「運ぶを最適化する」をミッションとして、企業間物流の最適化を目指す株式会社Hacobu(ハコブ、本社:東京都港区、代表取締役社長CEO 佐々木太郎、以下「Hacobu」)は、公益社団法人 秋田県トラック協会(秋田県秋田市 会長 赤上信弥)の「首都圏市場向け青果物の物流効率化実証実験」に採択され、11月に実証実験を行うことが決定いたしました。
本実証実験の背景
物流業界はトラックドライバーの人手不足が深刻な問題です。要因の1つは、ドライバーの労働環境です。ドライバーの年間の労働時間は全産業平均より約2割(450時間以上)長いとされています※1。特に地方~首都圏などの長距離輸送での長時間労働が顕著で、秋田県の首都圏向けの青果物輸送においても、秋田県内の各JA集出荷拠点間の距離が長く集荷に時間がかかり、また販売先の首都圏卸売市場まで600㎞を超えることから、ドライバーの1日の拘束時間が長時間に及んでいる状況にあります。
上記を背景に、2024年4月から働き方改革関連法の施行により、ドライバーの時間外労働時間の上限規制が年960時間に設定されます。これによりドライバーの人手不足の加速が予想され、対策として業務の効率化、労働時間の短縮化が求められます。
秋田県トラック協会は、こうした問題が続けば近い将来、長距離輸送に係る物流網の維持が困難になり、首都圏向けの輸送ができなくなってしまう可能性を危惧し、2019年に「秋田の未来の物流を考える協議会」を立ち上げ、早くから問題解決に向けた議論を行ってきました。
実証実験の概要
全国農業協同組合連合会 秋田県本部の協力を得て、青果物の首都圏輸送のハブ拠点(中継点)を設け、集荷輸送と幹線輸送を分離します。具体的には、秋田県内のJAの集出荷拠点で青果物を集荷しハブ拠点まで輸送する車両と、ハブ拠点から首都圏への幹線輸送を行う車両を分離することで、ドライバーの長時間労働を回避します。合わせて、秋田県内の集荷ルートを見直し、集荷車両台数の削減を行います。
Hacobuは、提供するアプリケーション群MOVO(ムーボ)がすでに多くの物流事業者に利用される汎用性が認められ、実証実験コンサルタントとして参加いたします。アプリケーションを活用した車両の経路、位置情報、運行時間を把握し、最適なルートの構築、実績管理を行うことで、輸送の効率化をサポートします。
なお、本実証実験には「ホワイト物流」推進運動※2を展開する国土交通省がアドバイザリーボードとして参画し、トラック輸送の生産性の向上・物流の効率化に向けて協力いただいております。
今後、2021年11月の実証実験に向けて、システムやハブ拠点の運用構築のための現地視察などを実施していく予定です。
日程:2021年11月7日(日)~13日(土)
実証内容:(1)集荷ルートの見直し(配送・業務効率化)
・県南地区荷物に中央地区の小ロット荷物をドッキング
・各出荷所への集荷便数(=積込回数)削減 等
(2)集荷と幹線分離によるドライバー運行当り労働時間削減
・集荷と幹線輸送の分離ハブ拠点の設置
・ドライバーシフトの見直し仕分作業の集約と場所の一元化
(3)ICTによる物流情報の可視化(配送・業務効率化)
・ルート別の物量車両の経路、位置情報、運行時間
実証実験対象:秋田県~首都圏(各市場)間のトラック輸送
参加団体:■主な協力荷主、運送事業者様
全国農業協同組合連合会 秋田県本部
全農物流株式会社 秋田支店
羽後運輸株式会社
川連運送株式会社
■トラック輸送における取引環境・労働時間改善秋田県協議会 事務局
東北運輸局 秋田運輸支局
秋田労働局 労働基準部監督課
公益社団法人秋田県トラック協会
■アドバイザリーボード
国土交通省 自動車局 貨物課
国土交通省 東北運輸局 自動車交通部 貨物課
■実証実験オブザーバー
秋田県産業労働部 商業貿易課
■実証実験コンサルタント
株式会社Hacobu
- Hacobuについて
「運ぶを最適化する」をミッションとして、企業間物流の最適化を目指し、Logistics Cloud MOVOを提供
商号 : 株式会社Hacobu
設立 : 2015年6月30日
所在地 : 〒108-0073 東京都港区三田3丁目12番17号 プレクスビルディング3階
代表 : 代表取締役社長CEO 佐々木 太郎
https://movo.co.jp/
※1(出典)厚生労働省「平成29年度賃金構造基本統計調査」
※2 国土交通省が推進する、トラック運転者不足が深刻になっていることに対応し、国民生活や産業活動に必要な物流を安定的に確保するとともに、経済の成長に役立つことを目的として、トラック輸送の生産性の向上・物流の効率化などに取組む運動。