【プロジェクト参加】「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期/豊かな食が提供される持続可能なフードチェーンの構築」 | 日鉄エンジニアリング株式会社のプレスリリースhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000062.000091727.html“/>
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【プロジェクト参加】「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期/豊かな食が提供される持続可能なフードチェーンの構築」
本プロジェクトでは、国内外の先進養殖事例および実際の養殖生産工程をブリ養殖事業者の視点から精査し、国内の実情に即した大型生簀を用いた次世代型養殖システムを開発します(図1)。波浪などの影響により船舶による計画的な給餌が困難な沖合海域での大規模養殖が実現できるよう、養殖飼料(エクストルーダーペレット※(EP))を陸上給餌設備(図2)から3~5km離れた生簀まで、船舶を使わずに給餌配管を通して気流で長距離搬送する技術や、1本の配管から搬送された飼料を海上で分岐させ各生簀に給餌する装置、水中に沈下させた生簀へ飼料を崩さず給餌する水中吹込み技術の実用化を図ります。
当社および黒瀬水産は、他研究機関とともに、今後も生産性が高く競争力のある養殖業の規模拡大に向けた研究開発に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
※ エクストルーダーで成形される固形飼料。
【図1. 次世代型養殖システムの概要】 陸上給餌設備から給餌配管を用いて飼料を気流搬送し、 沖合に設置した分岐装置を経由して各浮沈式大型生簀に給餌
【図2.陸上給餌設備】 陸上給餌設備は、コンプレッサー、 飼料を入れるサイロ等から構成される
【参考】本プロジェクトの背景
我が国は豊富な天然資源を供給できる排他的経済水域(200カイリ水域)を保有するものの、近年の気候変動や外国漁船の違法操業・漁場争奪などに起因する一部水産資源の減少や、漁場形成の変化を背景に、漁船漁業による生産量の不確実性が高まっています。
そこで、工業製品のように安定供給と生産履歴を把握できる養殖業には、そのような漁船漁業の不確実性を補完する役割が期待されていますが、我が国の養殖業は諸外国に比較して極めて小規模で、養殖生産プロセスもヒトの経験と勘に大いに依存していました。また、近年では急激な為替変動(円安)などの影響で輸入飼料原料(魚粉)の価格が高騰し養殖事業者の収益を圧迫しているため、養殖生産プロセスの高度化・大規模化により生産性・競争力を高めていくことが養殖業における喫緊の課題となっています。