【プロジェクト参加】「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期/豊かな食が提供される持続可能なフードチェーンの構築」
当社および黒瀬水産は、他研究機関とともに、今後も生産性が高く競争力のある養殖業の規模拡大に向けた研究開発に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
※ エクストルーダーで成形される固形飼料。
【図1. 次世代型養殖システムの概要】 陸上給餌設備から給餌配管を用いて飼料を気流搬送し、 沖合に設置した分岐装置を経由して各浮沈式大型生簀に給餌
【図2.陸上給餌設備】 陸上給餌設備は、コンプレッサー、 飼料を入れるサイロ等から構成される
【参考】本プロジェクトの背景
我が国は豊富な天然資源を供給できる排他的経済水域(200カイリ水域)を保有するものの、近年の気候変動や外国漁船の違法操業・漁場争奪などに起因する一部水産資源の減少や、漁場形成の変化を背景に、漁船漁業による生産量の不確実性が高まっています。
そこで、工業製品のように安定供給と生産履歴を把握できる養殖業には、そのような漁船漁業の不確実性を補完する役割が期待されていますが、我が国の養殖業は諸外国に比較して極めて小規模で、養殖生産プロセスもヒトの経験と勘に大いに依存していました。また、近年では急激な為替変動(円安)などの影響で輸入飼料原料(魚粉)の価格が高騰し養殖事業者の収益を圧迫しているため、養殖生産プロセスの高度化・大規模化により生産性・競争力を高めていくことが養殖業における喫緊の課題となっています。