― 今後、畑の環境改善、観光障害の解消に期待
急速発酵資源化システム「ERS」を製造・販売する株式会社JET(本社:東京都千代田区、代表者:片山智之)は、2023年10月、システムを提供したべるちゃんたちのおうち株式会社にて、乳牛糞尿を処理した〈臭わない液肥〉の散布による実証結果を得ることができました。この結果を公開するとともに、液肥の製造に特化した小型の発酵設備の製品開発を開始いたします。
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1.はじめに | 畜産が盛んな地域で、糞尿の悪臭を懸念する自治体
家畜糞尿は、堆肥化など適切な処理を経て、肥料や土壌改良資材としての有効活用が期待できる貴重な農業資源です。ただし、不適切な管理や不十分な発酵の場合、悪臭が発生したり、河川や地下水へ流出して水質汚染を招いたりなど、環境問題の発生源としての側面も有します。特に悪臭は、現場の労働環境や周辺の生活環境だけでなく、臭気に不慣れな観光客にも影響を与えることが懸念されています。
インバウンドの地方誘客や観光消費の拡大を促進できる契機に、このような畜産公害を防ぐためには、良質な堆肥を生産する必要があります。畜産農家に極力負担を軽く、臭気が残らない十分な発酵を短い時間で行う方法が求められています。
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2.実証 | べるちゃんたちのおうち株式会社(山口県下関市)
2023年3月にERSを設置したべるちゃんたちのおうち株式会社は、乳牛の糞尿を活用して液肥を製造しています。もとより同社は、牛乳の需要が低迷する昨今において、従来通りの堆肥化・敷料化ができることに加えて、〈臭わない液肥〉が生成できる利点から導入を決定しました。乾燥せずに液肥にすることで、燃料代を軽減し、経費削減にも繋がっています。2023年9月、約6か月間の稼働を経て、計画通りの処理と悪臭のない成果物を確認し、堆肥舎においても悪臭の解消を実証しました。今後は、外部への散布に加え、液肥の販売も検討しています。
▶ 季節によって異なるERS処理方法および成果物の活用方法
① 4-11月
方法: 発酵のみで排出した成果物を、液肥として散布
利点: 使用する燃料が少なく済む
不利点: 液体なので量に比例して飛ばす水分も多く、堆肥舎での滞留時間が長くなる
② 12-3月
方法: 発酵後に凍らないよう成果物を乾燥させて固形肥料として利用(含水率70%未満)
利点: 乾燥によって液体に比べ排出量が3分の1、堆肥舎での滞留時間も短い
不利点: 使用する燃料が多くなる
▶ 概要
処理物 |
乳牛糞尿 |
処理能力 |
25トン/日 |
処理装置 |
5U型 |
成果物 |
液肥・堆肥 |
導入場所 |
山口県下関市 |
導入時期 |
2023年3月 |
活用補助金 |
畜産・酪農収益力強化整備等特別対策事業(施設整備事業) |
特記事項 |
山口県酪農農業協同組合の組合員 |
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3.特長 | 乳牛糞でも 速い・臭わない・土に良い
JETが製造・販売する急速発酵資源化システム「ERS」は、微生物による高速発酵処理(好気性発酵)を行います。これにより、乳牛糞尿であれば従来2か月ほど要する堆肥化のプロセスが、密閉状態下たった数時間で悪臭のもとを分解して〈臭わない液肥〉を製造することができます。その成果物は、大腸菌最確数は陰性(30以下/100g)、強熱減量90%以上、C/N比12~15%と高い品質で、水分70%の堆肥にもなります。
一般的な方法として、菌とおが粉(水分調整のため)を投入する場合、はじめは臭いがあり発酵に長時間を要しますが、これに対してERSはおが粉を投入しないため、有機性物質量が高く、長期的にも農業障害の要因を取り除いています。さらに、農業由来の地下水汚染リスクの増大に対して、ERSの成果物は地下浸透を引き起こさず、環境配慮します。
肥料価格の高騰で高まる液肥のニーズに対して、この〈臭わない液肥〉で特殊肥料の認定を取得して販売促進を行う予定です。
▶ERSシステムによる糞尿処理イメージ図
▶ ERS液肥を従来型の堆肥舎で使う”5大”メリット
① 好気性発酵: 畑の土にやさしい肥料となり耕作農家からのニーズが高い
② 汚水の発生抑制: 微生物による発酵熱分解で水分が蒸発
③ 悪臭の発生抑制: 殺菌・発酵済みの液肥で、堆肥舎に悪臭が発生しない
④ 発酵期間の短縮: メタンガス発生が少なく、従来よりも短期間で完熟堆肥化
⑤ 温室効果ガスの抑制: 短期発酵で炭酸ガス由来のメタンガスの発生を抑制
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4.展望 | 液肥の製造に特化した小型の発酵設備の製品開発
2023年春、液肥の製造に特化した設備の発売を予定しています。この設備においては処理工程で排水が出ず、乾燥機能を除くことで小型化が可能となります。例えば、300頭規模で1日4回転する場合、従来25t設備を要するところが6t設備になります。成果物の分析試験結果の公開も予定しているので、どうぞご期待ください。
私たちは、都市生活ごみ、おむつ、し尿、水、汚泥、家畜糞尿、野菜くず、食品加工残渣、廃棄食品、建築廃材、街路樹や山の剪定枝、刈草、雑木など、これまで廃棄物として処分されてきた物を無駄にせず、貴重な未利用資源として活用することで最大限に地域の環境効率性を高め、循環型社会の構築に貢献します。
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5. システム概要
ERS は、設置場所の周辺に生息する土着菌を活用し、対象物を1日で殺菌・発酵・乾燥して資源に変えるシステムです。また、ERSの資源化処理により生成した成果物は、含水率の低い良質な燃料や堆肥、肥料、飼料、敷料として利用できます。ゼロエミッションの実現に、ERSをご活用ください。
▶ ERSのコア技術=環境微生物の選択利用
① 設置現場周辺の土壌から普遍的にいる環境微生物を選択的に培養。
② 微生物を本体に定着させ、設置以後、補充や交換は不要。
③ 運転停止・再開後も菌の補充等不要。
▶ 特徴
① 装置がシンプル。複雑な前工程(水分調整等)、臭い対策、後工程(熟成等)が不要
② 環境微生物使用で、菌の持ち込み、補充が不要(菌床交換なども不要)
③ メンテナンスが楽(構成要素が少なく、故障が少ない。耐久性も高い)
④ 省スペース(施設維持に費用がかからない)
⑤ 無排水(排水処理に費用がかからない)
⑥ ごみの大幅な減容化が可能(運搬費用の節約可)
⑦ ごみの乾燥によってハンドリングも楽
⑧ 栄養価の高い飼料又は肥料が製造可能(販売対価を得られる)
⑨ CO2の削減、既存設備への適合など発展性や応用性が高い
▶ ERS 5つのサイズ展開と最大処理能力
【特許情報】
l 微生物、微生物含有組成物、並びに、該微生物を用いた有機肥料の製造方法
[日本]特許第4153685号(2008年7月11日登録)
l 処理対象物の発酵乾燥による燃料化装置及び燃料化方法
[日本]特許第6763575号(2020年9月14日登録)
[中国]ZL2018 8 0052014.4(2021年9月10日登録)
[フィリピン]1-2020-500383(2022年4月19日登録)
l 有害微生物を含む有機物の処理方法及び処理装置
[日本]特許第6829468号(2021年1月26日登録)
[中国]ZL201880052013.X(2022年8月9日登録)
l 有機物のメタン発酵における消化液の処理装置及びその処理方法
[日本]特許第7083160号(2022年6月2日登録)
l 家畜の排泄物の処理装置及びその処理方法
[日本]特許第7178697号(2022年11月17日登録)
[オーストラリア]2019369118(2022年12月8日登録)
[米国]US 11,618,704 B2 (2023年4月4日)
[デンマーク]DK181219(2023年5月10日登録)
【関連プレスリリース】
2022年12月16日
【1日で牛糞を発酵液肥に変える】山口県酪にて液肥化来年4月スタート
~畜産クラスター事業で悪臭・排水の出ない糞尿資源化装置ERSを導入~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000085654.html
2022年9月12日
【メタン発酵消化液の処理】
有機物系廃棄物処理におけるメタンガス化システムを劇的に進化させる特許を取得、即時実施
~現状の課題を解決する消化液処理装置ERS~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000085654.html
2022年4月7日
『畜産クラスター補助金事業』活用による急速発酵乾燥資源化
~装置 ERSの導入先 2件、 3月設置工事竣工のお知らせ~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000085654.html
2022年3月7日
敷料再生装置、寒冷地で発酵熱70℃の安定処理を実証
~零下でも凍結なく病原菌等を死滅させ、肉牛糞尿を完熟堆肥に~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000085654.html
2022年2月22日
長州産業と(株)JETが業務提携、畜産環境問題を未然に防止
~急速発酵乾燥資源化装置ERSの販売強化~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000085654.html
2021年12月29日
肉牛・乳牛農家に糞尿の堆肥化装置の導入決定
【畜産クラスター補助金】と【法人税特別税制措置】を活用
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000085654.html
2021年12月28日
【畜産業界が注目】急速発酵乾燥資源化装置ERSに新・特許技術導入
~1台で「日常時の家畜糞尿処理」「感染症発生時の死畜処理」共に堆肥化可能に~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000085654.html
2021年10月13日
肉牛糞尿の高速資源化で、おが粉購入費42%削減を達成
~敷料再生装置の稼働後1年経過、畜産農家の効率経営を支援強化~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000085654.html
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6.会社概要
会社名: 株式会社JET
所在地: 東京都千代田区一番町19 全国農業共済会館4階
代表者: 片山智之
設立: 平成25年8月
資本金: 50,000,000円
事業内容: 急速土着菌増殖乾燥システムERSに関する以下の事業
-開発・製造・販売・輸出入・管理
-適用・導入に関するコンサルティング
-原料の輸出入
ウェブサイト:https://jet-e.jp/