傷などがある果実も正規品として扱い、生産者の収入減を最小限に
西日本を中心に16の生協で構成されている一般社団法人グリーンコープ共同体(本部:福岡市博多区、代表理事:片岡宏明、以下グリーンコープ)は長野県で凍霜害に見舞われた果実生産者への支援を行います。
今年4月以降、長野県の気温は氷点下を記録するなど、断続的に凍霜害が発生しました。この凍霜害による農産物の被害は、県の推定によると23億円を超えると見られています。
今月以降、長野県産のりんごは本格的な出荷シーズンを迎えます。ですが、このままでは凍霜害により、りんごなどの果実生産者は大幅な収入減となってしまいます。そこでグリーンコープでは長野県でりんご、桃、プルーンなどを手がける生産者を支援することにいたしました。具体的には、以下の2つの支援策を実施します。
・特別出荷基準を設け、生産者の収入減を抑制
グリーンコープでは長野県産のりんごに「特別出荷基準」を設けることで、生産者の収入減を極力抑えることを目指します。「特別出荷基準」とは傷や色、サイズなどが従来の規格から外れていても、果肉に問題のない果実は正規品と同様に扱う特別措置です。従来は規格外品として扱われていた果実を正規品と同じ価格で仕入れ、販売します。
・生産者を支援するためのカンパを実施
組合員による、生産者支援のカンパを実施します。カンパで集まった資金は長野県内の各生産者団体に送られます。2021年に長野県で今年同様の凍霜害が発生した際にも、グリーンコープではカンパを実施。この際は、総額で約1350万円が集まりました。
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長野県の生産者とグリーンコープの交流
長野県の生産者とグリーンコープは、継続的な交流を行ってきました。毎年5月には「りんご・みかん博士養成講座」をグリーンコープ本部で行っています。長野県などから生産者を招き、約100人の組合員を前に、農薬の使用を極力減らすなど、安心・安全なりんごやみかんの作り方、病害虫対策などの講義してもらっています。
夏には「おもちゃのカンヅメ」と題した組合員との交流イベントを開催しています。「おもちゃのカンヅメ」という名称は、生産者と共に「何が出てくるかわからない、ワクワクする取り組みをしよう」という想いがこもっています。8月にはりんごの収穫前に組合員が長野県の産地を訪問、現地で生産者との交流を行ってきました。
このように長野県の生産者とグリーンコープは長年、強固なつながりを育んでいきました。今回の支援などを通して、長野県の生産者の力に少しでもなりたいと願っています。
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組織概要
一般社団法人グリーンコープ共同体
福岡市博多区博多駅前一丁目5番1号
代表理事 片岡宏明
https://www.greencoop.or.jp/
2018年、グリーンコープ生活協同組合連合会や、社会福祉法人グリーンコープ、労働協同組合など、九州(福岡、佐賀、長崎、大分、熊本、宮崎、鹿児島)、近畿(大阪、兵庫、滋賀)、中国(鳥取、岡山、島根、広島、山口)、そして福島の16の生協、各種団体とともに「一般社団法人グリーンコープ共同体」を設立。ひとつのグリーンコープのように持てるものを共有・連帯しながら、それぞれの地域に根ざした生活協同組合として活動してきました。「安心・安全な食べものを子どもたちに食べさせたい」という母親の想いからはじまって、それぞれの地域を豊かにしていくことを目指しています。