2025年2月21日(金) 2月26日(水)
(一社)海と日本プロジェクトinえひめは、瀬戸内海・宇和海で今起きている海洋環境の変化に焦点を当てた「変わりゆく愛媛の海」啓発プロジェクトの一環として、BEMAC株式会社の社員食堂にて地元では古くから馴染みのある魚種である一方で食文化としては十分に根付いていない低利用魚種の「クロダイ」を使ったメニューを2025年2月21日と26日に提供しました。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

イベント概要
・開催概要:「変わりゆく愛媛の海」啓発プロジェクトの一環として、
BEMAC株式会社の社員食堂で低利用魚「クロダイ」を使った特別メニューの提供
・日程:2025年2月21日(金) ブラック鯛めし定食(クロダイの竜田揚げとブラック鯛めしおにぎり)
2025年2月26日(水) ブラック鯛めし定食(クロダイのフライとブラック鯛めしおにぎり)
・開催場所:BEMAC株式会社 社員食堂
・協力:株式会社ダイイチフーズ、BEMAC株式会社
古くから馴染みのあるものの、低利用魚の「クロダイ」。その味わいは…?
「変わりゆく愛媛の海」啓発プロジェクトの一環として今回のメニュー提供に選んだ魚種は「クロダイ」です。地方名では「チヌ」と呼ばれ、瀬戸内海、宇和海の磯釣りの対象種として人気があり古くから馴染みのある魚ですが、一般的に沿岸部や河口近くのクロダイは味が良くないといわれ、地元でクロダイを使った郷土料理がないなど食文化としてはあまり定着していません。また、クロダイは雑食性が強いため、海藻や牡蠣の食害が課題となっている地域もあります。一方で、今治市宮窪町(大島)では秋から冬に獲れるクロダイが、”鍋が割れるほどおいしい”ことから「鍋割れチヌ」と呼んで美味しく食べていたなど、地域によっては重宝していたそうです。
今回のプロジェクトでは、地元水産物を使った商品開発や販売を得意とする株式会社ダイイチフーズと、今治市に本社を置く船舶の総合電機メーカーであるBEMAC株式会社と連携して取り組みました。株式会社ダイイチフーズは、クロダイを使ったメニュー開発を担当。食堂提供に適した形態で、かつクロダイの味わいの特徴を最大限生かせるようにメインメニュー2種(クロダイの竜田揚げ、フライ)と瞬間冷凍の技術を使い美味しさを閉じ込めた「ブラック鯛めしおにぎり」を開発しました。BEMAC株式会社では、開発したメニューが自社の社員食堂で最大限美味しく味わえるように盛り付けや添え物の工夫をされたり、また社内広報でプロジェクトの意図やクロダイを使ったメニューの提供日などを事前に告知いただきました。

そして迎えたクロダイメニュー提供日。各日50食準備したクロダイメニューが両日ともに10分足らずで予定数に達し、大盛況となりました。クロダイを食べた方からは「クロダイはこれまで食べたことがなかったが美味しい白身でびっくりした」、「ブラック鯛めしおにぎりはネーミングも良くて流行りそう」、「スーパーでクロダイが売っていたら次は買ってみたい」など、好意的な感想が多く聞かれました。今後も、企業や自治体と連携したクロダイの積極的な利用を推進していきます。

「変わりゆく愛媛の海」啓発プロジェクトとは
愛媛県は瀬戸内海、宇和海と環境の異なる2つの海域を有し、古くから海からの恩恵を受け海と共に生きてきました。瀬戸内海は多くの島々からなる複雑な沿岸環境や潮汐差が大きいことが特徴で、宇和海は太平洋から流れ込む黒潮の影響で海水交換が良く海面魚類養殖業が全国屈指の規模です。しかしながら、近年瀬戸内海、宇和海では様々な海洋環境の変化が起きています。一例を挙げると、海流の変化や地球規模で進む海水温の上昇の影響を受けた魚種交代や海藻・サンゴの分布の変化、生物多様性に寄与する藻場の減少や磯焼け、陸域からの栄養供給低下などによる海の貧栄養化などです。本プロジェクトでは、テレビ番組やイベントでの情報発信を通して「変わりゆく愛媛の海」の現状を伝え、県民一人一人が地元の海の変化に関心を持つ機会を創出します。
<団体概要>
団体名称:(一社)海と日本プロジェクトinえひめ
活動内容 :愛媛県内の「海」を中心とした、食・文化・スポーツ・お祭り等の活動のムーブメント作りのための情報収集、イベント活動の広報を実施

日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。