飲食店以外の食関連領域のビジネス拡大を加速
総合フードサービス機器メーカーであるホシザキ株式会社(本社:愛知県豊明市、代表取締役社長:小林靖浩)は、本日、リビングテクノロジー株式会社(本社:東京都千代田区、取締役社長:村瀬 康)より、大型電解次亜水(電解次亜塩素酸ナトリウム水溶液)生成装置の事業を買収しました。電解次亜水は衛生管理に利用される電解水の一つです。この買収により、ホシザキとして大流量を供給できる電解水生成装置の提供が可能となり、飲食店以外の食関連領域のビジネス拡大を加速させます。ホシザキからの同製品の販売は4月25日より開始します。

■飲食店以外の食関連領域のビジネス拡大を加速
多様化する食環境の課題解決を目指すホシザキは、国内戦略として、レストランなどの飲食市場の深掘と、スーパー・コンビニなどの流通販売業、食品工場などの加工販売業、水産・農業などの基幹産業、ホテル・旅館などの宿泊業、病院・福祉施設などの飲食外市場の開拓を進めています。既に国内商品売上高における飲食店以外の割合は約6割を占めるほど大きくなっています。
■カット野菜加工での電解水利用拡大を見込む
食品の洗浄殺菌などの衛生管理手法に使用可能な電解水は、カット野菜・水産・食肉などの加工や、豆腐製造などの現場で採用されています。その中で特に今後拡大していく市場として、ホシザキはカット野菜市場に着目しています。具体的には、レストラン、病院、給食施設、セントラルキッチンなどの調理現場での人手不足によるカット工程削減や、スーパー・コンビニで販売される一般消費者の調理時短につながるカット野菜などです。
さらに、2024年7月1日の「有機加工食品における日本農林規格の一部改正」により、収穫後の有機農産物の殺菌に使える電解水として、従来の強酸性・弱酸性電解水に加え、微酸性電解水と電解次亜水が追加されました。これにより有機農産物の現場での電解水の利用は拡大していくと予測しています。
■これまで対応できなかった大量の電解水を消費する現場へ提案可能に
ホシザキは、1993年より強酸性電解水生成装置の製造を開始、その後弱酸性電解水のラインナップを追加し、宿泊業、飲食サービス業、卸売業、小売業などの業界に販売してきました。従来品は小規模の現場により適していましたが、大規模の現場ではスペース、生成流量などの点でお客様へ最適な自社製品の提案ができていませんでした。
本買収により、ホシザキはリビングテクノロジーより大流量を供給できる電解次亜水生成装置の事業を譲り受けます。この装置は高濃度の電解次亜水を生成するものです。水の配管に高濃度電解次亜水を注入し、用途に応じた濃度で、大量の電解次亜水を供給できます。最大で、当社従来製品の約18倍(※1)の電解水に対応できるようになります。大流量を供給する場合でも大型の貯水タンクの設置が不要で、大きな設置スペースを必要としません。独自の5層電解技術により1万5000時間(約5年)(※2)の電極の長寿命化を実現し、メンテナンス性にも優れています。
ホシザキは今後もお客様に貢献する提案を続けていきます。
※1 ホシザキVOX-80SA-N(11.2トン、微酸性電解水)、LTハイクロ S250(200トン、電解次亜水30㎎/L(ppm))との日産最大生成量の比較。
※2 1日8時間、365日稼働として
【参考資料】
食品・器具洗浄それぞれに使用可能な電解水とは?
電解水とは、水に食塩、希塩酸、希塩酸・食塩のいずれかの微量を添加し、電解水生成装置で電気分解し生成される水溶液のことです。水に添加する物質、および、生成方法によって、生成される電解水の種類が異なります。生成される水溶液は、酸性電解水、アルカリ性電解水、電解次亜水(電解次亜塩素酸ナトリウム水溶液)があります。
酸性電解水のうち、厚生労働省が次亜塩素酸水として食品添加物に指定し、食品の殺菌に認めているものは、強酸性電解水、弱酸性電解水、微酸性電解水の3種類です。
電解次亜水は、厚生労働省の通達(衛化第31号)により、次亜塩素酸ナトリウム希釈溶液(塩素系消毒剤を希釈したもの。電解により生成される水溶液とは異なる)と同じ扱いと指定されており、食品の殺菌に使用可能です。
酸性電解水、電解次亜水による洗浄殺菌を行うことで菌の増殖が抑制され、食中毒の予防につながり、食の安全性が向上します。食品の鮮度保持も期待でき、食品ロス削減に貢献します。
アルカリ性電解水は食品添加物として認可を受けていないため、食品の洗浄や殺菌には使用できませんが、まな板や包丁などの器具洗浄には使用可能です。