母の日など贈り物需要に、目を引く鮮やかなピンク系新品種発売
サカタのタネが開発したポットカーネーション「セレナーデ」（※1）の鉢物の流通が4月下旬から開始します。「セレナーデ」は鮮やかな濃いピンク色が特長で、花径3～4cm、4寸鉢（直径12cm）～5寸鉢（同15cm）栽培向きの品種です。花付きよく、窓辺の明るい室内でも次々と咲くため、一般消費者も育てやすく長く花を楽しむことができます。
また、同品種は生産者にもメリットのある品種です。ポットカーネーションは、栽培時期が秋～春の低温期に当たります。低温下では生育や開花が遅れてしまうため、通常は、暖房機器でハウス内の温度を上げて生育・開花を促進します。一方「セレナーデ」は、低温・低日照下でも成長し、重油代などのエネルギー・コスト削減にもつながります。
カーネーションは母の日の需要期に向けて開花のそろいが重要で、開花の遅れは廃棄にもつながります。「セレナーデ」は一斉開花性に優れ、需要期に向けて鉢物を安定出荷することが可能です。株のボリューム感、花付きにも優れ、贈り物として店頭での見栄えはもちろん、受け取った方にも喜んでいただける品種です。
セレナーデは、「夕暮れどきに、歌を奏でて恋人に思いを伝える」という意味を持ちます。花を通じて親しい方に日頃の感謝の気持ちを伝えてもらいたい、という思いから「セレナーデ」と命名しました。
ポットカーネーション「セレナーデ」の想定小売価格は、5寸鉢が3,000円台後半、4寸鉢が3,000 円前後です。全国の園芸店、ホームセンター、ネット通販などで販売されます。
※1 本品種は品種登録出願中です。当該品種の権利状況はサカタのタネウェブサイト（https://www.sakataseed.co.jp/ip/）でご確認ください。カーネーション セレナーデ 品種登録出願中 品種名：SAKCAR113海外持出禁止（農林水産大臣公示有）
■ポットカーネーションと近年の物流環境
近年、物流コストの上昇が問題になっています。母の日の定番ギフトであるポットカーネーションは、鉢花単品だけでなく、和洋菓子や雑貨などとセットで贈られることも多く、物流コストを抑えるために、「コンパクトさ」が求められるようになってきました。
このような中、需要の高い5寸鉢よりも少し小さい4寸鉢のニーズも高まっており、4寸・5寸鉢両方の栽培に向く「セレナーデ」は、こうした近年のトレンドに対応できるポットカーネーションです。2024年 母の日アンケート（※2）では、「今年の母の日はどのようなものを贈る予定ですか」という設問に対し、全体の55.2％の人が「お花のみ」、29.9%の人が「お花とセット（スイーツ・和菓子）」と回答しています。また、同アンケートで、「母の日ギフトに贈りたい花の色はなんですか？」という設問に対し、最も多い回答は「ピンク」で、全体の32.3%の人が回答しています。
今後も、消費者のもとできれいに咲き続けるだけでなく、生産者にもメリットをもたらし、社会の課題にも対応できる品種を開発していきます。
※2 イイハナ・ドットコム（株式会社千趣会イイハナ）調べ、アンケート実施日 2024年2月10～16日、有効回答人数 648名
■ポットカーネーションを長く楽しむには
母の日の贈り物として好まれるカーネーションは、主に鉢物と切り花があります。切り花のカーネーションの花持ちは7～10日前後で、他の花材との組み合わせでフラワーアレンジメントを楽しむことができます。一方で、鉢物のカーネーションは、手入れをすることにより次々と花が咲き、切り花よりも長く楽しめるメリットがあります。
ポイント
➀窓辺の明るい室内、もしくは屋根のある屋外などで風通しのよい場所に置きます。
➁水やりは、表面の土が乾いていたら、鉢底から流れるくらいにたっぷりと与えます。根腐
れ防止のために、鉢皿に溜まった水は捨てます（底面給水鉢の場合を除く）。また、花や
葉の上からかけず、根元に与えます。
③しおれた花はハサミなどで切ります。
④株のムレに注意し、屋外に置く場合には直射日光は避けます。
⑤鉢花用の肥料を適量与えます。
