不必要なケージやクレートは廃⽌となるのか? EUの現状をブリュッセルでロビー活動を続ける専⾨家に聞く。
【開催概要】
開催日時 : 2024年10月31日(木) 日本時間 18:00-19:30
登壇者 : オルガ・キコウ博士 (Dr. Olga Kikou), The European Institute for Animal Law and Policy(「欧州動物のための法律と政策研究所」)にて立法提言戦略の責任者 (アドボカシーディレクター)
お申込み : こちらのPeatixにてお申し込み
開催挨拶 : 植木美希 日本獣医生命科学大学 名誉教授 AWFCJ 代表
開催方法 : Zoom ウェビナー (お申し込み後、事前にメールで開催方法の詳細をご案内いたします)
言語 : 日本語・英語 (2言語で聴講可)
参加 : 参加無料
主催 : アニマルウェルフェア・フード・コミュニティー・ジャパン (AWFCJ)
お問合せ先 : AWFCJ “End the Cage Age” セミナー実行委員会 Email : office@awfc.jp
【内 容】
畜産農業とプラネタリーヘルスの関係が年々重要度を増しています。世界銀行の「生活できる地球のためのレシピ(2024年5月発行)」では、動物性食品は農業関連の排出量のほぼ60%を占め、現在の食生活から動物性食品を除いた食生活に移行すると、土地利用を76%、温室効果ガス排出を49%、酸性化を50%、富栄養化を49%、淡水の取水を19%削減できる可能性があるとしています。
2023年にはアニマルウェルフェアは経済開発協力機構(OECD)のガイドラインにも追加されました。そんな中、EU市民140万人の有効投票を獲得した、EUの家畜のアニマルウェルフェアを進める”End the Cage Age”法案は、 結果として2023年に法案提出されずに終わりました。期待していたこの法案の現状、今後の展望はどのようになっているのでしょうか。
本ウェビナーでは、前職のCompassion in World Farmingにご勤務の時に、”End the Cage Age (ECA)”の法案提案まで導いたオルガ・キコウ博士 (Dr. Olga Kikou)にご登壇いただき、ECAの将来、EUにおける最新のアニマルウェルフェアの動向をお話いただきます。オルガ博士 は現在は「欧州動物のための法律と政策研究所(The European Inistitute for Animal Law and Policy)」にて、立法提言戦略の責任者 (アドボカシーディレクター)を務めています。
※ “End the Cage Age”では下記を禁止する立法の提案をEU委員会に求めていました。
・ケージ (採卵鶏、ウサギ、卵用雌雛、肉用種鶏、卵用種鶏、ウズラ、フォアグラ用アヒルやガチョウ)
・母豚の分娩クレート家畜の一頭一頭を入れて飼育する個別の狭い檻のこと
・母豚のストール(家畜の一頭一頭を入れて飼育する個別の狭い檻のこと) (まだ禁止されていないところでは)
・乳用子牛を単独飼育するカウハッチ(生後2〜3ヶ月までの子牛を1頭で飼育する小さな小屋) (まだ禁止されていないところでは)
【登壇者プロフィール】
オルガ・キコウ博士 (Dr. Olga Kikou)
キコウ博士は立法提言戦略の責任者 (アドボカシーディレクター)として、The European Institute for Animal Law and Policy (動物の法律と政策のための欧州研究所)にて立法提言戦略の責任者を勤めています。EUの政策立案者と効果的に連携、EUの機関やEU市民社会内に強力なネットワークを築くなど多数の実績があります。 ECI(欧州市民イニシアティブ)である”End The Cage Age”の市民委員会代理代表であり、このECI法案提出には至りませんでしたが、2021年には欧州委員会から前向きな約束を得ることに成功したものキコウ博士の尽力によるものです。市民社会のアドボカシーにおいて25年以上の経験を持ち、動物関連の問題推進から、社会正義や環境問題の支援、市民参加の強化、社会改革の強化に至るまで、幅広い関心と専門知識を持っています。
【主催者について】
Animal Welfare Food Community Japan (アニマルウェルフェア・フード・コミュニティー・ジャパン/AWFCJ)
AWFCJは、日本のアニマルウェルフェア畜産の進化をめざして活動をしています。欧米などの畜産先進国では生産性と効率性の向上が目的の工場的畜産から、アニマルウェルフェア畜産への転換が進んでおり、世界動物保健機関(WOAH)も2005年から世界家畜福祉基準を策定しています。アニマルウェルフェア畜産とは、家畜を「行動要求満足度の高い生活状態で飼育する」生産 システムであり、そのような畜産の実現により人も家畜から安全で質の高い「ウェルェア食品」と精神的な「癒しサービス」をも与えられるという、人と家畜が相互依存する ”ウェルフェア共生システム ”と定義することができます。そして“ ウェルフェア共生システム ”で生産される、ウェルフェア商品の価値を実現するためには、生産段階に従事する人たちだけでなく、流通業、食品加工業、レストラン等の飲食業に従事する人たちと共に、かつ、最終消費者である多様な個人がアニマルウェルフェアを重視するライフスタイルをめざして、生産と生活を結びつける社会的ネットワークが必須です。AWFCJには、生産者、研究者、流通企業、非営利団体、消費者など多様な立場の方が参加し、共通の目的に向かうために、情報の共有、イベントを開催し、アニマルウェルフェア普及に努めています。