サステナブル・シーフードを推進する株式会社シーフードレガシー(代表取締役社長:花岡和佳男、所在地:東京都港区) と労働者の人権問題を専門とするNGO「Dignity in Work for All」(代表:Marie Apostol、本部:フィリピン、以下DIWA)は日本の水産業界の社会的責任を推進するために協力していくため、東京サステナブルシーフード・サミット(TSSS)2024の場で覚書(MoU)を締結しました。
近年、水産業における人権および労働者の権利に関する企業の社会的責任について、社会の関心が高まっています。世界有数の水産市場である日本では、企業が調達方法を改善し、グローバルな課題に積極的に取り組むことが期待されています。
シーフードレガシーは、地域社会、水産経済、海洋生態系の深いつながりを象徴する豊かな水産資源を、次世代に継承することを目的に、持続可能な水産物に関するコンサルティングを行っています。
DIWAは、水産業、農業、衣料産業、電子機器などの多くの分野で、人権を支援し、グローバルサプライチェーンにおける透明性の向上を目指して活動してきました。今回の覚書のもと、両団体は、日本の水産業界のステークホルダーに対して、人権デューディリジェンスを強化し、技術的支援を提供するために協力します。
シーフードレガシーは、DIWAのサポートを受けながら、水産サプライチェーンにおける社会的課題に関する技術的助言を企業に提供し、イニシアティブを促進していきます。
「私たちは環境の持続可能性の追求に加え、2022年から企業支援および提言を通じて、水産サプライチェーンにおける社会的課題に対する本格的な取り組みを開始しました」と、株式会社シーフードレガシーのCEO、花岡和佳男は述べています。「DIWAとの協力を通じて、グローバルな水産業界における人権および労働者の権利に関する専門知識が、シーフードレガシーにとって大きな力になることがわかりました。この新しいパートナーシップが、グローバルな水産業界において、強制労働を含む人権侵害に取り組むための貴重な一歩となることを期待しています。」
具体的には、DIWAは、企業が、事業活動およびサプライチェーンにおける人権リスクと影響を理解、特定し、対応する能力を強化するためのツールを提供します。これによって企業は、より深い責任感を育み、継続的な改善を促すPDCAシステムを構築できるようになります。
「DIWAは、今後数年間にわたり、主に日本を拠点とする企業において人権および尊厳ある労働の促進を図るため、シーフードレガシーとの戦略的パートナーシップを非常に楽しみにしています」と、DIWAの日本カントリーディレクターであるロウィー・ロサレス-カワサキ氏は述べています。「DIWA日本事務所の設立により、さらに緊密な協力関係が期待でき、水産関連企業が人権および労働問題に対して、より意義深く、実用的な方法で対応できるよう、お互いの強みを補完し合えると確信しています。」
お互いの共通目標としては、日本および海外で日本の水産市場に関与するすべての人々の人権保護、水産物のサプライチェーンに依存する企業および組織のリスク軽減、そして日本の消費者が、責任を持って生産されたものとして輸入水産物をより確信して食べられるようにすること、が含まれています。この広範な取り組みによって、世界第3位の水産輸入市場である日本が、グローバルサプライチェーンにおける労働者に対して、重要なプラスの影響をもたらすことを目指していきます。
Dignity in Work for All(DIWA)
前身は「Verité Southeast Asia」であり、20カ国以上で活動する非営利、非政府の労働者の権利団体です。DIWAは、画期的な調査および社会的コンプライアンスの監査・評価を実施し、多国籍ブランド、サプライヤー、メーカー、業界団体、政府、NGO、国際機関と提携して、リスクの明確化、透明性の確保、キャパシティー強化を行い、グローバルサプライチェーンにおける労働条件および社会的・環境的パフォーマンスの向上を目指しています。
www.dignityinwork.org
株式会社シーフードレガシー
東京を拠点とするソーシャルベンチャーで、日本の水産業界および政府に対して持続可能な水産業に関するコンサルティングおよびプラットフォームサービスを提供しています。水産物(シーフード)は、海洋生態系、水産経済、地域社会のつながりを象徴するものであり、次世代にも豊かな状態で継承する(レガシー)ことをパーパスとしています。
また、日本および世界のさまざまなステークホルダーが直面する共通の課題を解決するため、水産業界やNGOを戦略的にネットワーキングし、非競争連携プラットフォームを促進しています。