地方経済が都市部から自立するためには、発想を変えていく必要があります。
(本書は明治大学政治経済学部の奥山雅之教授と、NPO法人ZESDAとの共同で企画・制作した書籍です)
■グローカルとは、グローカルビジネスとは
グローカル“Glocal”とは、グローバル(Global:地球規模の、世界規模の)と、ローカル(Local:地方の、地域的な)を掛け合わせた混成語です。
グローバル × ローカル = グローカル
そしてグローカルビジネスとは、地域のさまざまな資源(特産品、観光資源やさまざまな人的資源)を活用した製品・サービスをグローバル市場へ展開するビジネスのことを指します。
この10年、都市部への人口流出などで疲弊した地域経済の自立を促すべく「地方創生」が唱えられ、地方部への移住促進政策などが進められてきました。2021年11月に発足した岸田政権にもその路線は引き継がれ、デジタル技術の普及を通じて地方と都市の差を縮める「デジタル田園都市国家構想」が注目されています。
また新型コロナウイルスの感染拡大、デジタル技術の進展に伴うテレワークの広がりなどを背景に、地方部への移住を検討する人も増え始めています。
しかし、肝心なのは「地方に稼げる仕事があること」です。そして、そのためには地場市場や近隣都道府県とのビジネスだけでなく、より広く「海外」とのビジネス(=グローカルビジネス)を視野に入れていく必要があるでしょう。
■グローカルビジネスに挑戦する環境は整っている……でも実際に「はじめの一歩」を踏み出すには?
これまで中小企業および小規模ビジネスを営む個人にとって「海外進出」には高いハードルがあると思われていました。「輸出」といえば、大企業のような巨大資本がなければできない、というイメージが根強くあったのです。
しかし現代は越境EC(インターネットを活用して、日本国内から海外へ向けて商品を販売する電子商取引)や翻訳AIなどのテクノロジーも発達しているため、巨大資本がなく、語学に堪能でなくとも、海外市場に製品・サービスを展開することが可能になってきています。
ただ、ハードルが下がったはいいけれど、実際に海外ビジネスを始めるときにどんなことを考え、具体的に何から手をつければいいのかわからない……そんな中小事業者や個人に向けて、豊富な実例をもとに「グローカルビジネスのはじめかた」について解説した書籍が、『グローカルビジネスのすすめ:地域の宝を世界80億人に届ける』です。
本書には、中小企業や個人でグローカルビジネスに取り組み、成果を挙げた人々、またはそれをサポートしてきた専門家たちが10人以上、登場します。またそのビジネスのしくみを、明治大学政治経済学部の奥山雅之教授がさまざまなデータをもとに解説しています。
商品の企画をどう考えればよいか、タッチポイントの創出、そして具体的な商取引の始め方まで――。
会社員として働きながら複業で海外ビジネスを始めたい方、そして起業を考える方にもおすすめの書籍となっています。
■『グローカルビジネスのすすめ』発売後の反響
『グローカルビジネスのすすめ』は2021年3月に紙書籍版が発売後、Amazonの「海外進出」カテゴリで1位となり、日本を代表するビジネス街・東京駅の丸善丸の内本店では2度売り切れとなるなど、好評をいただきました。
また、ビジネスメディア「プレジデントオンライン」でも本書の内容の抜粋版が掲載され、さらに「Yahoo!ニュース」にも転載されて、「NewsPicks」などのニュースキュレーションメディアでも大きな反響を呼んでいます。
▼プレジデントオンラインに掲載された『グローカルビジネスのすすめ』抜粋記事
- 「輸出量はたった4年で300倍に」茨城県がメロンの海外展開を大成功させたシンプルな手法――海外バイヤーを招致したら一変した https://president.jp/articles/-/50832
- 「日本一のレタス王国」長野・川上村が外国人に頼りきる農業から脱却できたワケ――彼らは労働力ではなく「仲間」である https://president.jp/articles/-/50967
- 「忍者ハットリくん」の最新話はインド発…日本アニメのグローバル化を楽観視してはいけない理由――「届ける」ところまで責任を持つべき https://president.jp/articles/-/51716
これまで本書『グローカルビジネスのすすめ』は、紙書籍でのみの販売でした。しかし「電子版でも読みたい」「海外からでも読めるようにしてほしい」といった声も多くいただいたため、今回紫洲書院では電子版を制作し、2021年12月29日よりAmazon Kindleストアでの販売を開始いたしました。
価格は紙書籍版が2,420円(税込)だったところ、電子版では48%オフの1,250円(税込)での販売となります。紙書籍は白黒二色刷りでしたが、Kindle版はカラーでのご提供です。
また、Amazonの電子書籍読み放題サービス「Kindle Unlimited」にも登録しているため、同サービスに加入中の方であればその場で読み始めることができます。
▼『グローカルビジネスのすすめ:地域の宝を世界80億人に届ける』
Amazon Kindleストアでの書籍のご購入はこちらへ。
https://www.amazon.co.jp/dp/B09P8SQB1S/
これを機会に是非、お手に取ってご覧いただければ幸いです。
■『グローカルビジネスのすすめ』概要紹介
「地方経済という迷路の出口は『外』にある。」 – PLANETS代表 宇野常寛氏推薦
ローカルとグローバルがつながるこれからの時代において、どのような戦略・戦術を取るべきなのでしょうか?この答えを探るため、NPO法人ZESDAと明治大学奥山雅之研究室は「グローカルビジネスセミナー」を共催し、各分野の第一線で活躍する人々の知識と経験を蓄積してきました。本書は一連のセミナーの内容をもとに、グローカルビジネスの事例を豊富に収めた、日本初のグローカルビジネス実践マニュアルです。
グローカルビジネスに挑戦する人、グローカルビジネスを支援する人、グローカルビジネスを研究する人に向けた内容です。グローカルビジネス経験者から、グローバルな市場にチャレンジしたくても何をすれば良いか分からないという方々まで、広くご活用いただけます。
▼目次
第1章:グローカルビジネスの基礎(奥山雅之:明治大学)
第2章:地元産品を海外に売り込め!:茨城の成功例から学ぶ(西川壮太郎:JETRO)
第3章:和僑会とグローカルビジネス(永野剛:東京和僑会元事務局長)
第4章:ご当地バーガーを、高知から世界へ:女性起業家が目指すグローカルビジネス(森本麻紀:国際起業家)
第5章:台湾概況と日台経済関係(周立:台湾外交官)
第6章:売れ筋輸入食品に学ぶグローカルビジネス:遠回りしない海外販路開拓(田村菜穂子:貿易コンサル)
第7章:農林水産省のグローカルビジネス推進政策(田中智樹:農林水産省官僚)
第8章:アジアにおけるグローカリゼーション:都市エリートと地方アーティストの役割(藪本雄登:国際起業家・芸術系団体代表)
第9章:日本アニメのグローカリゼーション:アジア国際共同製作の現場から(三原龍太郎:慶應大学)
第10章:レタスの村のグローカルビジネス(西尾友宏:農林水産省官僚 / 川上村元副村長)
第11章:「中東で一番有名な日本人」が語るグローカルビジネス(鷹鳥屋明:中東アイドル)
第12章:「1本5000円レンコン」から考えるグローカルビジネス(野口憲一:日本大学 / レンコン農家)
第13章:『海外進出白書』から読み解くグローカルビジネスのトレンド(鷲澤圭:『海外進出白書』編集長)
第14章:グローカルビジネスの戦略(奥山雅之:明治大学)
第15章:パネルディスカッション:with/afterコロナのグローカルビジネス(田村菜穂子:貿易コンサル)(野口憲一:日本大学 / レンコン農家)(鷲澤圭:『海外進出白書』編集長)
あとがき:令和の「通商彙纂」(桜庭大輔:NPO法人ZESDA代表)
【著者情報】
奥山雅之(おくやま・まさゆき)
明治大学 政治経済学部 教授。中小企業施策の企画・立案に長く携わるとともに、各自治体の施策検討委員会委員などを務める。専門は地域産業、中小企業、地域ビジネス、起業、製造業のサービス化、企業診断、産業政策など。博士(経済学)。科学研究費を得てグローカルビジネスを研究。著書に『繊維・アパレルの構造変化と地域産業:海外生産と国内産地の行方』(文眞堂:共著)、『地域中小製造業のサービス・イノベーション―「製品 +サービス」のマネジメント― 』(ミネルヴァ書房)など。
NPO法人ZESDA(代表:桜庭大輔)
2012年に20-30代のメンバーが中心となり立ち上げた、グローカルビジネスをプロデュースする、パラレルキャリア団体です。
HP:https://www.zesda.jp/
【書籍情報】
タイトル:『グローカルビジネスのすすめ:地域の宝を世界80億人に届ける』電子版
発売日:2021年12月29日
刊行:紫洲書院
発売:Amazon Kindleストア
ISBN:978-4909896087
定価:1,250円(税込)