金曜日, 11月 22, 2024
ホーム商品サービス畜産ICTのゲームチェンジャー!画期的な牛の発情検知システム「Heat Switch(ヒートスイッチ)」が完成

畜産ICTのゲームチェンジャー!画期的な牛の発情検知システム「Heat Switch(ヒートスイッチ)」が完成

センサーとスマートフォンだけの超ミニマルな構成で雌牛の発情を精度良く検知できる画期的なシステムで持続可能な畜産経営に貢献

ライブストックジャパン株式会社

当社は北里大学獣医学部動物飼育管理学研究室で培った、家畜(動物)の快適性向上・生産性向上に関する研究成果、開発技術の速やかな社会実装を担うことによって、畜産農家の経営向上に寄与すべく設立されました。

【概 要】

北里大学発ベンチャーのライブストックジャパン株式会社(青森県十和田市、代表取締役CEO 鍋西 久)が、センサーとスマートフォンだけの超ミニマルな構成で雌牛の発情を精度良く検知できる画期的なシステムを北里大学獣医学部 動物飼育管理学研究室(青森県十和田市)と共同で開発し、「Heat Switch(ヒートスイッチ)」として2024年5月より発売します。

イニシャルコストとランニングコストを大幅に抑えられるこのシステムの活用により、牛舎や放牧地における雌牛の発情発見率と受胎率の向上が図られるとともに、発情観察にかかる労働負担の軽減も期待できます。

【開発の背景】

牛の繁殖は、ほぼ100%人工授精です。そのため、人が雌牛の発情を見つけて適期に人工授精する必要がありますが、現在、発情の見逃しによる繁殖成績の悪化が問題になっています。

発情発見率を高めるための取組みとして、ネックベルトなどに装着した加速度センサーによる行動量の増加から発情を検知する畜産ICT機器の普及が進んでいます。しかしながら、システムとして設備が大掛かりで導入費用や運用費が高額なこと、何より、行動量の増加が必ずしも発情とは限らないため、誤報が多くなることが課題です。

他の雌牛からの乗駕を許容する真の発情行動(スタンディング)

発情している雌牛は、他の雌牛からの乗駕を許容する行動(スタンディング)を示します。そのため、スタンディングを検知することこそが、発情発見率の向上と受胎率向上のために重要です。そこで、真の発情行動であるスタンディングを遠隔でモニタリングできるシステム「Heat Switch(ヒートスイッチ)」を開発しました。 

【Heat Switch(ヒートスイッチ)の仕組み】

「Heat Switch(ヒートスイッチ)」は、雌牛の腰部に装着した親指大ほどのサイズのセンサー端末上のスイッチが乗駕によって押下されたことを検知します。新しい無線技術であるLPWA通信規格(Sigfox)を用いることにより、センサー端末のみでデータをクラウド上に展開でき、どこからでも状況を把握することができます。さらに、スマートフォン用アプリである“LINE”ですべての運用を完結できるようにしました。これまでの既存システムとは大きく異なり、センサーと手持ちのスマートフォンだけで真の発情行動を検知できる超画期的で超ミニマルなシステムにすることを実現しました。

 【Heat Switch(ヒートスイッチ)の特徴】

・精度の高い発情検知を実現

 真の発情行動であるスタンディング(乗駕許容)を検知するため、精度の高い発情検知が 

 可能になります。 

・イニシャルコスト、ランニングコストを削減

 センサーと手持ちのスマートフォンだけで運用することができます※。 

・放牧地での運用が可能

 LPWA通信規格(Sigfox)を用いることにより、電源のない放牧地での運用が可能になり

 ます※。 

・誰でも容易に操作が可能

 すべての操作は、スマートフォンアプリ“LINE”で完結します。

 ※本システムは、Sigfox通信エリア内にてご利用頂けます。Sigfox通信エリア外のお客様

 には基地局のレンタルサービスを提供しています。

【Heat Switch(ヒートスイッチ)の詳細】

ライブストックジャパンHP

URL :https://livestockjapan.com/heat-switch/

【さいごに】

これまで、多くの畜産ICT機器が開発され、補助金の投入などで広く普及するようになってきました。一方で、畜産をめぐる情勢は必ずしも右肩上がりが続く訳ではないことを痛感させられました。せっかく導入した生産性向上のためのICT機器の導入・運用費が経営の重荷になっては本末転倒です。畜産経営自体の持続可能性も重要なのです。

「Heat Switch(ヒートスイッチ)」は、家畜繁殖の専門家で畜産ICT研究に長年従事してきた立場だからこそ実現できた画期的なシステムです。最小限(ミニマル)の仕組みにすることにより、畜産ICT機器でありながら消耗品価格での導入・運用が可能になります。さらに、広大な放牧地で発情を検知できるはじめての畜産ICTシステムであると認識しています。私たちは、畜産の専門家でなければ実現できない、農家に寄り添った新技術の開発を現在も進めています。今後の研究成果にもご期待ください。

「Heat Switch(ヒートスイッチ)」の基礎研究は、北里大学が日本中央競馬会特別振興資金助成事業の支援を受け、「ICTと放牧の融合による持続的肉用牛生産事業」のなかで実施されました。本システムは学校法人北里研究所北里大学が特許出願およびHeat Switchとして商標登録出願しています。

RELATED ARTICLES

返事を書く

あなたのコメントを入力してください。
ここにあなたの名前を入力してください

Most Popular

Recent Comments