金曜日, 11月 22, 2024
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日本初。宮城県石巻市のワカメ・コンブが、サステナブル・シーフードの証である「ASC-MSC海藻(藻類)認証 」を取得。

国内のオーガニックスーパーや量販店で販売し、サステナブルな海藻の普及へ。

2022年11月15日、宮城県石巻市北上町十三浜においてワカメ・コンブの養殖を行う19名(2法人を含む)の生産者グループ「宮城県漁協北上町十三浜支所青年部グループ」(代表 阿部勝太、以下「青年部グループ」)とフィッシュ・アンド・プラネット株式会社(代表取締役 乗藤紘吏、以下「F&P」)は、日本初となるワカメ・コンブでのASC-MSC海藻(藻類)認証を取得しました。

 

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ASC-MSC海藻(藻類)認証は、環境的に持続可能で社会的に責任ある海藻類の養殖及び天然資源採取を対象とする国際認証で、ワカメ・コンブでは日本で初めての取得となります。認証取得した海藻はF&Pが買い取り、国内のオーガニックスーパーや量販店などで販売開始されます。今後、認証を取得した水産物の生産・流通を増やすことで、次の世代に持続可能な漁業・養殖業と豊かな海の環境を残すことを目指します。

■ 認証取得したワカメ・コンブについて

青年部グループのワカメ生産量(塩蔵ワカメ)は年間約180トン、コンブ生産量(塩蔵コンブ)は年間約120トンです。F&Pはこれらを公正で安定した価格で買い取り、青年部グループとともに、日本国内及び海外において認証の価値を高く評価し購入してくれる消費者向けに商品を展開・販売します。今後、国内オーガニックスーパー(来年以降)や量販店などで販売を予定しています。

■ 認証取得の背景

世界的に海洋環境の悪化が深刻化しています。日本国内においては、漁業者の減少や水産資源の枯渇といったことも組み合わさり、漁業の衰退に歯止めがかからないような状況になっています。

宮城県石巻市北上町十三浜では、約70年前から家族経営でワカメ・コンブの養殖が行われてきました。しかし、青年部グループの19名のメンバーは、十三浜の次の世代に持続可能な漁業・養殖業と豊かな海の環境を残していく者として、海の現状に大きな不安を抱いていました。

一方、F&Pは、「持続可能な漁業・養殖業を推進し、水産資源と海を含めた地球環境を保全する」という社会ビジョンを掲げ、家族経営を中心とした小規模漁業・養殖業者とともにビジョンを実現する活動を進めていました 。代表である乗藤は、江戸時代に東京浅草で鮮魚屋として創業し、その後は東京銀座(現在は東京麻布)で天ぷら屋を営んできた創業190年の老舗天ぷら屋の7代目であり、魚食文化・天ぷら文化の存続危機を感じて活動をスタートさせました。

2020年9月、問題意識を同じくする両者が出会い、青年部グループが十三浜の地で代々養殖を続けてきたワカメ・コンブでのASC-MSC海藻(藻類)認証取得を目指すことを決めました。認証取得に向けて、F&Pが実務面や資金面などを支援しながら準備を進め、2022年11月に取得に至りました。
 

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■ 阿部勝太からのコメント

「今回、F&Pとパートナーシップを組んで、ASC-MSC海藻(藻類)認証を取得したのは、漁師の収入安定化とサステナブルな水産業を実現するためです。いま漁師の収入は不安定になりがちです。原因として、海洋環境の変化で養殖物がうまく育たないことや、販路の数が少なく、海産物の価格変動が激しいことがあげられます。そんな状況を変えていくために、私たちはASC-MSC海藻(藻類)認証を取得することを決めました。

ASC-MSC海藻(藻類)認証は環境的に持続可能で社会的に責任ある海藻の国際認証。これを取得することで、海洋環境に配慮したサステナブルな水産業に移行していくことができます。さらに、欧米を中心とした海外ではスタンダードとなっている国際認証を取得することで、国内だけでなく、国外への販路拡大も可能になると考えています。今後、十三浜内での認証取得漁師の数を増やし、浜全体での販路づくりやブランディングを目指します。」

■ 乗藤紘吏からのコメント

「いま、高度成長期にはうまく機能していた漁業・養殖業の業界構造や同業界を取り巻く産業構造によって、生産者が稼げない、そのため、生産者の数が減少している、さらに水産資源も減少し、海の環境も悪化しているという社会の現状があります。また、この社会の現状を変えるために、業界や産業全体が足並みをそろえて動く状況にはありません。結果的に損失を被るのは次の世代、つまり私たちの子どもたちや孫たちです。

今回のプロジェクトは、そのような社会の現状を強く変えたいと願う有志の若手生産者グループとともに、国際的なASC-MSC海藻(藻類)認証を、日本初・世界二番目となるASCグループ認証(有志グループによる認証取得)の手法で取得し、認証水産物を使った高付加価値商品を展開・販売していくことで、私たちが直面する社会の現状の解決を図ろうとする取り組みです。今後、このプロジェクトで先駆的なモデルを作り、同様のプロジェクトを他の小規模生産者にも展開することで、社会ビジョンを実現していきます。」

■ 団体概要

宮城県漁協北上町十三浜支所青年部グループについて
宮城県石巻市北上町十三浜において、代々家族経営でワカメ・コンブの養殖を行ってきた生産者家族の後継ぎを中心とした19名(2法人を含む)の生産者グループ。2011年3月の東日本大震災では大津波によってすべての養殖施設を失ったが、青年部グループの生産者家族は皆でともに困難を乗り越え、現在は、同グループの三代目が先代から受け継いだ十三浜の地で、ワカメ・コンブの養殖を行っています。

フィッシュ・アンド・プラネット株式会社について
F&Pは、江戸時代に東京浅草で鮮魚屋として創業し、その後は東京銀座(現在は東京麻布)で天ぷら屋を営んできた創業190年の老舗天ぷら屋の7代目が魚食文化・天ぷら文化を次世代に残すべく立ち上げた社会的企業です。「持続可能な漁業・養殖業を推進し、水産資源と海を含めた地球環境を保全する」という社会ビジョンを掲げ、家族経営を中心とした小規模漁業・養殖業者とともに、日本及び世界において持続可能な漁業・養殖業への移行を進めています。第4回ジャパン・サステナブルシーフード・アワード リーダーシップ部門 優勝。

■ この件に関するお問い合わせ

フィッシュ・アンド・プラネット株式会社
創業者・代表取締役 乗藤紘吏(のりとうひろし)
Eメール:hiroshi.norito@fishandplanet.com
ウェブサイト:https://www.fishandplanet.com/ja

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