆様の安全・安心な暮らしに貢献してまいります。
■自治体向け・製品に関するお問い合わせ
全国で深刻化するクマ被害に対し、住民の安全確保は自治体にとって喫緊の課題です。エゾウィンは、本ソリューション「クマハブ」の導入が、その重要な一助となると確信しています。
製品の詳細や、現場の課題に合わせた具体的な活用方法のご提案、また、導入にあたっては国の鳥獣被害防止総合対策交付金等を活用した費用負担の軽減についてもご相談いただけますので、鳥獣被害対策をご担当の皆様は、ぜひ下記までお気軽にお問い合わせください。
■エゾウィン株式会社について
日本最大の酪農地帯が広がる北海道東部の標津町(しべつちょう)で、2019年に創業。
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2022年:令和4年度農林水産技術会議会長賞を受賞
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2023年:J-Startup HOKKAIDOに選定
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2023年:イチBizアワード最優秀賞を受賞
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2024年:CEATEC AWARD 2024『コ・クリエイション(共創)部門賞』を受賞
○私達のミッション
「2021年に130万人いた農業従事者は、2040年には35万人にまで減少。日本の食糧生産は危機に瀕しています。エゾウィンは、北海道から国内最大の完全自動化農場を目指し、日本の食を支えます。」
■会社概要
名称:エゾウィン株式会社
設立:2019年1月
代表者:代表取締役 大野宏
住所:北海道標津郡標津町川北63-7
レポサクの商品一覧ページ:https://ezowin.com/products