火曜日, 7月 8, 2025
ホームイベント【イベントレポート】トップシェフ33名が集結した食の祭典「THE BLUE FEST」チケットは4時間で完売、大盛況のうちに閉幕!260名が来場し、サステナブル・シーフードと食の未来を体感

【イベントレポート】トップシェフ33名が集結した食の祭典「THE BLUE FEST」チケットは4時間で完売、大盛況のうちに閉幕!260名が来場し、サステナブル・シーフードと食の未来を体感

約30種の魚種を使用した30メニューを提供

一般社団法人Chefs for the Blue(東京都渋谷区/代表理事:佐々木ひろこ)は、2025年6月8日(日)の世界海洋デー(World Ocean Day)に合わせ、海と魚食文化の未来を見つめる食の祭典「THE BLUE FEST/ブルーフェス」を開催いたしました。
プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000064142.html

 本イベントは、Chefs for the Blueのメンバーであるトップシェフの多くが一堂に会する、設立以来初の大規模イベントとなりました。トップシェフらによる渾身の魚介料理や、シェフや水産事業者、クリエーターによるトークセッションを通じて、海に育まれた豊かな食を存分に楽しんでいただくことはもちろん、日本の海や水産業の現状、またこれまでの法人活動の成果を皆さまにお伝えし、海と食文化の未来をともに考える貴重な機会となりました。

またチケットは販売開始からわずか4時間で完売。当日、東京大学生産技術研究所内にあるダイニングラボ 【食堂コマニ】には260名もの方々にご来場いただき、トップシェフ33名が腕を振るったサステナブル・シーフード料理も大変な好評を博し、大盛況のうちに幕を閉じましたことをご報告いたします。

■前代未聞のスケールで実現した、トップシェフ達による「サステナブル・シーフードのお披露目」

本イベントでは、ジャンルや店舗の枠を超えた33名のトップシェフ達が、この日のために考案した「美味しくて海にやさしい一皿」を提供。資源管理に取り組む漁業者が獲った水産物や、資源量が豊富な魚種、またこれまであまり活用されてこなかった低利用魚種などを活用した料理の数々に、来場者からは驚きと感動の声が上がりました。

今回のイベントは、シェフや団体の活動を応援してくださる方々、そしてメディア関係者に向けた、私たちの活動の「ショーケース(お披露目)」として開催しました。シェフたちの想いが込められた料理を通じて、日本の海の豊かさと、それが今直面している課題、そして未来への可能性を五感で感じていただく機会となりました。

<開催の背景・問題意識について>

出所:水産庁「令和6年度水産白書」図表2-1

 日本の漁業・養殖業の生産量は1980年代の3分の1以下まで落ち込み、沿岸漁業だけでも6割以上が減少しています。そのため市場に流通する魚は激減し、価格も他の食材に比べて極端に高騰しています。飲食店にとっても、魚を安定的に仕入れ、提供すること自体が難しくなりつつあるのが現状です。

 「和食」が2013年にユネスコ無形文化遺産として登録されてから、10年以上が過ぎました。四方を海に囲まれた日本で、魚介を使った様々なジャンルの料理の提供は、私たち日本人の食生活や健康を豊かにしてきました。またインバウンドの外国人にとっても、魚介料理は日本を訪れる大きな目的となっています。しかし日本では今、こうした“魚のある食卓”が失われつつあるのが現状です。この危機的状況を前に、Chefs for the Blueではトップシェフらが集い、学びを深め、魚の使い手の立場から海の未来を守る方法を考え、発信していくことを目的に活動してきました。「THE BLUE FEST」は、Chefs for the Blueの33名のトップシェフが集結し、美味しい魚介を主役にした渾身の料理を提供すると同時に、水産事業者やクリエイターとともに、海のサステナビリティについて考える場です。

■当日の提供メニュー

【シンシア】石井 真介

「海光物産大野さんの瞬〆スズキのパイ包焼き」
(使用魚種:【海光物産】のスズキ)

【八雲茶寮】 梅原 陣之輔

「キハダのきらすまめし 黄飯」
(使用魚種:【さかな人】のキハダマグロ)

【恵比寿 えんどう】 遠藤 記史
【日本橋蛎殻町すぎた】 杉田 孝明
【鮨 やすみつ】 綿貫 安秀
「大西洋クロマグロ– 伝統が未来と出会う、その瞬間」
(使用魚種:【第一昭福丸】の大西洋クロマグロ)

【ラ・カーサ・ディ・テツオ・オオタ】太田 哲雄
【クラフタル】大土橋 真也
「岩魚とカカオのビビン麺」(使用魚種:イワナ)

【茶禅華】 川田 智也
「白海老と伊勢海老を詰めた脆皮手羽先」
(使用魚種:イセエビ、【富山湾しろえび倶楽部】のシロエビ)

【メログラーノ】 後藤 祐司
「大西洋クロマグロとレモンのタリオリーニ」
(使用魚種:【第一昭福丸】の大西洋クロマグロ)

【アムール】 後藤 祐輔
「チヌのフィッシュボール 茸と新玉ねぎのスープ」(使用魚種:クロダイ)

【チェンチ】 坂本 健
「きゅうりと新生姜のリゾット アカエイの麹漬けとパクチー」
(使用魚種:藤本純一さんのアカエイ)

【ドンブラボー 】 平 雅一
「北海道産 天然サクラマスの冷製パスタ」
(使用魚種:南かやべ地区の天然サクラマス)

【慈華】 田村 亮介
「 ヨシキリザメの麻婆豆腐 」
(使用魚種:【気仙沼遠洋漁業協同組合】のヨシキリザメ)

【コンヴィヴィオ】 辻 大輔
「虫明の牡蠣を使ったラザーニャと山椒」
(使用魚種: 【マルト水産】のマガキ)

【レーヌ デ プレ】 中原 文隆
「スープドポワソン」(使用魚種:ヒラメ、マダイ、マアジ、ホタテガイ)

【そ/s/KAWAHIGASHI】 中東篤志
「アイゴと若狭わかめ」(使用魚種: アイゴ、ワカメ)

【ラ・ボンヌ・ターブル】 中村 和成
「真鰯のマリネ、フェンネルのサラダ」(使用魚種: マイワシ)

【中むら食堂】 中村 拓登
「真鰯の酢締め 炙り燻製」(使用魚種: 北海道広尾町のマイワシ)

【コケ】 中村 有作
「ニシン月桃マリネのコカ」(使用魚種: ニシン)

【ビーニ】中本 敬介
【チェネッタ・バルバ】 藤田紘一
「水蛸のラグーとポレンタビアンカ」(使用魚種:小笠原宏一さんのミズダコ)

【リストランテ ナカモト】 仲本 章宏
「アンニョロッティ、サワラのトマト煮込み」(使用魚種:サワラ)

【Bistrot 64 Japan】 能田 耕太郎
「アカエイとブロッコリーのローマ風スープ」(使用魚種:藤本純一さんのアカエイ)

【鰻 はし本】 橋本 正平
「鰻タレの牡蠣のオイル漬」(使用魚種:【ファームスズキ】のマガキ)

【てのしま】 林 亮平
「豪快鰹わら炙りたたき、てのしま流アジフライ」(使用魚種:【さかな人】のカツオ、マアジ)

【パーラー江古田】 原田 浩次
「魚肉ソーセージのHotDog」(使用魚種:その時に獲れた魚を使用/シイラ)

【御料理ほりうち】 堀内 さやか
「宍道湖のしじみと山菜の煮麺」(使用魚種:【宍道湖漁業組合】のシジミ)

【レストラン モトイ 】 前田 元
「インディーズ魚のシュウマイ」(使用魚種:【つる一】の低利用魚)

【ラ ペ】 松本 一平
「さかな人」長谷川さんの低利用魚の白ワイン蒸し ブールブランソース」
(使用魚種:【さかな人】のブダイ)

【ラチュレ】 室田 拓人
「フィレオMADAIバーガー 」(使用魚種:【大瀬戸水産】のマダイ)

【チョンプー】 森枝 幹
「マグロのおすしみたいなやつ」(使用魚種:スイカを魚に見立てたため、なし)

【ドロワ】 森永 宣行
「そば粉のガレット ダルスと鰯」(使用魚種:ダルス、マイワシ)

【ノー・コード】 米澤 文雄
「チカメキントキのトスターダ」(使用魚種:【フラットアワー】のチカメキントキ)

■トークセッションについて

当日は、お招きした漁業者の方々やメンバーシェフによる、トークセッションも開催しました。いま海で何が起きているのか、どのような思いで活動しているのか、それぞれの当事者の力強い声でゲストにお伝えしました。

また、Chefs for the Blueの新しいロゴがこの日お披露目となりました。トークセッションにおいても、ロゴを制作したアートディレクターとデザイナーとともに、そこにこめた思いをお伝えしました。


登壇者(すべて五十音順):

テーマ①:Chefs for the Blueの8年 これまでとこれから
【シンシア】石井真介、【八雲茶寮】梅原陣之輔、【茶禅華】川田智也、【メログラーノ】後藤裕司、【日本橋蛎殻町すぎた】杉田孝明、【レストランモトイ】前田元、【ラチュレ】室田拓人、【チョンプー】森枝幹【ドロワ】森永宣行

テーマ②:作り手と食べ手をつなぐ:料理人の役割
【ビーニ】中本敬介、【てのしま】林亮平、【パーラー江古田】原田浩次、【御料理ほりうち】堀内さやか、【ラペ】松本一平、【ノーコード】米澤文雄

(以下、生産者)

小笠原宏一(北海道苫前町 漁業者)、桑原正樹(島根県松江市 宍道湖漁協職員)、長谷川大樹(神奈川県横須賀市長井漁港 仲買人)

テーマ③:新ロゴ発表:ロゴにこめた想いと未来像
(デザイナー)木住野彰悟、【チェンチ】坂本健、【八重洲 鰻 はし本】橋本正平、(美術家)ミヤケマイ

◾️新ロゴについて

新ロゴのテーマは、「つながり」です。

緑の山や青い波、そして魚網にも見えるデザインが意味するのは、山から川、海へと流れる水や栄養分のつながり、魚が海から食卓までを旅する流通のつながり、歴史のなかで受け継がれてきた技術や食文化のつながり。そしてその輪の中心にあるのが、たくさんの「魚」と「人」(90度横にしてご覧ください)です。さらに、テーマカラーの青と緑は日本の伝統色から選んだもので、日本の山と海を表現しています。

■参加者の声
・「漁師、仲買人、シェフによるトークセッションを通じて、作り手から届け手、そして私たち消費者までが繋がっていると強く感じ、非常に印象的でした。」

・「第一線で活躍されるシェフの皆様が、日々料理と向き合う中で抱いている食材への危機感を、一人ひとりの真摯な言葉から深く感じ取りました。美味しい料理の背景にある問題意識と取り組みに触れ、お店に伺いたい、心から応援したいという気持ちで満たされる時間でした。」

・「今までで一番感動したイベントかもしれません。シェフや漁師の方々が、目を輝かせながら楽しそうに料理や漁の話をされる姿は、難しい言葉以上に魅力的で、心から『かっこいい』『素敵だな』と感じました。」

・「畑での食育とは違い、普段はなかなか近づけない『海』の世界。今回は『美味しさ』を通して、その世界に招き入れてもらえた感覚です。水揚げが減っているという現実を、食の魅力を通して伝えようとする方々の想いに触れ、自分もこの問題に関心を持ち、応援していきたいと強く思いました。」

■シェフの感想(一部抜粋/五十音順)
【シンシア】オーナーシェフ 石井真介
同じ志を持つシェフが一堂に会し、共に料理をする日を夢見ていました。私たちは単なる友人ではなく、同じゴールを目指す仲間。その熱い想いと繋がりこそが、私たちの活動を支える絆になっていると改めて実感できた一日でした。

【メログラーノ】オーナーシェフ 後藤祐司
シチリア島での修業経験から、日本の魚介の美味しさは世界に誇るべきものであり、料理人にとって最大の特権だと感じています。この豊かな恵みを、30年後の料理人たちも当たり前に扱える未来を創ることが、今を生きる私たちの重要な責務だと思っています。

【チェンチ】オーナーシェフ 坂本健
このイベントは、日本の水産資源の未来にとって大きな一歩を踏み出す日になったと感じています。近年、水産資源への社会的な関心が高まっていることを肌で感じており、この食文化を未来に繋ぐため、国民全体で考えるきっかけを一日でも早く作りたい。今日のイベントは、そのための非常に大きな意味を持っていたのではないでしょうか。

【慈華】オーナーシェフ 田村亮介
本日ご参加くださった皆様は、食や環境に対して特に意識の高い方々だと思います。イベントで見聞きし、感じていただいたことを、ぜひ周囲の方々にも伝えていっていただきたい。皆様一人ひとりが発信者となり、この輪を広げていくことを心から願っています。


<イベント概要>

イベント名:THE BLUE FEST(ブルーフェス)

開催日:2025年6月8日(日)
会場:Dining Lab 食堂コマニ(東京都目黒区駒場4-6-1 東京大学駒場リサーチキャンパス内)

共催:一般社団法人Chefs for the Blue/東京大学生産技術研究所ダイニングラボ

協力:食堂コマニ

時間:
第1部 12:00〜15:00(受付11:30〜)
第2部 18:00〜21:00(受付17:30〜)
※各回125名、合計250名を予定しております
※16:00〜17:00にはメディア関係者をお招きし、プレス会を予定しております

参加費:22,000円(税込/料理+ドリンク オールインクルーシブ)

イベントの内容:

・料理提供(約30名のトップシェフによる魚介料理ブッフェ)
・ドリンク提供(ワイン、日本酒、ウイスキー、ノンアルコールドリンク類など)

・トークセッション(各部3セッションを予定)

■多くのメディアでも紹介
本イベントの開催にあたり、多くのメディアでその趣旨や活動を取り上げていただきました。

80C:THE BLUE FEST開催|これから日本の海と食はどうなる?シェフ・漁業者・消費者が語る未来

朝日新聞デジタル

Yahoo!ニュース

Sustainable Brands Japan:魚が手に入らない――水産資源の危機に立ち上がった料理人たち

■今後の展望
料理人は2つの手を持っていると言います。1つの手は生産者と結ぶ手、もう1つの手は生活者、食べ手とつなぐ手。この2つの大切な世の中の構成員を ダイレクトでつなぐことができる立場にある人は、世の中にそういません。 長いサプライチェーンの中で端っこと端っこを、確かに目に見える範囲で繋ぐことができる料理人だからこそできることはとても大きいと感じています。「THE BLUE FEST」の成功を大きな一歩とし、Chefs for the Blueはこれからも、シェフ、生産者、生活者、企業、そしてメディアの皆様と共に、ムーブメントをさらに広げ、豊かな海と食文化を未来に繋ぐための活動に邁進してまいります。

<一般社団法人Chefs for the Blueについて>

Chefs for the Blueは、2017年5月、日本の水産資源の現状に危機感を抱いたフードジャーナリスト佐々木ひろこの声がけに応え、東京のトップシェフ約30名が集まりスタートさせた海についての深夜勉強会を起点とする料理人チームです。2021年9月には京都チームも発足。「日本の豊かな海をとり戻し、食文化を未来につなぐ」ことを目標に、研究者やNGO、政府機関などから学びを得ながら、持続可能な海を目指した自治体・企業との協働プロジェクトや各種ダイニングイベント、海の未来を担う次世代の教育事業、飲食業界を中心とした海の学びのためのコミュニティ運営、国への政策提言等を行っています。

【概要】

法人名 :一般社団法人Chefs for the Blue (シェフス フォー ザ ブルー)

設立日 :2018年6月6日(活動開始は2017年)

住所  :東京都渋谷区千駄ヶ谷3-7-13東急アパートメントB1

代表理事:佐々木ひろこ フードジャーナリスト

理事  :岸田周三【カンテサンス】 オーナーシェフ
     石井真介【シンシア】オーナーシェフ
     米澤文雄【ノーコード】オーナーシェフ

     坂本健【チェンチ】オーナーシェフ
     花岡和佳男「シーフードレガシー 」代表取締役社長

相談役 :村田吉弘【菊乃井】主人

公式HP:https://chefsfortheblue.jp/

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