KAICO株式会社(福岡市西区、代表取締役:大和建太、以下:KAICO)は、かねてより自社独自開発しておりました、感染症予防が期待できるブタ用飼料添加物のベトナム農業農村開発省(Ministry of Agriculture and Rural Development)における飼料添加物登録が完了し、ベトナム北部最大級の畜産企業DABACO Group(以下、ダバコ)での大規模野外実証試験を開始したことをお知らせいたします。
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ブタの飼料に混ぜるだけの『KAICO Powder』とはなにか
KAICOはこれまで、経口投与可能なワクチンの実用化を目指して、自社開発を続けてきました。注射ではなく経口投与が実現できれば、低侵襲であることに加え、注射器も医療人材もコールドチェーンも不要となり、注射型ワクチンと比較して大きなメリットがあります。
ヒト用経口ワクチン実用化初期段階として、ブタの感染症予防に対する自社開発品『KAICO Powder for Pig(飼料添加物)、以下:KAICO Powder』がベトナム農業農村開発省にて飼料添加物登録されました。通常の飼料にKAICO Powderを混ぜて与えることで、ブタの感染症予防が期待できます。
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世界初ブタ用『KAICO Powder』、ベトナム大手養豚場での実証試験を開始
『KAICO Powder』のベトナム農業農村開発省登録を経て、ベトナム北部最大級の畜産企業であるダバコの自社農場にて、実際に飼育している豚2,000頭に対して大規模野外実証試験を2024年10月より開始しました*。
この実証試験は、『KAICO Powder』の投与の簡便性と、体重増加等の有効性・安全性を確認するために実施しています。
*KAICO Powder摂取・従来通り注射ワクチン接種・未摂取(未予防)の3群 合計2,000頭
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『KAICO Powder』が解決する2つの社会課題
KAICO Powderは、大きく2つの社会課題解決を目的としています。
一つ目は、ワクチン投与コストの削減です。
KAICO Powderは、常温保管・流通が可能で、飼料に混ぜて食べさせるだけで感染症予防が期待できるため、1頭1頭にワクチン注射接種する作業時間の大幅な削減、注射器等の資材も不要となり、畜産農家等のワクチン投与コストの大幅削減に繋がります。
もう一つは、人、動物の肉体的、精神的負担からの解放です。今回、ダバコ農場で実際のワクチン接種作業を確認しましたが、生後3週目の子豚を一頭ずつ捕まえ注射接種する作業は重労働かつ危険で、また子豚への注射は人・子豚ともに精神的、肉体的負担となっていることが確認できました。一方のKAICO Powderは、作業者が飼料にKAICO Powderを混ぜるだけの作業で危険や精神的、肉体的負担がありません。
KAICO Powderの使用は、人や動物への精神的、肉体的な負担を取り除き、養豚農家の生産性向上による経済的効果に寄与します。
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事業開発関係者の声
【KAICO株式会社 事業開発 大澤暢史】
この度、ベトナム当局より当社飼料添加物の製品登録通知を無事に受け、ようやく製品販売のスタートラインに立つことができたことをとても嬉しく思います。
養豚農家の方々にとって初めての製剤となるため、今後は製品プロモーションに加え、製品説明会を通じた適切な使用方法の情報提供を通じて、着実なベトナム養豚業界での認知拡大に励みます。
並行して、農家及びブタの身体的・経済的負担を軽減させる当該製品のベトナムでの販売実績をもとに、他国への横展開に弾みをつけます。
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昆虫“蚕”で世界を変える!KAICOとは
KAICOは、『蚕で世界を変えていく。』というミッションのもと、難発現タンパク質の医薬品・診断薬・試薬を開発することを目的に、2018年4月に設立した九州大学発のベンチャーです。蚕の体内で自在にタンパク質を作ることをコアテクノロジーとして製薬会社等のパートナーと共に新薬を開発するという、ビジネスに挑戦しています。
現在、蚕で作ったタンパク質抗原を用いて経口ワクチンとする特許を出願し、ヒト用・動物用の経口ワクチン開発を行なっております。
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<本件に対するお問い合わせ>
会社名 KAICO株式会社
代表者 代表取締役 大和建太
設立日 2018年4月2日
本社所在地 福岡県福岡市西区九大新町4-1
事業内容
(1) タンパク質の受託発現
(2) 試薬・診断薬・医薬品原料の製造・販売