金曜日, 11月 22, 2024
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膜構造で養殖研究施設を設計・施工

飼育環境をコントロールし、「魚を安全に育てる」

大型膜面構造物(テント構造物)や土木・物流資材などを手がける太陽工業株式会社(東京本社:東京都世田谷区、大阪本社:大阪市淀川区、社長:能村 祐己)は、水産・食品大手のマルハニチロ株式会社から、養殖研究のための実験棟の設計、施工を受注し、このたび完工しました。

■陸上養殖研究活動に最適な空間設計

膜構造で養殖研究施設を設計・施工のサブ画像1

株式会社マルハニチロ養殖技術開発センター(南さつま市)
実験棟は左側建物

今や世界規模で議論されている気候変動によって問題視されている食糧危機、そしてSDGs(持続可能な開発目標)の観点から安定した食料供給を目的とする食品づくりが重視される中、国内の陸上養殖の取り組みが活発になっています。今回受注した養殖研究施設の特徴として、太陽光を透過した明るく清潔感のある作業空間と、太陽光を遮断し人工的に照度制御を可能とした遮光空間の、2つの異なる空間を有すとともに当社建築物の特長となる中間柱のない構造により柔軟なレイアウトを実現しています。そして施設の断熱性により、適切な温度管理を可能にしたほか、塗り床や内部側溝によって水はけを良くし、藻や苔の発生を抑制するなど、様々な工夫を盛り込んでいます。 

 
<おもな設計上の特徴>
①作業性を重視した空間設計
・    太陽光を取り込んだ明るく快適な作業空間により、作業性の向上を促しています。
*透光性が高い膜の特徴により、日中は照明が不要でエネルギー消費を低減しています。

②試験研究を可能にした空間設計
・    遮光空間をつくり照度制御を行うことによって、飼育環境のコントロールを可能にしました。

③限られたスペースを有効に活用した設計
・    中間柱がなく、施設内を最大限に活用できます。
・    水槽設備設計に合わせた自由度の高い排水システムを提供しています。
 

膜構造で養殖研究施設を設計・施工のサブ画像2

施設内観 (遮光空間)

膜構造で養殖研究施設を設計・施工のサブ画像3

施設内観 (作業空間)
 

■高品質・環境負荷に配慮しながら、わずか5か月で完工
本施設は当社独自の膜構造建築として、短工期化・低コスト化を実現した建築工法である「フレックスシステム」を採用しています。長年の膜構造建築の技術とノウハウをもとに、自社工場で部材を生産することで高品質かつ工期短縮を実現しており、本施設は着工からわずか5ヵ月(水槽工事期間を除く)で完工しました。その品質は、耐震性に優れるとともに、沿岸地域という風雨の厳しい自然環境下でも安定した強度・耐久性を誇ります。

膜構造による本施設は、軽量で使用する鉄骨量も少なくできるため、輸送による環境負荷を大きく低減、金属部材やコンクリートなどを多く使用する一般的な建築物と比較し、環境負荷の削減に寄与します。

 
■株式会社マルハニチロ養殖技術開発センター 実験棟
所在地: 鹿児島県南さつま市坊津町久志字藤太ヶ浦
構 造: 骨組膜構造 1階建て
寸 法: 間口20m×奥行き15m×高さ8m
面 積: 延床面積 300平方メートル
仕 様: 屋根/膜材 CMX220(不燃)
施 主: マルハニチロ株式会社
設 計: 太陽工業株式会社
用 途: 養殖研究施設

■太陽工業株式会社について
太陽工業は、社会の安心・安全を支え、人々の豊かな生活の実現に貢献することを目指す「膜構造のリーディングカンパニー」です。軽くて丈夫な素材の特性を活かし、巨大ドームの屋根に象徴される各種建築事業をはじめ、土木や物流、さらには環境分野などにも製品を展開しています。特に近年では、各地で多発する災害時の緊急対応や、新型コロナ対策の医療用テントでも社会の注目を集めつつあります。​

公式HP:https://www.taiyokogyo.co.jp/

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