温泉微生物の研究を進めるバイオテクノロジーカンパニーである株式会社SARABiO温泉微生物研究所(本社:大分県別府市、代表取締役社長:濱田拓也、以下「サラビオ」)は、大分県別府市に湧出する温泉水に生息する微生物に、養殖ヒラメの成長を促進し、へい死を激減させる効果があることを発見し、この度「温藻ヒラメ」のブランドで出荷を開始しました。
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サラビオは、温泉に潜む小さな微生物“藻”の本格的な研究に着手し、“藻”による美容と健康の温泉効果を国内で初めて解明いたしました。2011年に地元資源である別府温泉から、高い抗炎症、抗糖化、抗酸化作用を持つ新種の微生物「温泉藻類RG92」を発見し、2015年に特許を取得しております。
近年、地球環境の変化や乱獲などの影響で様々な魚の漁獲量が減少しており、それに代わり安定した水産物の確保に向けた養殖業が各地で盛んに行われています。一方で、成長促進や疾病対策として行われている栄養剤やワクチン・抗生剤投与などが、生産者の支出負担増、さらには消費者の食の安全性への懸念といった問題を引き起こしています。天然由来成分の力による高成長・低へい死率の養殖の実現は、「歩留まりの良い安全な食の提供」という、持続可能な水産養殖業の実現へ向けて必要不可欠な課題です。
今般、大分県別府温泉水に潜む「温泉藻類RG92」から得られたエキスが、ヒラメの成長を大幅に促進し、自然免疫を活性化させてへい死率を大幅に抑える効果があるという研究結果が得られました。通常の餌ペレットにRGエキスを混合して給餌したヒラメでは、ペレットのみの個体よりも体重が約1.3倍増加しました。さらに例年40%前後もあったへい死率が、飼育開始4か月の時点で依然として0%をキープしています(令和4年7月17日現在)。エキス給餌個体では、免疫関連因子が活性化し、また皮膚の粘液量が約2倍増加していることがわかりました。細菌やウイルスなどに対する防御機能の強化が、「へい死ゼロのヒラメ」を生み出したと思われます。この免疫関連因子の活性化は50g前後の幼魚でも確認されました。
天然由来のRGエキスを使った魚の養殖は、抗生剤投与やへい死による損失など水産業者が抱える経済的負担を大きく軽減できるとともに、残留薬物の懸念がないことや食味の向上など消費者の安全な食への期待にも応えることができると確信しております。
現在、養殖業者や大学などと連携して、トラフグやシマアジといった様々な高級魚種でもエキスの効果の検証を進めています。これらの魚種でも成長促進効果が出はじめており、RGエキスは様々な魚の「健苗性」を向上するものと思われます。また魚に限らず、エビなどの甲殻類や家畜への応用も進めており、これらについても「高い生産性」かつ「健康にやさしい」食の提供へ貢献できるものと確信しております。
弊社では、「温泉藻類RG92」を筆頭とした別府温泉の力を利用して、スキンケアを中心とした人々の健康寿命への貢献を進めてまいりました。今回新たに、健康な心身の基盤ともいえる「食」への貢献を目指し、関係機関の協力を仰ぎながら、RGエキスのさらなる可能性を明らかにしていく所存です。
- 株式会社SARABiO温泉微生物研究所 概要
会社名:株式会社SARABiO温泉微生物研究所
代表取締役:濱田 拓也
設立年:2006年7月20日
従業員数:60名
資本金:2億300万円(資本準備金含む)
本社所在地:大分県別府市大字鶴見1356-6
事業内容:温泉プロバイオティクス研究、食品、化粧品及び医薬部外品の製造販売
企業理念:進化し続ける
ホームページ:https://sarabio.jp