火曜日, 6月 25, 2024
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違法漁業防止寄港国措置協定(PSMA)についてアジア各国が協議

国際連合食糧農業機関(FAO)の枠組下で策定された「違法漁業防止寄港国措置協定*(Agreement on Port State Measures, PSMA)」は、違法・無報告・無規制(IUU)漁業の防止、抑止、排除を目的とした、拘束力のある初の国際協定である。PSMAの実施状況について地域レベルで議論し、2023年5月にPSMA締約国会合にて採択された「バリ戦略」のフォローアップを行うため、2024年、FAOは複数の地域調整会合を開催している。そのうち、4回目にあたるアジア会合が2024年6月10日から14日まで東京で開催された。同会合には、アジアのPSMA締約国及び非締約国のうち11カ国と2つの地域漁業機関から、政府高官や専門家が一堂に会した。
2016年に発効したPSMAは、漁業関連の国際文書の中で、最も加盟国の割合が高い。現在、78か国がPSMAに加盟しているが、その中には、欧州連合(EU)加盟国を代表するEUも1か国として含まれている。パプアニューギニア及びコモロがPSMAに加盟したことにより、2024年4月時点で、PSMAに縛られる国は104カ国に上る。
PSMA地域調整会合は、2017年にオスロで開催された第1回締約国会合において、締約国自らの提案により実施されることになった。今回の地域調整会合では、PSMAの現状と地域レベルでの適用状況を把握し、PSMAの実施に関する課題や、PSMAグローバル情報交換システム(Global Information Exchange System)の活用について取り上げた。同会合では、地域レベルでの寄港国措置の実施戦略についても議論され、PSMAの実効性の強化や、実施に関するモニタリングを含む、PSMA戦略・モニタリング作業部会による検討のための提言が作成された。
今回の地域調整会合において、日比絵里子FAO駐日連絡事務所長は、「最新のデータによると、アジアは世界の海面漁業における漁獲量の約60%、世界の漁船数の約70%を占めています。この点からも、今回のアジア会合は非常に重要です」と今般の会合の意義を強調した。
また、FAOの漁業における世界・地域プロセスチームのリーダーであるマシュー・カミレリ氏は「PSMAの地域調整会合は、バリ戦略の様々な要素に関する議論を進めるだけでなく、地域レベルでのPSMAの連携と実施を進展させる絶好の機会です」と指摘した。
FAOにおけるPSMA関連の活動は、様々なパートナーからの資金援助から成り立っており、今般のアジア会合はノルウェー王国からの援助も受けて開催された。
PSMA及びFAOの活動に関する詳細は下記サイトをご覧ください。
https://www.fao.org/port-state-measures

*PSMAの正式名称は、「違法な漁業、報告されていない漁業及び規制されていない漁業を防止し、抑止し、及び排除するための寄港国の措置に関する協定」

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