養殖魚を効率的に管理できる生簀管理システムを開発し、特許を出願。「第25回ジャパン・インターナショナル・シーフードショー/国際水産養殖技術展」にも出展。
Aquacraft株式会社(東京都東大和市、代表取締役:加地誠)は、クラウド養殖管理ソフト「uwotech(ウオテック)生産管理」の正式版をリリースしました。「uwotech生産管理」は、養殖生産者様のデータ管理を効率化し、生産コストの最適化を図ることを支援するサービスです。
「uwotech生産管理」では、2023年4月よりβ版を6社の事業者様に試験導入。高知大学深田教授監修のもと、各機能群の検証および改善を進めてきました。好評頂いた生簀管理システムについては特許を出願いたしました。
また、2023年8月23日(水)から3日間、東京ビッグサイトで「第25回ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」に出展します。展示にて、「uwotech生産管理」のデモを体験いただくことが可能です。無料のデモは当社公式サイトからもお申込みいただけます。ぜひお気軽にお申し付けください。
サービス紹介動画:https://youtu.be/pGkzNSA-nIU
公式サイト:https://aquacraft.blue/services/uwotech
◆「uwotech生産管理」の特徴
「uwotech生産管理」は養殖の生産者の皆さまのデータ活用を支援する養殖データ管理プラットフォームです。データの記録・管理・分析がスマホ1台で全て完結します。
1. 直感的な生簀管理
現場の漁場を鳥瞰した場合の生簀構成をスマートフォン上に再現。シンプルな操作性を実現しました。どの生簀にどんな魚がいるかが直感的に把握できるため、簡単にデータを入力・管理できます。分養※や統合、移動といった養殖ならではの群管理にも対応。記録するデータ項目や内容は生産者様ごとの魚種や飼育方針に合わせて細かくカスタマイズできます。
※分養とは、ある生簀で飼育している魚を複数の生簀に分割して管理すること
2. 給餌戦略を毎月提案
生簀ごとに池入時からの原価がどのように推移しているかを毎月自動で分析し、グラフ化します。出荷したい時期・重量をもとに作成した生産計画とこれまで発生してきた原価の両方を意識しながら飼育することで、給餌戦略の最適化を支援します。
3. データを自動で分析
在地尾数や水温、成長曲線、B品率といった生産管理指標を自動で計算・分析・グラフ化します。分析に要する専門知識や複雑なデータ処理は一切必要なく、ワンタップで知りたい結果をすぐに知ることができます。これまで必要だったデータの再入力・加工・分析にかかっていた工数を大幅に削減し、業務効率化を実現します。
◆「uwotech生産管理」が開発に至った背景と経緯
「紙にはきちんと記録をつけているが、十分に活用できていない。なんとかできないか。」宮崎県の(有)結城水産様にご相談いただいたのが、「uwotech生産管理」開発の出発点でした。他の生産者の方々にもお話を伺ってみると、魚類養殖におけるデータ管理・活用の難しさや課題が明らかになってきました。現場作業は忙しく、水に濡れやすいこともあり、誰でも気軽にデータを記入できる紙を使っている生産者様が多かったのですが、データがすぐにたまったり、データの再入力に手間や時間がかかっていたりしていました。分養や統合で管理する魚の群が変わることでデータ分析の複雑性も高くなっており、効果的な分析を行うためには専門的な知見や技術が必要でした。魚種や漁場特性によって給餌方法やリスク管理方法にも違いがあり、個別最適化も進んでいました。
そこで、養殖業におけるデータ管理の業務効率化とデータによる意思決定支援を目的にサービスの開発を始め、(有)結城水産様と幾度となくサービス設計を定義・見直してきました。データの管理・分析方法については高知大学教授の深田陽久先生に監修いただき、効果的なデータ活用の在り方についても検討を進めてきました。2023年4月からは宮崎県、高知県、愛媛県、東京都など合計6箇所の生産者様を対象に、クローズドβ版をリリース。実際の現場での使い勝手や効果を検証し、多様な生産管理ニーズに対応するためのインプットを収集してきました。
◆クローズドβ版の試験導入結果と実際にお客様からいただいた声
β版提供時はタブレットを前提としたシステムを提供していました。しかし、画面が大きく一覧性が高いタブレットよりも、気軽にポケットからすぐに取り出せるスマートフォンの方が好まれる傾向にあることがわかってきました。そこで従来のスマートフォン版では提供をしていなかった機能群をすべて実装し、UI・UXについても大幅にリニューアルしました。他にも給餌量やへい死数をグラフ化する機能や初期設定が簡単に行える機能などを開発し、クローズドβ版期間中についても継続してサービスを改善してきました。
クローズドβ版の提供終了時には生産者様からアンケートに回答いただきましたが、特にデータ入力のしやすさや管理のしやすさについて好評いただきました。
・(有)結城水産様(カンパチ・シマアジ・マダイなど)
紙のノートに記録をつけていましたが、Excelの入力が大変で続かないことが課題でした。ウオテックは生簀構成が一目でわかりますし、フォームも入力しやすくなっているのが良いと思います。船の上でデータを入力できるので、これなら継続できるのではないかと思います。
・大久保様(マダイ)
生産管理のデータの管理に時間と手間がかかっていました。小割ごとで管理情報がまとめられていたため、データの入力が楽になり、生産管理の事務的仕事を省力化することができました。大規模経営体や新規就漁者にも役立つと思います。データ分析がさらに充実すると嬉しいです。
・小河内漁協様(ヤマメ・イワナ・ニジマス)
過去の記録が紙媒体でしか残っておらず、同じ失敗を繰り返しやすい状態でした。ペーパーレスのため、紙が濡れて文字が読めなくなる心配がなくなり、記録時間も短縮。圧倒的にデータを見返す行為がラクになりました。データとして飼育の知見が貯まっていくのがいいですね。
◆「生簀管理システム」の特許を出願
分養や統合を行うと生簀構成が週や月の途中で変わってしまうため、これまでの表計算ソフトや業務用ソフトでは生産データの記録・管理・振り返りを直感的に行うことは困難でした。
そこで、どの生簀にどの魚がいるかをわかりやすく表現するため、「uwotech生産管理」では新たに生簀構成を効率的に管理するための仕組み「生簀管理システム」を発案・開発・導入しました。この生簀管理システムでは、漁場を鳥瞰した様子を模式化し、スマートフォン上に再現します。分養や統合を行うとスマートフォン上の生簀構成を更新することができるため、常に最新の生簀構成に対して記録を付けることが可能です。時刻・生簀・魚という3つの情報を統合的に管理することで分かりやすさや操作性の高さが向上しただけでなく、複雑性の高い生産データを効率的に処理することもできるようになりました。クローズドβ版での試験導入でも、実際に生産者様からも好評をいただいており、このたび当社はこの生簀管理システムの特許出願の手続きを完了いたしました。
◆「第25回ジャパン・インターナショナル・シーフードショー/国際水産養殖技術展」に出展
当社は2023年8月23日(水)から3日間、東京ビッグサイトで「第25回ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」と同時開催される「国際水産養殖技術展」に出展し、「uwotech生産管理」の展示を行います。本技術展は、海面・陸上養殖における生産性の向上、生育環境の改善、 付加価値の創出を可能とするさまざまな設備や技術の紹介を通して養殖業界のさらなる発展に寄与することを目的とされています。会期中はスマートフォンやタブレットで「uwotech生産管理」のデモ画面を実際にお試しいただけます。ぜひご来場ください。
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開催展名:第25回ジャパン・インターナショナル・シーフードショー/国際水産養殖技術展
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会期:2023 年 8 月 23 日(水)~25日(金) 10:00~17:00(最終日は16:00まで)
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会場:東京ビッグサイト・東展示棟
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小間番号:C-68
◆課題と今後の展望
クローズドβ版を試験導入する中で、現場の生産者様ならではの視点から様々なフィードバックを頂戴することができました。その中でも特にデータ分析機能の拡充について多くのご期待の声をいただいております。今後は将来の成長予測や生産計画の改善、適正な給餌水準の提案などの機能開発を進めてまいります。生産者様の日々の生産活動の意思決定にお役立ていただけるサービスとなれるよう、今後も引き続きサービスの改善を重ねてまいります。
◆Aquacraft株式会社 会社概要
当社は日本の豊かな水産資源と魚食文化を未来に残し続けるために、「おいしい魚が食卓に並ぶ『当たり前』の日々を次の世代につなぐ」というビジョンを掲げ、魚類養殖のDXに挑んでいるソフトウェア開発会社です。単なる機械化や省力化に留まらない新しい価値やソリューションの提供を通じて、未来の養殖業の新しい形を生産者の皆様とともに創造します。データや最新のテクノロジーの力を最大限に活用しつつ、得られた知見をひとりひとりの生産者に還元し、生産者を縁の下から支えます。
社名:Aquacraft株式会社
代表者:代表取締役 加地 誠
本社:東京都東大和市立野1‐18‐16にしきビル203
設立:2022年7月15日
資本金:250万円
事業内容
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水産養殖事業者向けのデータ分析・管理サービスの開発・提供
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生鮮食品、保存食品及び加工食品を扱うECの企画・開発・運営
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前各号に付帯関連する一切の事業