「食べる」ことは「生きる」こと。お肉の裏側、動物たちの「いのちの物語」を知ると、私たちは、どう生(活)きる?という問いが浮かぶ。子供たちと一緒に考えたい。活き活きと活躍する大人を増やすために
当社は、4月1日を夢を発信する日にしようとするApril Dreamに賛同しています。
このプレスリリースは「えんどう畜産」の夢です。
畜産業で働くひとは苦しんでいる人が居ます。牛は、せっかく手をかけても利益が出なければ処分される経済動物であるがゆえ、就業者に心労や徒労感が大きい畜産業界。そこで、飼育者の努力や、牛たちにかけた愛情こそが新たな価値であると捉え、努力がちゃんと報われる牛を生産したい!という想いからうまれたのが【愛され和牛】です。
【愛され和牛】では、飼育者の心に残る1頭をお肉になるまで追い続け、動画を編集、お肉とともにその牛の「いのちの物語」を皆様にお届けしています。つまり、「食育のできるお肉」。この【愛され和牛】をつかって、飼育者自らが子供たちに「食育」の機会を提供する取り組みを新たにスタートします。飼育者は自分の生産物の価値を実感でき、子供たちは食について学び、社会ではフードロス削減に貢献できる一石三鳥。何より、知っているこの1頭の「いのち」を奪って肉を食べるという「いのち」の琴線に触れる経験は、なかなかできることではありません。飼育者だけでなく消費者の大人も子供も、これからを自分は「どう生きるか」考えるきっかけとなるのです。思いをかけた1頭の「いのち」を奪って「いただいた」という実体験から、受け取った「いのちのバトン」をどう未来に繋ぐかを考える、「いのちの授業」なのです。
今、畜産業界は深刻な人手不足に見舞われています。家族経営から大規模農場化の進んだ現代において、働き手不足は動物たちの生活環境の劣化に直結します。手が回らない、目が届かないという状況は、事故や病気の増加につながり、動物たちのQOL(クオリティー・オブ・ライフ)は低下しています。そのような現状では労働者側も気持ちよく働けるはずもなく、離職者は後を絶たない悪循環がおきています。私たち、えんどう畜産においても例外ではなく、現在従業員スタッフは全員、外国人人材に頼っています。その外国人人材においても、いくら条件を整えたとしても、都心部に比べると利便性に劣る・娯楽環境が近隣にない・北海道という寒冷地の生活スタイルへのミスマッチなどを理由に転職していく人もいます。生産者が高い品質を維持し、安心安全な商品を安定的に提供し続けるためには、早急な変革が必至です。
雇用主として、せっかく飛び込んできた人材を魅了してやまない、離れがたい職場環境に、自分たちが変えなければいけないと考えています。私は、従業員たちが頑張ったことが社会的に認められるシステムをつくりたい。この牛は幾らで売れたという数字のフィードバックだけでは、到底、従業員たちの心の隙間は埋まらないのです。【愛され和牛】プロジェクトでは、実際に手間と愛情をかけた飼育者本人とその牛自体が主役。動画を撮りためるのも、編集するのも、牛がお肉になるタイミングを決めるのも、どの部位を何グラムカットでどこで売るのか決めるもの飼育者本人です。店頭に並べてお客様と触れ合えるしあわせ。自分の仕事は社会的に意義があると実感できる瞬間です。農場で、いのちを生むところから食卓まで、本当に最初から最後までを見届けるのがこのプロジェクトの本質です。飼育者本人にはその牛について語りつくせないほどの思い出と経験が沢山あります。それを子供たちにシェアすることは正しく「食育」。外部に出向いて異業種の社会とつながることは閉鎖空間になりがちな牧場の勤務環境だけでは提供が難しい横の繋がりを生むでしょう。視野が広がり、やりがいを生み、さらなる向上心や志を持つ者がいるかもしれません。
「食育」についてはその重要性を自分が子育てをしてみて再認識しました。
モノがあふれ、便利さが追求される昨今では、当たり前な事柄について感謝やありがたみをなかなか感じられません。「もったいない」という感覚が少し薄れてきているように感じています。「食育」でお肉の成り立ちや流通を学ぶことで食べられる喜びやありがたみを感じ、「いのちの授業」で消費者と生産者の両者が「いのち」を見つめなおし、自分らしく活き活きと毎日を送る、輝く未来の実現を目指しています。
畜産業で働くこと、現場で価値を生み出すことを楽しむことができれば、畜産業界は明るくなります。また、子供たちが憧れるほど活き活きと働く大人を増やせば日本の未来は素晴らしいと信じてわたしは行動します。
■実行者コメント(えんどう畜産)
代表:遠藤良平
いい牛が作りたい。プロとしてレベルは落としたくない。技術も能力もあるのに働く人が居なくてできない、そんなもどかしさを抱えることがあります。「誰でもできるのが農業」などとは言われたくありません。牛づくりは本当に頭脳と気を使います。ちゃんと頑張れる人が評価され、収益が得られ、本人と経営者の両者が満足を得られる仕組み化を目指しています。
管理獣医師:遠藤恭子
大学を卒業後、犬猫の動物病院での勤務経験を経て牛飼いの世界に飛び込みました。
勤務医時代は爪切りひとつしただけでペットの飼い主さんからお礼を言ってもらえましたし、治療の結果がうまくいかなかったとしても、その子に真摯に向き合ったことに対して感謝されたりしていました。
でも牛飼いは違います。多額の治療代と時間をかけて治療しても、赤字ならアウトです。だれもお礼など言ってはくれません。怪我や病気を抱えたこに手をかけること、心と愛を注ぐことが悪しきことに成りうるのが経済動物・畜産業界であることに気が付きました。この事実は経営から一線を画す従業員スタッフの立場からすると非常に辛い現実。動物が好きでこの業種に就いたのに、機械的過ぎ、ドライすぎて辛い。
この現状を打破したいと考えています。
「April Dream」は、4月1日に企業がやがて叶えたい夢を発信する、PR TIMESによるプロジェクトです。
私たちはこ の夢の実現を本気で目指しています。