火曜日, 7月 15, 2025
ホーム商品サービス【「生きた土」を次世代へ】リジェネラティブ農業のための農機具を開発しました

【「生きた土」を次世代へ】リジェネラティブ農業のための農機具を開発しました

自然と共に農業を再生する「耕さない農業」のための農機具の誕生

リジェネラティブ農業のための不耕起栽培用ローラー

株式会社エイコーウェルネス(代表取締役:小船井健一郎、本社:北海道帯広市)は自然と共に農業を再生する「リジェネラティブ農業」のための不耕起栽培用ローラークリンパーをアグリシステム株式会社(代表取締役社長:伊藤英拓、本社:北海道河西郡芽室町)と共に開発し、実証実験を行いました。

「生きた土」のための農業

「生きた土」を次世代に継いでいきたいーー。

その想いのもと、リジェネラティブ農業のための不耕起(省耕起)栽培用ローラークリンパーを共同開発しました。

「リジェネラティブ農業」は日本では実験段階ですが、有機農家や先進企業によって徐々に広がりつつある農法です。この農法は、農薬や化学肥料を極力使わずに土壌を再生・改善しながら、生物多様性を保護することを目的としています。これは「生きた土」を、次世代に引き継ぐためのプロジェクトです。

リジェネラティブ農業と不耕起栽培

リジェネラティブとは「環境再生」と訳されています。

リジェネラティブ農業は、主に不耕起栽培や緑肥、カバークロップ(被覆作物)、放牧などを通じて、健全な土壌を再生することを目的とした農法です。この農法では、土壌の有機物を増やすことでCO2を貯留し、気候変動を抑制する効果も期待されています。

不耕起栽培は、リジェネラティブ農業のための主要な農法です。

不耕起栽培とは、土を耕さずに作物を育てる農法です。まず残渣(前作物や草)を残したうえに、カバークロップで覆い、そこからローラークリンパーで倒伏処理を施します。この手順を踏むことによって、土をかき乱さずに土を覆うことができます。

健全な土壌6原則

リジェネラティブ農業の第一人者ゲイブ・ブラウン氏は、著書『土を育てる』のなかで「健全な土壌6原則」を提唱しています。今回の不耕起栽培用ローラークリンパーは、ゲイブ・ブラウン氏の提唱した以下の「健全な土壌6原則」を前提に開発されています。

1. 土をかき乱さない

土を機械的、科学的、物理的になるべくかき乱さないこと。耕すことで土の団粒構造は破壊され、水分浸透速度は低下し、有機物の分解が早まる。大量の化学肥料・除草剤をまき続けることでも土壌の構造と生態系の働きが破壊される。

2.土を覆う

土を植物で覆うことで雑草を抑え、土の温度を適正に保ち、水の蒸発を減らし、土壌の有機物となり、無数の微生物の住みかとなる。雨水による表土流出が守られる。世界的に問題となっている風食も防げる。

3.多様性を高める

輪作作物の種類を増やす、数種類のカバークロップで多様性を高めることで炭素の循環が劇的に改善する。生態系の機能が強化される。異なる機能群の植物を増やすことが重要。豆科などをバランスよく合わせて、炭素率の高い品目ばかり栽培しない。

4.土の中に「生きた根」を保つ

年間を通し、土の中にできるだけ長く「生きた根」を保つことが重要。炭素供給を続けてくれるので、収穫後に次の作物やカバークロップなどをただちに播くことが養分循環につながる。また菌根菌を増やすことになり植物の養分吸収が増える。

5.動物を組み込む

家畜が植物を食べて刺激を与えることで、土により多くの炭素が送り込まれる。炭素の循環量が増え、大気中の炭素を大量に地中に固定することで気候変動に対するメリットになる。

6.背景の原則

気候や降水量、歴史的背景、土地にあった品目・家畜。

ゲイブ・ブラウン『土を育てる』

不耕起栽培用ローラーの特徴

エイコーウェルネスの不耕起栽培用ローラークリンパーは、主に4つの特徴を備えています。

不耕起栽培用ローラークリンパーは、「ライ麦を倒す場合は切断せずにしっかり倒すこと」「倒したライ麦が起き上がってこないこと」が重要です。

全長3mの不耕起栽培用ローラー

全幅3mで広い圃場でも効率よく倒せる

エイコーウェルネスの不耕起栽培用ローラークリンパーは全幅3mで、一度に倒せる幅が広く、効率よく作業を行うことができます。

左:サブローラー 右:メインローラー

二つのローラーでより強くライ麦を倒せる

サブローラーで大まかにライ麦を倒し、24個の歯がついたメインローラーが一枚一枚のブレードで確実にライ麦を倒す2段階構造です。

白い集草板がライ麦を集める

集草板でライ麦をローラーに集められる

ライ麦を内側に寄せるための集草板が付いています。

水を入れることで重量調整が可能

水を入れることで重量調整できる

不耕起栽培用ローラークリンパーは重量でライ麦を倒しますが、メインローラーは中空部分に水をいれることで重量を増し、より強く倒すことができます。

実証実験の様子

2025年6月16日に行われたライ麦の圃場での実証実験では、ライ麦が押し倒され、土を覆っている様子が確認できました。

「倒れたライ麦で土をしっかり覆っている状態」が理想的な押し倒しの状態ですが、理想的な状態に近く倒れていることが確認できました。今後は倒したライ麦が時間の経過で再度起き上がってこないかなどの経過を観察する予定です。

150cm~180cmほどの高さがあるライ麦
ローラークリンパ―通過後はしっかり倒れている
2つのローラーがライ麦を倒している
たおれたライ麦が土を覆っている様子
https://www.youtube.com/watch?v=Rs2u4qr6qpQ“>

実証実験動画のようす(動画)

企業情報

株式会社エイコーウェルネス

株式会社エイコーウェルネスは2021年に設立した、株式会社エイコーのグループ企業です。農機具部門では、肥料分配機など技術とアイディアで農業をラクにする製造・販売しています。

https://eiko-wellness.co.jp

アグリシステム株式会社

アグリシステム株式会社は「未来の子どもたちのために」という企業理念のもと、農業コンサルティングや小麦などの製造、オーガニック食品の販売などの事業を行っている企業です。

https://www.agrisystem.co.jp/

RELATED ARTICLES

返事を書く

あなたのコメントを入力してください。
ここにあなたの名前を入力してください

Most Popular

Recent Comments